3メガ損保を○△×で比較📊いま買うなら、非減配18年のMS&AD
ℹ️ 当記事のリンクには広告が含まれています。
⏰ この記事は約9分で読めます。
🙏 いつも「スキ❤️」をありがとうございます。
✍️ 現在93銘柄保有の高配当株マニアによる、超個人的見解です。
東京海上、MS&AD、SOMPO。
国内の損害保険をこの3グループでほぼ分け合っている、いわゆる3メガ損保です。
3社そろって増配が続いていて、高配当株の本でもおなじみの顔ぶれになっています。
気になるのは、その増配がどこから来ているのか。
この記事では、増配の行く末、そして、いま買うならどの銘柄かについて、わたしなりの答えを書いていきます。
それでは、見ていきましょう。
📊 3社を○△×で並べる|5指標+利回り
まず、3社を○△×で並べます。
5指標(連続増配・配当性向・EPS・経常収益・経常利益率)と、いまの配当利回りです。
いつもの5指標では売上高・営業利益率を見るところですが、損害保険の決算書には「売上高」「営業利益」という区分がありません。
かわりに、収入全体を示す経常収益と、経常利益率で見ます(○△×の基準は同じです)。

── 3社とも、会計基準が変わります ──
数字を読み解く前に、もうひとつだけ。
いま3社は、そろって日本基準から国際会計基準(IFRS)へ移る途中にあります。
SOMPOは2025年3月期から。
東京海上とMS&ADは、2027年3月期の予想からIFRSベースです。
IFRSは日本では任意適用で、上場企業のうち採用しているのは1割ほど。会社が選べる仕組みです。
基準が変わると、同じ年の利益でも金額がまるで変わります。
たとえば東京海上の2026年3月期の純利益は、日本基準で9,804億円、IFRSに置き換えると5,313億円。同じ1年の利益が、ほぼ半分に見えます。
逆に大きくなる会社もあります。SOMPOの2024年3月期は、日本基準の4,161億円が、IFRSでは5,297億円でした。
なので、東京海上の2027年3月期の予想8,300億円(IFRSベース)を、日本基準の9,804億円と並べて「減益」と読むのは早合点。同じIFRSの5,313億円と比べれば、+56.2%の増益予想です。
本記事においては、「基準が変わる年は、数字を単純につなげられない」——ここだけ押さえれば大丈夫です。
この記事の○△×やグラフは、その点に注意して作っています。安心して読み進めてください。
── ○の数と、利回り ──
○の数は、SOMPOが4つ、MS&ADが3つ、東京海上が2つ。
一方、いまの配当利回りはMS&AD 3.38%、東京海上 2.97%、SOMPO 2.75%です。
EPSは3社そろって△でした。
東京海上は、2025年3月期の542.16円が最高で、2026年3月期は更新できていません。
SOMPOは2026年3月期まで最高を更新しているものの、2027年3月期の予想が549.17円(▲21.7%)と下を向いています。
MS&ADも同じ形で、IFRSに揃えた比較でも、利益は5,106億円から4,250億円へ減る予想です。
🏆 わたしの推し|MS&AD
さっそく、結論です。
3社とも、いい会社です。そのうえで——いま買うなら、わたしはMS&ADを選びます。
理由は3つ。
いまの値段:PBR1.14倍は3社でいちばん低い。PER17.17倍も、最も評価の高い東京海上(18.66倍)を下回る
いまの利回り:3.38%は3社でいちばん高く、高配当の目安(3%)をクリアしている
配当の持続性:18年間、一度も減配していない。現行方針も「累進配当」(減配せず、維持か増配)を目指すと掲げている
3つ目を、もう少し。
MS&ADは、2026年3月期までの中期経営計画で、こう明文化していました。
「基本的還元は、利益成長に応じて一株当たり配当を増加させる。原則として、普通配当は減配を行わず、政策株式の売却加速による利益の一部を特別配当として還元する」
普通配当は減らさない。政策保有株の売却益は、普通配当に混ぜず「特別配当」として分けて還元する——という役割分担です。
2026年5月に公表された現行の経営計画では、「配当は累進配当を目指し、利益成長に応じて一株当たり配当の増加を検討」という表現になっています。
2027年3月期の予想配当170円の内訳も、普通配当140円+特別配当30円。
売却益に由来する上乗せ分が、数字ではっきり見える形です。
3社の連続増配と、減配していない年数を並べてみます。

連続増配はMS&ADの13期が最長です。
続くSOMPO 12期、そして、東京海上 6期。
なお、減らしていない年数では東京海上の24年が最長で、MS&AD 18年、SOMPO 13年です。
🧭 どれがあなた向き?|3社を同じ4目線で
推しのMS&ADも含めて、3社を同じ4項目——個性・強み/気になる点/向いている人/推しにした(しなかった)理由——で見ていきます。
各社とも、配当金・EPSと配当性向・経常収益と経常利益率の10年推移をあわせて置きました。
ここで、3社の共通項をひとつ。
3社とも、長年かかえてきた政策保有株(持ち合い株)を売っていて、その売却益が株主還元の原資になってきました。
なお、その売却は2027年3月期、3社そろって3割減る見込みです。
まずは、推しから。
── MS&AD(8725) ──
利回り3.38%・大型/○3つ(△は配当性向・EPS)



個性・強み:
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保をかかえるグループ。2026年3月期まで13期連続で増配し、2027年3月期の170円が実現すれば14期目。2008年の発足から18年間、一度も減配していない。政策保有株の売却益は「特別配当」として分けて表示し、普通配当と区別している
気になる点:
利回り3.38%は、その特別配当を含んだ数字。2027年3月期の予想170円のうち30円が特別配当で、普通配当140円だけで計算すると2.78%まで下がる。その特別配当も45円(2025年3月期)→35円(2026年3月期)→30円(2027年3月期予想)と縮んできている。配当性向は58.0%。2027年3月期は、IFRSに揃えた比較でも利益が5,106億円→4,250億円(▲16.8%)の減益予想
向いている人:
利回りと値段のバランスを取りつつ、18年減配なしの実績と累進配当の方針を重く見たい人
推しにした理由:
いまの値段・利回りのバランスで選びました。利回りは3社でいちばん高く、値段は最も評価の高い東京海上を下回る——「いま買うなら」のわたしなりの答えです
🔻他の指標も含めた推移グラフはこちら
MS&AD(8725)の銘柄分析ページ
── 東京海上ホールディングス(8766) ──
利回り2.97%・大型/○2つ(△は連続増配・配当性向・EPS)



個性・強み:
時価総額15.9兆円と3社で最大。配当を減らしていない年数は24年で、3社でいちばん長い。海外事業の比率が高く、稼ぐ場所が分散されている。配当は利益成長に応じて高めていく方針で、政策保有株の売却益は主に自社株買いへ。2027年3月期の自己株式取得は年間4,000億円の方針で、過去最大の規模。政策保有株も売却を進めていて、残高は2026年3月期末で1.9兆円。2030年3月期末までにゼロにする方針を掲げている
気になる点:
PBR1.95倍・PER18.66倍は3社でいちばん高く、利回りは2.97%と高配当の目安の3%をわずかに下回る
向いている人:
利回りの高さより、配当を減らさない実績と規模の安心感を優先したい人
推しにしなかった理由:
**配当の実績は3社でいちばん厚い。ただ、いまの株価はその評価をすでに織り込んでいると見たため。**値段が落ち着けば、真っ先に見直したい1社です
🔻他の指標も含めた推移グラフはこちら
東京海上ホールディングス(8766)の銘柄分析ページ
── SOMPOホールディングス(8630) ──
利回り2.75%・大型/○4つ(△はEPS)



個性・強み:
損害保険ジャパンを中核とするグループ。5指標の○は4つで3社のなかで最も多い。配当性向36.4%は3社でいちばん低く、増配の余地を残している。2027年3月期は150円→200円と、+33%の大幅増配を予定。PER13.22倍も3社でいちばん低い水準。2023年3月期には純利益264億円(EPS 26.14円)に対して1株86.7円を配当し、配当性向331.7%で増配した年もある
気になる点:
利回り2.75%は、高配当の目安3%に届いていない。配当を減らしていない年数は13年で3社のなかで最も短く、最後の減配はリーマン後の2013年3月期。増配の原資である政策保有株の売却益は普通配当に含めて出しているため、配当のうちいくらが売却益によるものかは外からは読み取れない。2027年3月期のEPSは701.03円→549.17円(▲21.7%)の減益予想
向いている人:
いまの利回りより、割安さとこれからの増配余地に賭けたい人
推しにしなかった理由:
中身の採点は3社でいちばん良い。ただ、利回り2.75%では高配当株として物足りないため。利回りが3%に乗ってくれば、もちろん見方は変わります
🔻株価・指標はこちら
SOMPOホールディングス(8630)|Yahoo!ファイナンス
🉐 MS&ADは、いま買いか?
最後に、MS&ADの割安感を数字で確かめます。
── 株価・PER・PBR ──
🔻株価

5,029円(2026年7月27日終値)。
株価はこの10年で大きく水準を切り上げてきました。
ただ、配当もEPSも同じように増えているので、株価が上がったぶんだけ割高になっている、という話ではありません。
🔻PER
予想PERは17.17倍。
割安の目安とされる15倍を上回り、自社の10年平均(11.71倍)よりも高めです。
ただ、この17.17倍はIFRSベースの予想EPSで計算したもの。
10年平均のほうは各期末の実績PERで、大半が日本基準です。
物差しがそろっていないぶん、「10年平均より割高になった」と単純には言い切れません。
3社で並べると、東京海上18.66倍>MS&AD17.17倍>SOMPO13.22倍。
こちらは3社とも2027年3月期のIFRS予想で計算しているので、横並びで比べられます。真ん中の位置です。
🔻PBR
PBRは1.14倍。
解散価値の目安である1倍は上回るものの、過去10年の期末は0.6〜0.8倍台が長く、1倍を超えてきたのはこの2年です。
3社では東京海上1.95倍>SOMPO1.25倍>MS&AD1.14倍と、いちばん低い位置にあります。
なお、保険や銀行のように大きな資産をかかえる業種は、もともとPBRが低めに出やすい面があります。
1倍を超えているから即「割高」とは言えませんが、目安そのものは動かさずに見ています。
つまり——バーゲン価格ではないものの、3社のなかで飛び抜けて高い評価を受けているわけでもない。
総じて、悪くない位置だと思います。
一方で、2027年3月期は配当性向が58.0%まで上がります。
利回り3.38%のうち30円ぶんは特別配当で、その特別配当は年々細くなっている——ここは頭に置いておきたいところです。
📝 最後にまとめです。
あらためて、比較表です。

3社とも、本でもよく紹介される優良企業です。
答えは、重視する軸で変わります。
配当を減らさない実績と規模の安心感で選ぶなら、東京海上HD(非減配24年・時価総額15.9兆円。ただしPBR1.95倍・PER18.66倍と、3社でいちばん高い評価)
いまの値段と利回りのバランスで選ぶなら、MS&AD(○3つ・利回り3.38%・非減配18年。わたしはこれ)
割安さとこれからの増配余地に賭けるなら、SOMPO(○4つ・PER13.22倍・配当性向36.4%。ただし利回り2.75%で、減配していない年数は13年)
わたしは、いま3社から選ぶならMS&ADです。
18年減配なしの実績と累進配当を目指す方針があって、値段も飛び抜けて高くはないいまなら、あり!と見ています。
少しでも参考になれば嬉しいです。
📖 用語集
政策保有株:取引先との関係を保つ目的で持ち合う株式。本業とは別にかかえている資産で、売れば売却益が出る。近年は「資本効率が悪い」として削減を求める流れが強まっている
特別配当:普通配当とは別に、一時的な利益が出たときに上乗せして払う配当。翌年も続く保証はないため、普通配当と分けて見る必要がある
EPS、PBR、営業CFなどの基礎投資用語
👉 こちら(銘柄分析サイト)
📎 参考資料
【公式IR】
免責事項:
本記事は個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載した数値は執筆時点のものであり、最新の情報は各社公式IRをご確認ください。
投資の最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。
🔻 分析サイト:高配当株 ○△× 早見表も掲載
🔻 𝕏:利回り"4%越え"銘柄をチェック
最後までお読みいただき、
本当に、本当にありがとうございました 🙏
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは投資本の購入に使わせていただいております!
