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《葬送のフリーレン》勇者ヒンメルの脱神格化(ヒンメルは勇者になろうと必死にもがく一人の若者だった)

「女神の石碑編」の結末に関するネタバレが含まれますので原作マンガ未読の方はご注意ください。

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勇者一行の旅が始まったのはヒンメルが16歳の時でした。(第11巻107話「女神の石碑」参照)

ヒンメルの有名な名言

アイゼンは辛く苦しい旅がしたいのかい?
僕はね、終わった後にくだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい旅がしたいんだ。

第2巻11話

これは旅が「始まったばかり」の頃のことです。

ですから、この時のヒンメルは、まだほとんど何の実績もない弱冠20歳かそこらの若者でした。

ヒンメルたちの旅は、アイゼンが指摘するように、行手には強大な魔族が立ち塞がり、魔王を倒せるかどうか分からない、それどころか生きて帰れるかどうかさえ分からない、つらく苦しい旅です。

では、なぜ、ヒンメルはこのような名言を事も無げに言えたのでしょう?

理由は二つあります。

一つは、これがフリーレンによる回想だからです。いわゆる「思い出補正」が入っています。

もう一つは、これはネタバレでもあり、《葬送のフリーレン》のテーマとも関わる重大な問題なのですが(この問題自体にはここでは触れません)、このフリーレンの回想には「時空干渉」(いわゆるタイムリープやタイムトラベル)による過去改変の影響が及んでいるからです。

つまり、私たちがフリーレンの回想を通して知っている勇者ヒンメルの姿は、ほんとうのヒンメルの姿ではないのです。(※1)

ヒンメルは最初から「勇者」だったわけではありません。

歴史上に実在した人物としてのヒンメルは勇者になろうとして必死にもがいていた一人の若者でした。(※2)

そのヒンメルの姿をフリーレンはまだ・・知りません。(※3)

私はそのように考えています。


※1 勇者ヒンメルと「ほんとうのヒンメル」の関係は、信仰の対象としてのイエス・キリストと「ナザレのイエス(史的イエス)」のような関係になっています。

※2 ヒンメルは自分が偽物の勇者であることを深く自覚しており、本物の勇者ならどうするか?を懸命に考えていたことを、フリーレンによる回想の断片から窺い知ることができます。

※3 フリーレンは「ほんとうのヒンメル」をまだ・・知らないと書きましたが、本当は知っていた・・はずなのです。しかし、過去改変が行われてしまったために、知ることができません。これは《葬送のフリーレン》のテーマと関わる大きな問題です。

※「ほんとうのヒンメル」の姿は第1話の前半(フリーレンが魔法収集の旅に出る前)で見ることができます。ここでのヒンメルはフリーレンの時間感覚を理解できていません。10年間一緒に旅した仲間であるにもかかわらず、です。これについては下記の記事で簡単に触れています。

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気になった方はぜひマンガを手に取ってみてください。

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《葬送のフリーレン》に関する記事はこちらにまとめています。ネタバレや先の展開に関する考察・予想が含まれていますのでお読みになる際はご注意を。