絶食中のごちそう
術後8日目にようやく身体から出ていたチューブが無くなり、点滴だけがつながった状態になりました。
この日、もう1つ、今でも忘れられない印象に残ることがあったんですよ。
イレウス(腸閉塞)が改善してきて、イレウスチューブも取れたということで、漢方薬が処方されました。
大建中湯というお薬です。

大建中湯は、術後の腸閉塞(イレウス)の予防や治療に用いられる漢方薬です。特に、腸の手術後の麻痺性イレウスや、癒着による腸閉塞に効果が期待されます。
これを1日3回。2包ずつ飲んでください、って。
ちなみに、術後8日、まだ絶食は続いております。
口に出来るのは水かお茶ぐらい。
薬とはいえ、1週間以上ぶりに口に入るお茶以外のモノ。
水を口に含んで、サラサラと流し入れると
「えっ!これ、おいしい!!!!!!」
看護師さん「はぁ??」
すっごい怪訝そうに「はぁ?」って言われました。
薬飲んで美味しいって感動してるやつ初めて見たわ、って完全に顔に書いてました。
いや、本当に美味しかったんですよ。
漢方薬って苦くて変な味がするイメージあるじゃないですか。
違うの、大建中湯は違うの。
ちょっとピリッとした辛味の中に甘みが混在しているの。
けど、今いる看護師さんにはこの感動は伝わらない。
伝えたけれど受け取ってくれない。
まぁいいや、他の看護師さんに伝えてみよう。
翌日、別の看護師さんが部屋に来てくれたときに
「このお薬、おいしいんですけど!」
って伝えてみましたら。
すると、その看護師さんは理解してくれたようで
「あー、それね。あの…、本当はこういうことを看護師が伝えちゃいけないんですけど、漢方薬に『湯』ってついているのはお湯で溶いて飲んでみてもいいかもしれないらしいですよ。」
と、薬事法だかなんだか知りませんが、法のしがらみを少しだけどかしてくれて、おもしろいアドバイスをくれました。
さっそく実践してみる。
大建中湯をお湯で溶いて、フーフーして飲んでみます。
繰り返しますが、絶食8日目なので味のあるものを口にいれるのは久々なんです。
「すっごい美味しいんですけど!!!!」
わかったぞ、わかった。
これは「あめ湯」だ。
あめ湯はもしかすると関西ローカルの飲み物かもしれないので、補足しておくと、生姜湯だ。
あめ湯と生姜湯の違いはよく分かってませんが。
ちなみに、最近はあまり見なくなりましたが、関西では夏になるとあめ湯を冷した「冷やしあめ」という飲み物が商店街の店先で売られていました。
母親の買い物について行って買ってもらったような思い出があるなぁ。
大きなジューサーのような機械で、容器の中によく冷えた冷やしあめが入っていて、ぐるぐる撹拌されてるやつ。
この記事読んでる方で伝わる方いらっしゃったら、ぜひ伝わるよと教えて下さい。
というわけで、久々に味のあるおいしい飲み物を処方された私は、1日3回、漢方薬を飲むのが楽しみになりました。
後日談。
退院して3ヶ月目に、検診のため病院に行きました。
なんだか古巣に戻ってきたような、卒業した学校を再訪した時のような安心感。
先生に「お腹がずっと痛いんですぅ」と泣きを入れると、
「じゃあ入院中に飲んでたお薬出しときますね」
と言われ、処方箋をいただきました。
数十分に及ぶクソ長い会計待ちをして、処方箋を持って病院の前の薬局に向かいました。
結構待たされたあとに呼ばれたので行ってみると…
薬剤師さんが満杯になった紙袋を持っていました。
大丸とか、高島屋とか、百貨店でもらうサイズのあの紙袋。
調剤薬局ですよね、ここ。
開けてみるとなんと
漢方薬大人買い

なくなる気がしません。
しかも、その3ヶ月後、また検診で病院に行った際に、先生から
「あの薬、私あまり好きじゃないんですよねぇ。薬変えてみましょう」
と言われて、飲まなくなりました。
なら、出すな、最初から。
今も大建中湯2箱は我が家の棚で幅を利かせております。
