実質減配なし24年🛡東京海上HD(8766)増配は続くのか徹底分析
ℹ️ 当記事のリンクには広告が含まれています。
⏰ この記事は約8分で読めます。
🙏 いつも「スキ❤️」をありがとうございます。
✍️ 現在93銘柄保有の高配当株マニアによる、超個人的見解です。
この記事では、手元の投資本42冊中、26冊で紹介されている【東京海上ホールディングス(8766)】を徹底分析します。

✅ 予想配当利回り:3.02%
(2027年3月期予想245円・2026年7月31日終値ベース)
高配当の目安とされる3%に、ぎりぎり乗っている水準ですね😊
高配当株投資家のための「10の基本指標」に当てはめると、こうなります。
🔻【10の基本指標】
■ 配当
△ 連続増配年数 ・・・6期(年間総額ベース・2027年3月期予想の実現で7期へ・非減配24年)
○ 配当CAGR ・・・10年で年率18.7%
△ 配当性向 ・・・55.5%(方針は50%原則)
■ 収益
○ 経常収益 ・・・右肩上がりが続く
△ EPS ・・・直近実績は下落(2025年3月期がピーク)
○ 経常利益率 ・・・15.2%
○ ROE ・・・18.7%
■ 財務
○ 営業CF ・・・黒字を継続
△ 自己資本比率 ・・・17.0%(保険業は構造上低め)
○ 現金 ・・・十分な蓄えあり
🔻10年推移グラフはこちら
東京海上ホールディングス(8766)の銘柄分析ページ
収益・財務=26年3月期実績
×はゼロ。ただ、△が4つあります。
△のひとつ、連続増配年数は年間総額ベースでカウントしているため6期とやや短いですが、普通配当ベースの非減配年数は24年と、非常に優秀です。
この記事を読めば、
増配はこの先も続くのか。そして、いまが買い時なのか。
この2つの問いに自分なりの答えを出す材料がそろいます。
それでは、見ていきましょう。
🏠 東京海上HDってどんな会社?
一言でいうと、
国内損保の東京海上日動を土台に、M&Aで広げた海外保険が利益の3分の2を稼ぐ、グローバル保険グループです。
国内では、自動車保険や火災保険の「東京海上日動」でおなじみですね。
保険料を預かって運用し、事故が起きれば保険金を払う。これが保険会社の基本の稼ぎ方です。
もうひとつの顔が、海外です。
PHLY(フィラデルフィア)、DFG、TMHCCといった米国の保険会社をM&Aで仲間に加え、海外を利益の柱に育ててきました。
実力ベースの利益指標「修正純利益」で見ると、2027年3月期の計画9,500億円のうち、海外が6,340億円。およそ3分の2を海外で稼ぐ計画です。
数字に入る前に、損保ならではの前提を2つご説明しておきます。
── 損保の決算書に「売上高」はない ──
損保の決算書には、他の業種にある「売上高」「営業利益」という区分がありません。
そのため、保険料や運用収益などの収入をまとめた「経常収益」と、そこからどれだけ利益を出したかを示す「経常利益率」で見ていきます。
この記事の10の基本指標も、この2つで採点しています。
合格ラインなどの見方の基準は、売上高・営業利益率と同じです。
── 今年から会計基準が変わる ──
東京海上は、会計基準を日本基準からIFRS(国際会計基準)へ切り替えている最中です。決算の説明や業績予想がIFRSベースに変わるのは、2027年3月期からです。
数字がどれくらい変わるかというと——
同じ2026年3月期の純利益が、日本基準では9,804億円、IFRSで作り直すと5,312億円。
利益がほぼ半分に見えますが、会社の中身は何も変わっていません。
日本基準では利益に入る政策保有株の売却益が、IFRSでは原則利益に入らないなど、利益として数える範囲のルールが違うためです。
覚えておくことは1つだけ。
基準の違う数字を、並べて比べないこと。
この記事は、比べる場面ごとに基準を揃えて書いています。安心して読み進めてください。
📊 業績|国内が減り、海外が増えた1年
まず、経常収益と経常利益率の10年推移です。

経常収益は右肩上がりが続いています。
経常利益率は15.2%と、前期(2025年3月期)の17.3%からは下がったものの、目安の10%をしっかり上回っています。
── 直近の本決算 ──

2026年3月期(2026年5月20日発表)は、増収減益でした。
経常収益は8兆8,722億円(+5.1%)と、この10年で最高を更新する一方、経常利益は1兆3,486億円(△7.6%)、純利益は9,804億円(△7.1%)です。
大台の1兆円を割りましたが、セグメント別に見ると、印象が変わります。
国内損害保険:経常利益7,444億円(前期比 ▲1,488億円)
国内生命保険:経常利益236億円(▲465億円)
海外保険:経常利益5,590億円(+705億円)
ソリューション・その他:経常利益214億円(+134億円)
減ったのは国内、増えたのは海外。
国内の落ち込みを、海外が支えた1年だったと言えます。
もうひとつ触れておきたいのが、豪州で続くグリーンシル(Greensill)関連の訴訟です。
和解に向けた交渉が進んでおり、2026年3月期の決算で、想定される損失を将来の支払いに備えるお金(準備金)として積み増しています。
── 2027年3月期の会社予想 ──

2027年3月期の予想から、決算数字はIFRSベースに変わります。
会社予想は、純利益8,300億円。
2026年3月期の9,804億円(日本基準)と並べると小さく見えますが、これは会計基準の違う数字を並べて見ているためです。
IFRSで作り直した2026年3月期は5,312億円。IFRSどうしで揃えると、+56.2%の増益予想です。
配当は245円へ、27円の増配予想。この中身は、次の章で見ていきます。
💰 株主還元|利益の成長と共に
1株配当の10年推移です。

2017年3月期に46.67円だった配当は、2026年3月期に218円まで増加。増配ペースは10年で年率18.7%です。
2027年3月期は245円と、27円の増配を予想。予想EPS441.83円に対する配当性向は55.5%です。
── 株主還元の姿勢 ──
会社は「世界トップクラスのEPS Growthと整合的なDPS Growth」を実現していく、と掲げています。
要するに、
利益の成長と足並みを揃えて、配当も伸ばしていく——という意味です。
実際、配当原資となる修正純利益の平均は、2022年3月期の3,750億円から2026年3月期の8,300億円(ここまでは日本基準ベース)まで増え続け、IFRSベースに変わる2027年3月期も8,800億円と水準を切り上げています。
なお、2027年3月期からは、配当のもとになる修正純利益の定義が変わり、政策保有株(取引先との関係維持などを目的に持ち合う株式)の売却益を含めない計算になっています。
株主還元のもう1本の柱が、自社株買いです。
2027年3月期は年間4,000億円。
会社が実績を公表している2016年度以降で、最大の規模です。
バークシャー・ハサウェイ(傘下の再保険会社ナショナル・インデムニティ)との資本提携で自己株式2,874億円分を処分しており、その希薄化を打ち消す買い戻し枠(2,874億円上限)は、4,000億円の外側に別枠で設けられています。
これだけ株主に返して大丈夫?と思いますが、保険会社の資本の健全性を示すESR(経済価値ベースの資本充足率)は268%。
目標の190%を大きく上回り、4,000億円の自社株買いを実施しても255%を保つ計算です。
なお、政策保有株そのものは、2029年度(2030年3月期)までにゼロにする方針です。売却益(税引後)も、6,061億円(2025年3月期)→4,932億円(2026年3月期)→2,700億円(2027年3月期予想)と先細りに向かいます。
売却で得た資本は、より収益性の高い事業への再投資に回す方針です。
EPSと配当性向の推移も確認します。

EPSの成長に沿って配当を増やしてきた10年です。グラフの縦点線から先は、EPSの基準がIFRSに変わります。
── 実質減配なしは24年 ──
10の基本指標では、連続増配を6期としました。
2020年3月期に、普通配当に上乗せしていた一時的な配当(先ほどの配当グラフの白抜き部分)が半分に縮み、支払総額が一度減ったためです。
普通配当そのものはこの年も増えており、リーマンショックも、コロナショックも、24年間減らしていません。
なお、会社の決算資料では、普通配当ベースで数えた「15期連続の増配」と表記されています。この記事は実際の支払総額で数えて、6期としています。
🉐 今は買い時?|株価は最高値圏
で、今のお値段はどうでしょうか。
株価の10年推移から見ていきます。
🔻 株価

10年で右肩上がり。とくに2026年3月、バークシャーとの資本提携の発表を境に、株価は一段水準を切り上げました。
2026年7月31日の終値は8,114円。最高値圏にあります。
🔻 PER
PERは、株価が「1年分の利益」の何倍かを示す指標です。15倍以下が、割安の目安とされます。
現在の予想PERは18.36倍(IFRSの予想EPSで計算)。目安の15倍を大きく上回っています。
🔻 PBR
PBRは、株価が「1株あたりの純資産」の何倍かを示す指標です。1倍が、解散価値の目安とされます。
現在の実績PBRは1.92倍(IFRSベースの1株純資産で計算)。解散価値の約2倍まで買われている計算です。
損保や銀行は、業種の性質上PBRが低めに出やすいのが一般的です。その中での1.92倍です。
3メガ損保で並べてみます。

東京海上は、PER・PBRのどちらもいちばん高い。
市場の評価は、3社で最も高い——
バークシャーに認められた!となれば、そりゃ、そうなりますよね…。
株価に関して最後に、もうひとつ。
バークシャーが2026年4月の払込で取得した価格は、1株5,962円(総額2,874億円)です。
2026年7月31日の株価8,114円は、それより約36%高い水準です。
評価は最高クラス、それゆえに値段も最高値圏。
それが、いまの立ち位置です。
📝 最後にまとめです。
✅ 予想配当利回り:3.02%
(2027年3月期予想245円・2026年7月31日終値ベース)
🔻【10の基本指標】
■ 配当
△ 連続増配年数 ・・・6期(年間総額ベース・2027年3月期予想の実現で7期へ・非減配24年)
○ 配当CAGR ・・・10年で年率18.7%
△ 配当性向 ・・・55.5%(方針は50%原則)
■ 収益
○ 経常収益 ・・・右肩上がりが続く
△ EPS ・・・直近実績は下落(2025年3月期がピーク)
○ 経常利益率 ・・・15.2%
○ ROE ・・・18.7%
■ 財務
○ 営業CF ・・・黒字を継続
△ 自己資本比率 ・・・17.0%(保険業は構造上低め)
○ 現金 ・・・十分な蓄えあり
🔻10年推移グラフはこちら
東京海上ホールディングス(8766)の銘柄分析ページ
収益・財務=26年3月期実績
🔻【直近決算の振り返り】
2026年3月期は増収減益(経常収益+5.1%・純利益△7.1%)
減ったのは国内、増えたのは海外
2027年3月期の配当は245円へ、27円の増配予想
決算数字は2027年3月期からIFRSベースへ。IFRSどうしでは+56.2%の増益予想
🔻【割安感】
× 予想PER 18.36倍(目安は15倍以下)
× 実績PBR 1.92倍(目安は1倍・IFRS純資産ベース)
損保や銀行は、業種の性質上PBRが低めに出やすいのが一般的です。その中での1.92倍は、しっかり高い評価と言えます。
🔻【気になる点】
政策保有株の売却益は先細りへ(4,932億円→2027年3月期予想2,700億円)
豪州グリーンシル訴訟は和解交渉中=決着までの不確実性
PER18.36倍・PBR1.92倍は、3メガ損保で最も高い評価
わたしとしては、買うならもう一段の押し目を待ってから、と思っています。
少しでも参考になれば嬉しいです。
MS&AD、SOMPO含めて、3メガ損保を○△×で比較した記事はこちら
📖 用語集:
IFRS(国際会計基準):世界共通の会計ルール。日本基準とは利益の数え方が異なるため、切り替わりの年をまたいだ単純比較はできない。
政策保有株:取引関係の維持・強化などを目的に保有する他社の株式。売却すれば利益になるが、売り切ればそこで終わる一時的な原資。
修正純利益:一時的な損益などを除いて計算する、会社が実力を示すために使う利益指標。何を除くかは会社や時期によって定義が異なる(東京海上の2027年3月期からの新定義では、政策保有株の売却益を除く)。
EPS、PBR、営業CFなどの基礎投資用語
👉 こちら(銘柄分析サイト)
📎 参考資料:
【公式IR】
【東京海上HD(8766)が載っていた本】

免責事項:
本記事は個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載した数値は執筆時点のものであり、最新の情報は公式IRをご確認ください。
投資の最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
🔻 分析サイト:高配当株 ○△× 早見表も掲載
最後までお読みいただき、
本当に、本当にありがとうございました 🙏
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは投資本の購入に使わせていただいております!
