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AI使ってクオリティをコントロールしながら爆速でイラストを生成する方法

こんにちは、IVRyのデザイナー石川(@ishikakko)です!
「IVRyデザイナーブログリレー」第12回をお届けします。
今回は、ChatGPTの画像生成機能(Image機能)を活用して、短納期で複数のイラストを制作したプロセスについてご紹介します。
AIを活用したクリエイティブ実践に関心のある方は、デザイナーmichiさん(@michiminstar)による以下の記事もあわせてご覧ください。

「複数枚のバナーを、イラストを使って、短期間で作らなければいけない」
そんな状況で、AIをうまく活用しつつ、人の手で仕上げるハイブリッドな制作フローを試してみました。
AIイラスト活用にはまだまだ検証すべきことも多いですが、トンマナの担保、スピードとのバランス、指示の工夫など、実践してみての気づきをお届けします。


背景:スピードもクオリティも欲しい

今回制作したのは、広告用バナーで使う複数枚のイラスト。
それぞれ異なるシチュエーションを狙い通りに描く必要がありながらも、同じシリーズとしての統一感は必須条件でした。
とはいえ、1枚ずつ手描きしていては納期に間に合いません。
そこで選択したのが、ChatGPTのImage生成機能を活用して下絵(たたき)を作り、Illustratorで仕上げるという制作フローでした。

制作したバナーと展開したイラストたち

制作プロセスの全体像

以下が、実際に行った制作の流れです:

  1. スタイルを明確に言語化して伝える

  2. キャラクターを“俳優”のように先に設計する

  3. シチュエーションを構成・指示する

  4. 最後はIllustratorでパス化・微調整する


① スタイルを明確に言語化して伝える

まず大事なのが、「どういうイラストを作りたいか」を言語でしっかり伝えること。
IVRyらしさを表現するために、以下のような要素をChatGPTに対して明確に指示しました。

  • フラットでミニマルな色面構成

  • 輪郭線なし、丸みのあるシルエット

  • 顔の表情は基本なし(眉のみ)、感情は姿勢で表現

  • 落ち着いたトーンのマテリアルカラーを基調

  • 背景は透過(さまざまなバナーで使いまわせるように)

特に重要なのは、「言語でのスタイル指定と、参考イメージの両方をセットで提示すること」。抽象的な言葉だけではAIの解釈がブレやすいため、過去のIVRy制作物や手描きラフなどを併用しました。

💡ChatGPTでスタイル指定する際のコツ(まとめ)

構成要素ごとに分解して伝える
  
(例:線の有無、陰影、色のトーン、シルエットなど)
曖昧な形容詞を避けて、質感・印象を具体的に表現する
  ×「かわいい」→ 〇「丸みがあり親しみやすい印象」
参考画像を提示して方向性を補強する
既存スタイルを引用する
  
(例:「Humaaans風」「Material Design準拠」)
NG表現も明記する
  
(例:「写実的な陰影や線画は不要」)
出力のサイズ比・人物配置・背景透過なども明確に指定する

② キャラクターを「俳優」のように設計する

続いて行ったのが、人物キャラクターの設計です。
複数のシーンに登場することを前提に、「俳優をキャスティングする」ような感覚で、再現性の高いキャラ設計をChatGPTに行いました。
たとえば:

  • スーツを着た営業職の女性

  • 飲食店のカウンタースタッフ

  • 自宅で仕事をするフリーランスの男性

こうした人物像を俳優=演じる存在として捉え、複数の場面で「同じ人物」が一貫した姿で登場できるよう設計しておくと、トンマナが安定し、制作効率も向上します。

💡キャラクター設計に有効な要素(ペルソナ的指示)

ChatGPTでのキャラクター生成は、「見た目」だけでなく、「その人がどういう人か(=ペルソナ)」を含めて伝えると、シーンにマッチした表現が得られやすくなります。名前/コードネーム(例:Saleswoman_A)
性別・年齢層(例:30代前半の女性)
職業・業界(例:SaaSスタートアップの法人営業)
ライフスタイル・働き方(例:週2リモート勤務/育児と両立)
性格・雰囲気(例:明るく社交的/落ち着いていて信頼感のある)
服装・色味(例:ベージュのパンツ+白トップス+ネイビージャケット)
髪型・体型など(例:黒髪ショート/やや小柄)
持ち物や道具(例:ノートPC、スマホ、iPad)
よく取るポーズや表情(例:前傾姿勢で話す、自然な笑顔)

色々な職業を表現する俳優たち

③ シチュエーションを構成・指示する

キャラクターを作ったら、次はそのキャラがどのような場面に登場するのかを構成します。
ChatGPTに伝える内容としては:

  • テキストの箇条書きで状況を記述

  • 手描きのラフ画像で構図を補足

  • 背景の要素・小道具の配置も指定(椅子の向き、デスクの位置など)

たとえば:

「左手前にAIが座りPC作業、右奥に人間が座って会話。背景はカウンターのあるオフィス風景」

テキストだけでは曖昧になるレイアウトも、やはりラフがあることで狙った構図が出力されやすくなりました。

④ 最後はIllustratorで微調整

ChatGPTの出力に完璧を求めすぎると、指示の反復によってどんどん意図とずれてしまうケースがあります。
「AIにはたたきを作ってもらう」「最終調整は人がやる」と割り切るのがポイントです。
実際には以下のような作業をIllustratorで行いました:

  • パス化処理(SVG or PNG→トレース)

  • ブランドカラーへの置き換え

  • 小物の調整・削除・再配置

  • バナーに合わせた構図調整

結果として、スピード感を保ちつつ、品質も担保できるプロセスに仕上がりました。


やってみて分かったこと

  • いきなり1枚の完成品を出すのではなく、素材としての設計を先に行う方が効率的

  • キャラクターを“俳優”としてペルソナ設計しておくと、複数シーンでも破綻しにくい

  • 細かい仕上げは人の手でやった方が早く、トンマナも保てる

  • やりとりの回数を減らすために、最初の指示を最大限丁寧に設計することが重要

  • 現状ではクオリティに波があるため、ブランドに直結する表現では注意が必要

  • イラストにキービジュアルとしての強さ、個性を求める場合は、やはり作家さんなど人による手作業が前提


今後チャレンジしたいこと

今回のプロセスを経て、今後さらに試したい・整備したいこともいくつか見えてきました。

  • ブランドガイドラインやビジュアルスタイル定義を読み込ませた状態で出力できるか

    1. → トンマナやフォント・色指定などをプロンプト化し、安定出力を目指す

  • テンプレートやプロンプトを共通化し、チームで活用できる状態に整備

    1. → 非デザイナーでもある程度品質が担保できる制作フローを目指す

  • 複数キャラクター・複数ブランドトーンに対応できる設計

    1. → IVRy内外のユースケースで共通的に活用できる基盤づくり


おわりに

「AIでイラストを作る」と聞くと、「AIだけで最後まで完璧にやりきれるのでは?」という期待を持ちます。 実際、自分自身も「もう少し精度を上げれば理想通りに出力できるはず」と、つい何度も指示を重ねたくなる瞬間がありました。
ですが現時点では、AIにすべてを任せるのではなく、「人が設計し、AIが補助し、最後は人が整える」という三位一体のプロセスが、スピードとクオリティの両立には最も現実的で効果的だと感じました。

今後、AIの進化によってこの構図が変わる可能性もありますが、今はまだ人の設計力と編集力が前提となるフェーズ。 今回はその一例としての取り組みでしたが、今後も“AI × デザイナー”の共創による、新しい制作の形を模索していきたいと思います。
それではまた、次回のIVRyデザイナーブログリレーでお会いしましょう!



IVRyのデザインに興味を持っていただいた方、ぜひ一度カジュアルにお話しましょう。

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