インド半年間インターン体験記|現地で挑んだ社会課題とリアルな海外生活#NPO法人結び手
「海外でインターンをしてみたい」「インドに興味はあるけれど、自分にできるのか不安」、、
そんな気持ちを抱えて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、大学を休学し、タンザニア🇹🇿とインド🇮🇳で計11ヶ月にわたる現地インターンを経験した、かんばさんの体験記です。
インドではビハール州ブッダガヤを拠点に、生理用ナプキン事業の立ち上げに携わり、社会課題の現場に真正面から向き合いました。
語学力やスキルが万全だったわけではない。
それでも「なぜ行くのか」「何をしたいのか」を問い続けながら、一歩ずつ前に進んだ半年間。
これからインド留学や海外インターンを考えている方にとって、理想論ではない“リアルな選択と行動”の記録です。
それではここから、かんばさんご本人による体験談をお届けします。
インド・タンザニアでの現地インターン
初めまして!インドで半年間インターンをしていた、かんばです。
今回、私のインド(およびタンザニア)でのインターン経験を執筆させていただくことになりました。
この記事をご覧の方の中には、
「どこに留学やインターンに行こうか…」
「そもそも自分にできるのかな…」
と迷っている方も多いのではないでしょうか。
実際、私も渡航前は大学に通いながら遊び呆けていた側で、「こんな自分が海外で働けるのか?」「やっぱり無理なんじゃないか、やめておいた方がいいのでは…」と強く不安を抱いていました。
だからこそ、同じような悩みを持つ方が、少しでも海外渡航に前向きになれるきっかけとなったら嬉しいです。
1. 自己紹介とインターンの目的
(1)自己紹介👨
私は大学3年の後期から1年間休学し、前半5ヶ月間はタンザニア🇹🇿で、後半6ヶ月間はインド🇮🇳で、それぞれ現地インターンを実施しました。
・タンザニアでは、生理用ナプキンを製造する工場の管轄を任され、チームをまとめながら製造・在庫管理や会計などの業務を行いました。
・インドでは、ビハール州ブッダガヤを拠点に、生理用ナプキンの製造販売事業を立ち上げ、市場調査や生理に関する基礎調査、製造者の育成、商品開発、生産などを幅広く担いました。

(2)インターンの目的🏁
インドで貧困層の方々にアプローチするという思いを実現することを、インターンの目的として掲げていました。
語学力やビジネススキルは一般的に海外インターンの目的とされますが、私にとってはあくまで目的達成のための手段であり、最終目的ではありませんでした。
2. 留学先選びと準備
(1)インドを選んだ理由
2年生最後の春休みにインドをバックパックしたことがきっかけです。
インドのスラムや貧困層が住む村を案内していただいた際、目の前で「負のサイクル」が繰り返されている現実を知りました。
『お金がないために学校へ行けない → 教育を受けられないことで社会から信用を得られず仕事につけない → さらに貧困化し、早期に結婚して多くの子どもを産まざるを得ない → 養育費が不足して子どももまた教育を受けられず、再び貧困に陥る』
こうした状況を目の当たりにし、インドに住む彼らに対して何かアプローチしたいと考えるようになりました。
(2)NPO法人結び手でのインターンを選んだ理由
インドでのバックパック旅行から帰国した後、具体的に現地で活動したいと思い調べていく中で、「結び手」に出会いました。
「外部環境が原因で努力できない人を0にする」という理念が掲げられており、自分の思いと重なり、タイガーモブさん経由で連絡を取り、面接を経てインターンに参加することが決まりました。

(3)渡航前準備
渡航前準備として、唯一実施したのは、タンザニアの生理用ナプキン工場でのインターンでした。
「結び手」でのインターンは決まっていたものの、団体のメンバーとして、どのような形で貧困にアプローチできるのか迷っていました。
そんなとき、大学の女子トイレで「無料配布されている生理用ナプキン」を見かけました。最初は「女子トイレに入ってしまった!」と焦ったのですが(笑)
その瞬間に「生理用ナプキンがなければ、女性は自由に外出できず、就学や就労を妨げているのではないか」と直感しました。
教授に話を聞いたり、論文で調べてみると、実際にその通りで生理用品の欠如が貧困の一因となっていました。
「これだ!」と思い、生理用ナプキンで貧困問題にアプローチすることを決めました。
とはいえ、知識も経験もなかったため、まず現場で学ぼうと探したところ、タンザニアで生理用ナプキン事業を行う会社を発見したため、即座にメールし、面接と試験採用を経て現地に飛びました。
タンザニアでは工場の管轄を担当しました。日本と文化も気候も全く違う環境で現地スタッフを率いるのは非常に厳しく、彼らと衝突したこともありました。
しかし最終的には、製造数を高め、日々工場を回すことができました。この経験は、異文化コミュニケーション力や調整力を養い、インドでの事業立ち上げに大きく活かせました。

(4)留学先の特徴
インド・ビハール州のブッダガヤという場所に、半年滞在しました。
仏教の聖地として、観光シーズン(11月〜3月)は世界中から参拝者が集まり、街全体が賑やかになります。毎日どこかから音楽が聞こえ、外国人も多く、刺激的でした。
おしゃれなカフェやケーキ屋などもあり、都市部ほどではないものの、生活するには十分満足できるほどでした。
一方で観光シーズンが終わると、人もお店も一気に減ります。6.7月には日中に歩いている人が私1人だけということもよくありました。
繁盛していたお店は休業し、毎日唯一空いているレストランに駆け込むしかありませんでした。にぎやかさと静けさ、その両方を味わえる街でした。

結び手のメンバーとの食事
3. 留学生活のリアル
(1)住んでた場所、食べていたもの
ゲストハウスに滞在しました。洋式トイレと温水シャワー付きの個室で、扇風機もあり、特に不自由はありませんでした。
1階には食堂があり、インド料理だけでなくチベット料理や日本食まで揃っていたため、食事に困ることはありませんでした。
私は日本の友人と「インドで体重を10kg増やす」という約束をしていたため、タンパク質の多い親子丼をほぼ毎日食べていました。食堂に行くと、何も言わなくても親子丼が運ばれてくるほどになりました(笑)。

(2)現地の交通機関との戦い
移動は主にリキシャ(トゥクトゥク)を使用していました。配車アプリ(UberやOla)は使えなかったため、道端で捕まえて値段を交渉していたのですが、ぼったくられることもありました。
乗り合いリキシャは安く、ぼったくられることもほぼないのですが、貸切リキシャを使う場合は、値段が運転手の裁量によるため、適正価格が10ルピー(約17円)のところ、300ルピー(約510円)請求されるなど、かなりぼったくられてしまうこともありました。
正規料金で乗せてくれる運転手の連絡先をもらい、毎回お願いするという方法を何度か取りましたが、必ずきてくれるわけでもなかったので、乗り合いリキシャをよく使っていました。
6人乗りに12人乗りながらぎゅうぎゅうで移動することもザラにありましたが、それもまたいい思い出です(笑)。
(3)ホームシックについて
ホームシックになることはありませんでしたが、タンザニア滞在中に一度だけ、不安で眠れない夜がありました。
原因を分析した結果、
将来が不透明であることへの不安
運動不足によって頭がリフレッシュできず、思考がマイナスに傾いていたこと
の二点が大きいと考えました。そこで、まず不透明な状況を可視化するために紙に書き出し、「これからどうすべきか」を明確化しました。
その上で、サーフィンや登山を通じて心身をリセットし、不安を解消しました。以後は、可視化と適度な運動を心掛けていたため、不安で眠れなくなることはありませんでした。

4. インターンシップについて
(1)インターンシップ先と仕事内容
インド・ビハール州を中心に、女性自立支援や教育支援を行う「結び手」で半年間現地インターンを実施しました。
生理用ナプキン事業の立ち上げを担当し、プロジェクトマネージャーとして生理用ナプキンにおける市場調査や、生理に関する基礎調査、製造者の育成、商品開発、生産など、多岐にわたって業務を経験しました。

(2)どんなことを学んだか
「信頼の重要性」です。調査を始めた当初は、すぐ日本に帰国する男子学生という立場であり、お金のためだと怪しまれたり、男性だからと拒否されたりしました。
しかし毎日顔を出して、仕事の話や、時には恋愛の話などをして、次第に関係を築いていった結果、最終的には調査に協力してくれました。信頼してもらえたのだと思います。この経験を通じて、信頼なくして何も進まないと痛感しました。
5. 留学を考えている人へのアドバイス
(1)留学前に気をつけること
「なぜ渡航するのか」「何をしたいのか」「自分のモチベーションは何か」を徹底的に考えることは、必ずやっておくべきだと思います。
多くの人はスキル習得を優先しがちですが(もちろんそれも大切です)、自己理解が曖昧なまま渡航すると、「なぜここに来たのだろう」「自分がいる意味はあるのだろうか」と迷い、やる気を一気に失ってしまいがちです。
結果として、スキル習得どころか、中途半端な状態で帰りたくなることすらあります。
だからこそ、まずは自己理解を深め、自分の根っこを固めておくことを強く勧めます。もちろん、自己理解を深めたからといって悩みがなくなるわけではありませんが、その後の挑戦を支える大きな助けになるはずです。
(2)渡航中に気をつけること
二つあります。
一つは運動です。食事や生活環境が大きく変わる中、運動はストレス発散にも交流の場にもなります。
確かに業務開始前や終了後に運動するのは少し面倒ですが、部屋に戻ってSNSを見る30分をぜひ運動に使ってみてください。
私はタンザニアではサーフィンや登山、インドではジムに通い、そこで多くの友人ができました。
もう一つは現地コミュニティへ積極的に参加することです。インド人(タンザニア人も)は日本人が大好きなことに加え、こちらからコミュニケーションを取る意思を見せると、喜んで答えて、ご飯や結婚式に招待してくれます。
その地域の文化を知ることができる貴重な機会になるので、ぜひ行ってみて欲しいです。
ただし同時に「危機感」を持つことも必要です。望まない状況に巻き込まれることもあるため、嫌なことははっきり断る勇気を持ってください。

6. 最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。最後に伝えたいのは、「渡航のハードルを高く見積もりすぎないでほしい」ということです。
私自身、渡航前は「語学力もビジネススキルも0の自分が、海外に行って大丈夫なのか」と何度も迷いました。
しかし、モチベーションさえあれば、なんとかなります。実際にタンザニアとインドに渡航した後悔は、一切ありません。もしもう一度、渡航するか否か選べるとしても、迷わず渡航します。
現地では辛いこともありますが、振り返れば笑い話になります。大切なのは一歩踏み出すことです。ぜひ皆さんも一歩踏み出してください!
皆さんのインド経験が実りあるものになることを願っています!
編集部より👩(あとがき)
かんばさんの体験から伝わってくるのは、「海外に行く準備が整った人だけが挑戦できる」のではなく、悩みや不安を抱えたままでも、行動することで道は拓けるという事実です。
インドやタンザニアという環境で得た経験は、語学やスキル以上に「自分で考え、動き、信頼を築く力」を育てたように感じます。
これからインド留学・海外インターンを検討している方にとって、一歩踏み出す勇気をくれる記録になることを願っています。
NPO法人結び手について

NPO法人 結び手は、「外部環境が原因で努力できない人を0にする」ことを理念に、日本とインドを中心に活動する国際協力NPOです。
教育・女性の自立支援・雇用創出といった分野で、現地に根ざした持続可能な事業づくりを重視し、単なる支援にとどまらない取り組みを行っています。
インド・ビハール州では、生理用ナプキンの製造・販売事業を通じて、女性の健康課題と雇用機会の両立を目指したプロジェクトを展開。
学生インターンや若手社会人も現地に入り、調査・事業立ち上げ・人材育成など、実践的な形でプロジェクトに関わっています。
かんばさんが取り組んだインターンも、こうした結び手の活動の一環として行われました。
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