ろう者と聴者の「見えない壁」をつくらないために― たった一言の心遣いが、世界を変える ―
手話通訳士のあらかわいおりです。
手話に関することを幅広く発信しています。
現在5冊の本を出版し、
2026年中に10冊の手話の本を出版するべく執筆中です。
手話通訳のような、ボランティア色の強い仕事をしている方々が、
noteを中心に副収入を得ることで、
より仕事に励むことができる。
そのロールモデルになるべく奮闘中です。
Googleで「手話 あらかわいおり」と検索していただくと、
私の活動がわかります。
関西学院大学 手話言語研究センターのコラムを読んで、強く心に残った言葉があります。
それは――
「少しだけ声で」の前に、立ち止まってほしいというメッセージです。
■ 見えない壁は、ほんの一瞬で生まれる
ろう者と聴者が同じ空間にいるとき、
一見すると「共に過ごしている」ように見えます。
しかし実際には、こんな場面が起こります。
・ろう者も手話ができる聴者もいる
・それなのに、聴者同士が音声で会話を始める
・気づいたときには、会話は進んでいる
その瞬間、空間はこう分断されます。
👉 「話している人たち」
👉 「置き去りにされている人」
この分断は、目には見えません。
けれど確実に、そこに“壁”が生まれています。
関西学院大学のコラムでも、
音声だけの会話が続くことで
空間が突然、「ろう者」と「聴者」に分かれてしまう (関西学院大学)
と表現されています。
これが、まさに「見えない壁」です。
■ 「少しだけ」が、一番危ない
多くの場合、悪意はありません。
・少しだけだから
・今だけだから
・すぐ終わるから
この「ちょっとだけ」が積み重なることで、
ろう者は会話から切り離されていきます。
そして怖いのは、
そのことに誰も気づかないことです。
むしろ、こう思ってしまうことさえある。
「これくらい大丈夫だろう」
でも、その“これくらい”の裏で、
誰かが確実に置いていかれているのです。
■ 壁をなくすのは、難しいことじゃない
では、どうすればいいのか。
答えは、とてもシンプルです。
✔ 一言、確認する
「少し声で話してもいい?」
✔ 伝える
「今こういう話をしているよ」
✔ 配慮する
「声で話すから、少し席を外すね」
たったこれだけ。
関西学院大学のコラムでも、
こうした行動の大切さが語られています。
👉 判断の前に、ひと声かける
👉 誰も置き去りにしない工夫をする (関西学院大学)
この“小さな配慮”が、
空間の質を大きく変えます。
■ 手話ができるかどうかではない
ここで重要なのは、
「手話が上手かどうか」ではありません。
本質はもっとシンプルです。
👉 その場にいる全員を、同じ空間に置こうとしているか
これだけです。
手話が完璧でなくてもいい。
通訳がいてもいい。
でも、
「自分たちだけで進めない」
この意識があるかどうかで、
場の空気はまったく変わります。
■ 通訳者として、そして一人の人として
手話通訳の現場でも、
この“見えない壁”は頻繁に現れます。
・打ち合わせで突然始まる雑談
・通訳の外側で進む重要な話
・「今は関係ないから」と省かれる情報
でも、その一つひとつが、
情報保障の質を左右します。
そして何より、
👉 「自分はここにいていいのか?」
という感覚に直結します。
■ 最後に
ろう者と聴者の間にある壁は、
制度や環境だけで生まれるものではありません。
むしろ多くは、
👉 無意識の行動
👉 ちょっとした判断
👉 ほんの数秒の会話
こうした日常の中で生まれます。
だからこそ――
壊すのも、日常の中でできる。
・一言かける
・少し待つ
・共有する
この積み重ねが、
「誰も置き去りにしない場」をつくります。
もし今、あなたが
ろう者と同じ空間にいるなら。
次に声を出す前に、
ほんの一瞬だけ考えてみてください。
👉 「この会話、全員が入れているだろうか?」
その一瞬が、
見えない壁をなくす第一歩です。
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