Photo by
niho_iida
ちいさな旅に出かけた日。
小学校の離任式の日、子どもが帰ってきてすぐに言った。
「ひとりで、自転車の旅に出かけてきていい?」
詳しく聞くと、市内を散策したいらしい。
いつも行くブックオフ、雑貨屋さん、少し遠い書店。
頭の中に、ちゃんと地図があるようだった。
楽しそうなこと考えてきたなぁ、いいじゃん。いっておいで。
そんなふうに思った。
無事で帰ってきて、という心配はあったけれど不安はなかった。
いつの間にか心配の形も変わっていたのかもしれない。
もう大丈夫だろうと思った。
少しだけ道を一緒に確認して、お昼ご飯を食べてから送り出した。
玄関で見送りながら、
「いつから連れていってが少なくなったかな」と思い返す。
夕方、帰ってきた子どもは満足そうに言った。
「時間が余ったから、図書館にも寄ってきた。」
決めた場所を回るだけじゃなく、その先を自分で選んできた一日。
漫画、ヘアピン、ガチャガチャのキーホルダーをテーブルに並べ、眺めている。
一人旅の戦利品だろう。
自分で自分の世界を歩き始めているのかもしれない。
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