やっぱり私は まだまだだなぁ|漫画『波うららかに、めおと日和』第10巻

これまでの感想はこちら。
緊張の時代でも幸せはここに
「うっ!! また上がってる⋯」
昭和12年、物価上昇や暗号記事が婦人雑誌に載る不穏な時代。
「これって⋯ 手紙を書く時に 絵の中に文字を忍ばせることができる ⋯ってことだよね⋯?」
なつ美は久しぶりに再会した友人と楽しい時間を過ごすが、世相を反映して暗号に興味を持ち始め、ふと一日の行動を振り返る。
「街中や⋯ 市電で⋯ やけに距離が近い人がいた⋯ような⋯ 話を盗み聞きするため⋯? 私⋯⋯狙われて⋯? ⋯⋯⋯」
何気ない会話の中に、スパイに聞かれてはいけない話題はなかったのか、不安がよぎり瀧昌様に助けを求める。
「言い方は悪いですが なつ美さんにすら バレる程度のスパイなら すでに憲兵が 捕まえているかと」
一方、新婚の芙美子は、主婦業の忙しさに驚きつつも「おひとり様時間」を満喫していた。
「今 一人だからこそ できることよね 一人⋯⋯か⋯⋯」
ちょっと楽しくなってきた
世の空気が次第に張り詰めていく中でも、変わらぬ夫婦の幸せが静かに描かれる。
彼女たちは、私たちではないか?
と、言うと大げさかもしれませんが。
でも、日本自体は他国と戦争はしていないけど、経済なんかは明らかに戦争の影響を受けていて。
正に、今、私たちが感じてる「また値上がりしてる!」なんてすごく共感できる。
『この世界の片隅で』でも描かれているけどさ。
物価が上がったり、そもそも物が入ってこなくなったり。あとは、瀬田くんのように出征する人がいても。
みんな「日々の暮らし」をしている。大変なこともあるけど、楽しいことだってある。
でも私たちは、この先に何が待ち受けているかを知ってる。
遠いところにあった戦争は、気がつけばすぐそこまで来て、生活を一気に塗り替えてく。
なつ美さんや芙美子さんの生活を見るのが楽しい分、このあとの展開を考えると複雑。
そして、今の私たちは、もしかしたら彼女たちと同じような場所にいるのでは⋯?
と、考えてしまう最新刊でした。
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