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デザイナーとして生きるために一番重要な、時間とお金の管理方法

デザイナーとして生きていくために、最も重要なものは何でしょうか。

デザインスキルでしょうか。
センスでしょうか。
人脈や運でしょうか。

僕は、そのどれでもないと思っています。

一番重要なのは、時間とお金の管理です。

頭に浮かんでいることは、たいてい実現できます。

  • 自分のサービスをつくる。

  • 文章を書く。

  • ポッドキャストを始める。

  • 誰かにデザインを教える。

特別な人にしかできないことではありません。

多くの人が実現できないのは、才能がないからではなく、頭に浮かんだことを具体的な時間や金額に置き換えていないからです。

つまり、やっていないだけです。

収入源を一つにしない

僕は、収入源を一つに絞らないようにしています。

これは、たくさん稼ぐためというより、デザイナーとして生きのびるために考えた方法です。

現在はスタートアップの一人目デザイナーとして、プロダクト、ブランディング、コミュニケーションに関するデザインを担当しています。

それと並行して、noteを書き、ポッドキャストで話し、デザインのメンター事業を運営し、スタートアップのデザイン支援もしています。

一見すると、いろいろな仕事に手を出しているように見えるかもしれません。

しかし、僕の中ではすべてがつながっています。

デザインすること。
書くこと。
話すこと。
教えること。

どれも、頭の中にある曖昧なものを、他者に伝わる形へ変える創作活動です。

2021年に始めたメンター活動では、2年間で126件の契約を経験しました。その後、自分でDesign Mentor(PRO)を立ち上げています。以前の自己紹介noteにも書いたように、最初から現在の形が見えていたわけではありません。

小さく始め、続けながら仕組みをつくり、少しずつ仕事にしてきました。

結果として、副業だけでも月収100万円を安定して超えるようになりました。

しかし、大切なのは金額ではありません。

収入源が複数あることで、ひとつの会社、ひとつのクライアント、ひとつの評価に、自分の人生すべてを預けなくてよくなったことです。

お金の余裕は、時間の余裕をつくります。
時間の余裕は、創作の自由をつくります。

忙しさと、価値は違う

僕は受託制作会社から事業会社へ転職したとき、カレンダーに空白があることが怖くなりました。

受託制作では、手を動かした時間と売上がある程度比例します。たくさんの案件を抱え、深夜までデザインし、誰よりも速く作ることが、価値だと思っていました。

ところが事業会社では、そうではありません。

カレンダーに空白があると、何か仕事をしているように見せなければならない気がして、必要性の低いUI改善案をつくったり、目的の曖昧な競合分析をしたりしていました。

この経験は、「忙しいデザイナー」がプロダクトを複雑にするという記事にも書きました。

そこで気づいたのは、創造的な仕事には「何もしていないように見える時間」が必要だということです。

目の前のタスクで一日が埋まっていると、「そもそも、この機能は必要なのか」「もっと簡単に解決できないか」と考えられません。

暇は、サボっている時間ではありません。

創造するための余白です。

だから時間の管理とは、一分も無駄にしないよう予定を詰めることではありません。

考える時間と、好きなことを続ける時間を守ることです。

ピカソも、創作だけをしていたわけではない

生きのびるための事務』には、ピカソの興味深い話が出てきます。

ピカソは、ただ自由に好きな絵だけを描いていたわけではありません。作品を売り、コレクターとの関係をつくり、求められる絵も大量に描きながら生きのびていました。

そして、生活と制作の土台をつくったうえで、新しい表現へ挑戦しました。

バラ色の時代には、レオ・スタインやガートルード・スタインから知的・経済的な支援を受けています。その後、1907年の《アヴィニョンの娘たち》を経て、キュビズムへと向かいました。オルセー美術館の解説からも、その連続した変化を確認できます。

僕はここに、創作を続けるための構造を感じます。

売るための仕事と、新しい表現へ挑戦することは、必ずしも対立しません。

売る仕事があるから、実験する時間を持てる。
現在の作風が生活を支えるから、次の作風に挑戦できる。

作品を世に残してきた芸術家は、意識的かどうかにかかわらず、時間とお金を管理してきました。

創造性は、管理の反対側にあるのではありません。
管理された土台の上に、創造性があります。

管理の基本は「量」を知ること

では、何をすればいいのでしょうか。
最初にすることは、とても単純です。

自分が持っている時間とお金の「量」を知ることです。

お金については、毎月いくら使っているのかを書き出します。

家賃、食費、通信費、税金、娯楽費。
収入源ごとの売上。
現在の預金額。
収入がなくても何カ月生活できるのか。

正しいか、間違っているかを判断する必要はありません。

まず、見ることです。

時間については、紙に大きな円を描き、一日24時間の使い方を書きます。

  • 何時に起きるのか。

  • 何時から働くのか。

  • 何時に食事をするのか。

  • 移動に何時間使っているのか。

  • SNSを何時間見ているのか。

  • 何時に寝るのか。

理想ではなく、現在の一日を具体的に書きます。

円の横には、現在の収入、毎月の支出、所持金も書いておきます。
これが、現在の現実です。

10年後の「夢」ではなく、「現実」を描く

次に、もう一つ円を描きます。

そこには、10年後の理想的な一日のスケジュールを書きます。

「有名なデザイナーになりたい」
「好きな仕事だけで暮らしたい」

それだけでは足りません。

  • 10年後は何時に起きているのか。

  • 午前中は何をつくっているのか。

  • 誰と仕事をしているのか。

  • 一日何時間働いているのか。

  • 毎月いくら使い、いくら稼いでいるのか。

  • どのくらいの所持金があるのか。

ここまで書くことで、夢の手前に「将来の現実」が現れます。

僕たちは、将来の現実が分からないまま夢だけを追いかけるから、何をすればいいのか分からなくなります。

ふわふわした夢を眺めているだけでは、今日の行動は決まりません。

しかし、10年後の一日が具体的になれば、現在との差が見えます。
10年後に毎朝3時間文章を書くなら、今月は週に1時間から始められるかもしれない。

10年後に複数の収入源で暮らすなら、今年は小さなサービスを一つつくればいい。

10年後に午後を自由な制作時間にしたいなら、そのために必要な毎月の生活費と売上も計算できます。

現実だけでは息が詰まります。
夢だけでは地面から足が離れます。

現実と夢。その二つが揃って、ようやく自分の人生になります。

管理とは、曖昧さを翻訳する技術

管理とは、頭の中にある曖昧なイメージを、数字や文章へ翻訳する技術です。

「いつか、こうなりたい」を、「いつ、何を、どれくらいやるのか」へ変える。

具体化された瞬間、夢は計画として動き始めます。
具体的なものには、命が宿ります。

デザインも同じです。

頭の中にあるだけのアイデアは、まだデザインではありません。Figmaに置き、形にし、比較し、修正できる状態になって、初めてデザインになります。

人生も、頭の中だけで考え続けていてはいけません。
一度、外に出して眺める必要があります。

「失敗した自分」を評価しない

管理の世界で確認することは、一つだけです。

あなたが続けようとしていることを、本当に好きかどうか。

好きなことを続けている人に対して、「失敗」という言葉はあまり意味を持ちません。

うまくいかなかったのは、その人がダメだからではありません。
そのとき選んだ方法が、現在の状況に合っていなかっただけです。

逆に「うまくいった」というのも、その人が特別に優れているという意味ではありません。採用した方法が、その状況に合っていたということです。

見るべきなのは人格ではなく、方法です。

noteが読まれないなら、自分を否定するのではなく、テーマ、構成、タイトル、公開方法を変える。

メンター事業が続かないなら、才能を疑うのではなく、価格、契約方法、提供時間を見直す。

ポッドキャストを更新できないなら、意志の弱さを責めるのではなく、収録頻度や編集方法を変える。

否定するなら、自分ではなく方法を否定してください。

自分を無理に褒める必要もありません。

その代わり、時間を確保できたこと、支出を把握できたこと、続けられる仕組みをつくったことを評価する。

褒めるべきなのは、自分の才能ではなく、自分がつくった管理です。

他者の評価には、時間差がある

他者からの評価で気分が変わってしまうと、長期的な創作は続きません。

そもそも、仕事の本当の評価は、時間が経たなければ分かりません。

僕のXも、3年前はフォロワーが400人ほどでした。最初の数カ月は、投稿してもほとんど反応がありませんでした。

しかし、1,000人を超え、3,000人、5,000人と増えていく中で景色が変わりました。

デザインメンターをしている方の中にも、最初の作品を完成させるまで8カ月かかった人がいます。それでも、20サイト以上の模写と数百パターンの試作を続けた結果、次の作品からは数カ月でプロレベルまで到達しました。

成長にはタイムラグがあります

反応がない時期の評価だけを信じていたら、どちらも途中で終わっていました。

良いときも、悪いときも、自分の管理を評価する。
人から何を言われても、続けられる方法をつくる。

それが創作を守ります。

管理は「好き」を見つける装置

生きている間にやることは、案外シンプルなのかもしれません。
自分が本当に好きなものを探し、見つけたら、できるだけ長く続ける。

管理は、効率よく働くためだけのものではありません。
自分にとっての「好き」を見つける装置でもあります。

今の予定に、嫌なことが入り込んでいないでしょうか。
誰かに評価されるためだけに続けていることはないでしょうか。
反応がなくても、報酬がなくても、つい考えてしまうことは何でしょうか。
他者からの評価がなくても、それをやっている時間にワクワクできているでしょうか。

僕自身に特別な才能があるのかは、分かりません。

ただ、デザインをし、文章を書き、誰かと話し、デザインを教えることが好きです。それを続けられている現在に、ワクワクしています。

自分でもまだ理解できていない「好き」は、世間の評価や日々の忙しさによって、簡単に見えなくなります。

管理は、その分からなさを外側のノイズから守り、自分の好きなものを少しずつ明確にしてくれます。

デザイナーとして生きていくために足りないものは、才能でも、能力でも、運でもありません。

時間とお金を把握し、好きなことを続けられる状態をつくること。
つまり、管理です。

参考文献

今回の記事は漫画『生きのびるための事務』を僕なりに会社くしてたものです。僕は事務がわかりにくかったので、管理に変換していますが、ほぼ同じ意味になります。

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デザイナーの僕が、普段のXや無料noteではあまり書かない、
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