《葬送のフリーレン》賢者エーヴィヒは女性だった/クラフトと僧侶アゴヒゲの時代
ネタバレには配慮していません。
『葬送のフリーレン』の原作マンガはまだ読んだことがないという方には原作マンガを、既に読んだことのある方にはある一つの視点からの再読をお勧めしています。その訳をこちらの記事で説明していますのでお読みください。
賢者エーヴィヒは女性だった
第6巻50話で、ゲナウがファルシュに水鏡の悪魔について説明している場面です。

EP24「完璧な複製体」

このロングヘアの女性が賢者エーヴィヒのようです。
今まで完全に見落としていました。
人の複製を作るための魔導具
しかも、こういう壁画が残っているということは、水鏡の悪魔は魔物ではなくて魔導具ですね。人の複製を作るための魔導具です。
魔物を捕獲して利用していた…という可能性もなくはないですが、そもそも破壊されても(死んでも)魔力の粒子になっている様子がないので、魔導具で間違いないと考えます。
エーヴィヒが永遠の命を作り出すための研究の過程で作った魔導具でしょう。
この辺りは過去の考察を参照ください。
「僧侶アゴヒゲ」像はエーヴィヒ像なのか?
クラフトのパートナー(僧侶アゴヒゲ)はエーヴィヒであるという仮説を私は持っています。(いました)
なぜそう考えるかと言うと、「エルフの男性クラフトと人間の女性エーヴィヒ」と「人間の男性ヒンメルとエルフの女性フリーレン」という対比が物語として美しく魅力的だと感じるからです。
エーヴィヒはパートナーのクラフトと同じ永遠の命を求めていた。その研究の過程で誤って複製体(魔族のプロトタイプ?)を作り出してしまい制御不能となって、厄災を引き起こす…
対してヒンメルは永遠の命は求めませんでした。人間としての寿命を受け入れていたわけです。
この対比が物語として非常に魅力的なんですね。
ただ、「僧侶アゴヒゲ」とエーヴィヒはかなり容貌が異なります。
帝都の男性(おっさん)化したフランメ像でもここまでのちがいはなく、どこか元の面影を残しています。
ここまでイメージが食い違っていると、「僧侶アゴヒゲ」=賢者エーヴィヒには疑問を感じます。
クラフトと僧侶アゴヒゲの時代
二人が活躍していた時代を絞り込んでみます。
クラフトは女神様を知りません。(第3巻24話)

ですから、クラフトは神話の時代(女神様が地上に顕現していた時代)より後に生まれたと考えられます。
クラフトのパートナーである僧侶アゴヒゲの像は聖典を手にしています。(フェルンがクラフトから貰ったのとよく似た女神様のペンダントもしています。第4巻34話)

であれば、素直に考えると、クラフトたちが活躍したのは聖典が地上にもたらされて以降です。聖典は約1,600年前に地上にもたらされました。(第12巻116話)

しかし、それではフランメやフリーレンが生まれた時代と数百年程度しかちがいがありません。世界を救ったクラフト達の偉業をフリーレンが「全然」知らないのは奇妙です。(第3巻24話)

「勇者の剣」のこともあります。クラフトの剣が「勇者の剣」だとして、女神様から直接授かったわけではありませんから、剣の里にあった勇者の剣を引き抜いて、世界を救った後、元に戻したのでしょう。しかし、クラフトが勇者の剣を抜いた記録は残っていません。それくらい昔のことになります。(第3巻25話)

ですので、僧侶アゴヒゲ像の聖典は、二人が活躍した時代を絞り込む手掛かりとしてはどうも怪しいのです。僧侶アゴヒゲ像は製作者の「僧侶なのだから聖典を持っているだろう」という想像で作られている可能性があります。(逆に、聖典が地上にもたらされた時期に誤りがある可能性もあります)
ですので、クラフト達が活躍したのは、フリーレンが生まれた時代よりもずっと昔ではあるけれども、神話の時代にさかのぼるほど昔ではない、という程度にしか絞り込めないと思います。
※クラフトが神話の時代を知らないなら、ミーヌスやミリアルデも知らないでしょう。年齢はゼーリエ>クラフト>ミーヌス、ミリアルデ>フリーレンというのが私の印象です。
歴史の嘘?
クラフト達の活躍した時代が聖典がもたらされるより前のことだとすると…
そもそも聖典を所持していない僧侶が世界を救う力になるのか?は、はなはだ疑問です。女神様の魔法を使えませんから。
さらに言えば、僧侶アゴヒゲが本当に僧侶なのか?というのも疑問と言えば疑問です。僧侶ではなくて「賢者」だという可能性はあると思います。
そして、上述しましたが、聖典が地上にもたらされた時期に誤りがあって、もっと昔から存在したという可能性もあります。(ここは様々なケースが考えられて、「新約」が約1600年前にもたらされ、別内容の「旧約」がもっと昔からあった等、いくらでも想像はできると思います)
どうもこの辺り、いくつかの描写を突き合わせると、どれかに嘘(誤り)がある。「歴史に嘘があるのではないか?」という気がしてなりません。
この点、私は聖典…というか教会がウソをついている可能性は十分あると考えています。
というのは、レーヴェの神話の時代に関する知識の内容が、教会の教えと矛盾するように思われるからです。レーヴェの主張は、女神様とは別に創造神が存在し、女神様は創造神の作った世界に変更を加える下級神であると言っている様に聞こえます。(第15巻147話)

しかも、ソリテールの説明とよく似ています。こうなると、魔族の世界観が正しく、教会の世界観が間違っているのでは?という気がしてきます。(第12巻116話)

また、ゼーリエ、ミーヌス、ミリアルデたち三人の大魔法使いに生じている諦念・変節・絶望は女神様への不信が原因であるように思えるからです。
このあたりは過去記事を参照ください。
ゼンゼのケープ
賢者エーヴィヒの羽織っているケープがゼンゼのものと似ています。

ゼンゼは神話の時代に関心を持っているのかもしれないですね。 帝国編で、デンケンがゼンゼにお昼をご馳走した後「他にも聞きたいことがあるんだろう」と質問を促しています(第14巻132話)。 ここでゼンゼは、ゼーリエ暗殺計画の背景、つまり「神話の時代」と「大魔法使い」についてデンケンに質問したのだろうと推測しているのですが、そのあたりと繋がってくるかもしれません。
また、ゼンゼは「家柄良さそう」(第6巻54話)なのですが、宗教関係の家系という可能性もあるかもしれないと思いました。もしそうだとすれば、魔法使いになるということで家とは一悶着あったかもしれないですね。
ゼンゼの杖の形状も気になりました。
おわりに
賢者エーヴィヒの壁画がアニメで描写されているとは、完全に見落としていました。しかも、この壁画だけで水鏡の悪魔の正体については確定でしょう。
今回はとりあえず、関連しそうな論点をざっと検討してみました。
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