《葬送のフリーレン》ソリテールは黄金郷に何しに来た?
ネタバレには配慮していません。
『葬送のフリーレン』の原作マンガはまだ読んだことがないという方には原作マンガを、既に読んだことのある方にはある一つの視点からの再読をお勧めしています。
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ソリテールがなんのために黄金郷にやって来たのかは、今ひとつわかりません。彼女はマハトにいろいろと語ってはいるのですが、何が本当なのか良くわからないのです。
ソリテールの説明をまとめると、私の理解ではこうです。(第10巻94話、95話、第11巻103話)
共存という思想は危険だから、君を改心させようと思った…

というのはウソで、本当は君を殺すつもりだったの。

だけど怖くなったから殺すのは止めたわ。自分の命が大事で、「魔族のため」なんてどうでもいい。

加勢するから、一緒に逃げよう。次の場所で「実験」しよう。私も手伝うから。私、マハトのこと結構気に入っているの。

こうやって読むと駆け落ちのようですが…(故郷でグズグズしていたラントを連れ出したユーベルも思い出します)
ソリテールは「本当は君を殺すつもり」だった、と言っています。
けれども、マハトが魔族にとって危険思想の持ち主だというのなら、大結界で封じ込めたままにしておけばよいのではないでしょうか。ソリテールが手を下さずとも、マハトは大陸魔法協会の管理下にあります。マハトが「第二の魔王」になる恐れはありません。(第9巻81話、第10巻93話)


ですから、「本当は殺すつもりでこの地を訪れた」には筋が通っていないと思います。ソリテールがマハトを殺すためには、まずは大結界を破壊する必要があります。そこまでして害のないマハトを殺す意味があるとはちょっと思えません。むしろこちらが嘘ではないでしょうか。じゃあ、「考えを改めてもらおうかと思って」が本当なのか?というのはよくわかりませんが。
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ソリテールが(フリーレンと同時期に)黄金郷にやってきた理由は、ソリテールがフリーレンを追跡調査しているからだと思われます。ソリテールは、クヴァールの戦跡とアウラの戦跡を調査した後に黄金郷へ来ているからです。
ですから、ソリテールが黄金郷を訪れた理由は、第一には、マハトではなくてフリーレンなんですね。フリーレンが黄金郷に来たから、結果としてソリテールも来ただけで。マハトに会うために黄金郷を目指して来たわけではない。
デンケンはマハトの記憶の解析に「三年は掛ける覚悟」でしたから、マハトとの対決は年単位の長期戦のつもりでした。(第10巻94話)

ですから、ソリテールがマハトに接触するチャンスはいくらでもあったわけです。フリーレンがヴァイゼにやって来て、デンケンに協力することになり、マハトの記憶解析にかかる時間が二か月に短縮されるという偶然(運命?)がなければ。
もし、フリーレンがデンケンに協力せず、黄金郷をスルーして旅を続けたなら、ソリテールとしてもこのタイミングで大結界を破壊する理由はなかったと思います。マハトを連れ出したいのであれば、フリーレンがいない時を選べばいい。危ない橋を渡る理由はありません。
しかし、フリーレンがマハトの記憶の解析を開始し、黄金郷に入ってマハトと対決するつもりであることが分かった。

フリーレンはマハトを「殺せる可能性のある魔法使い」です。

だから、最強の七崩賢マハトとはいえ、ここで死んでしまう可能性がある。ソリテールは「正直君が負けるとは微塵も思っていないけれども」、「とてもとても臆病で、心配性で怖がりで、人類を侮れるほど賢くはない」。だから、万が一を考えて加勢すると言います。
ソリテールはマハトに死んで欲しくないのです。
マハトに加勢する理由を、ソリテールは「人類との共存という夢物語の結末を見てみたい」からだと言っています。

ソリテールがマハトのことを気に入っている(おもしろがっている)のは事実でしょうし、マハトの「夢物語の」「悲劇的な結末」を見てみたいというのも本音だろうとは思いますが…(第10巻88話。こういう意地悪な「小悪魔」的振る舞いもユーベルとラントの関係を想起します)


フリーレンとの対決という危険を冒してまでやることだろうか?と思います。
考えてみれば、もう戦後なのですから(魔王はもういない)、魔族が命を懸けてフリーレンと戦う理由はありません。負けるかもしれない強敵と戦う理由がない。だからフリーレンは魔力制限をして、騙して討ち取るわけですよね。この点、黄金郷編のソリテールはフリーレンの実力を十分に知っていて、それでも戦いに身を投じています。
ここもソリテールのよくわからない振る舞いです。(女神の石碑編のソリテールだったら絶対にこんなことはしないでしょうから、この間に何かあったわけです)
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マハトの夢物語の悲劇的結末を見てみたいから、マハトには死んで欲しくない。だから加勢する。ソリテールはそう言うのですが、本当かなあ?と私は思います。見てみたいのは事実でしょうけれども、「見れたらラッキー」程度のことであって、自分の命を懸けるようなこととはあまり思えないのです。
大結界で隔てられているためにソリテールとマハトは意思疎通ができない(「この結界のせいで私の声なんて聞こえないか」)という描写があります。(第10巻94話)

であれば、ソリテールはマハトに伝えたいことがあったのではないか?
何を伝えたかったのかと言えば、この、noteでは何度も言及していますが、ソリテールは「それだけ知ってもらえれば今はそれで十分」とマハトに言っています。ですから、「それ」を伝えておきたかった。

ソリテールは噴水の前で「それ」をマハトに伝えましたから、やるべきことは済ませました。
※追記
ヴァイゼが元に戻ったことで「得」をしたのは誰かと考えると、レルネン達とフラーゼです。両者はヴァイゼで何かを探していましたから。レルネンの「心当たり」はヴァイゼにあります。もし、ヴァイゼが黄金化したままだったら、ゼーリエ暗殺計画の結果は変わっていたでしょう。
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