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AI時代にこそ求められる「人徳」というスキルセット

本記事は、#IVRy_AIブログリレー の最終日の記事です。
これまで多様な職種のメンバーがAI活用について語ってきましたが、最終日のテーマは「人徳」です。
ここまで読んでいただいた方々、そして執筆に参加いただいたメンバーに心から感謝します。
ブログリレーの記事一覧は「IVRy AIブログリレー全記事まとめ」をぜひご覧ください。

こんにちは。株式会社IVRy(アイブリー)の宮原(@shinobu_m814です。

2023年8月に事業開発責任者(VP of BizDev)として入社し、対話型音声AI SaaS「アイブリー」を軸に、事業開発案件の創出と実行に加えて、将来の理想像からバックキャスティングした際の全社課題を解決していく役割を担っています。

入社の動機やこれまでの経験にご興味がある方は、入社エントリやその他の公開情報を読んでいただけると嬉しいです。

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IVRyでは日々、AIを事業や業務に取り込みながら挑戦を続けています。 そのなかで改めて強く感じるのは、AIが進化すればするほど、人としての在り方が試される時代になるということです。

今回はその視点から、AI時代に不可欠になる「人徳」というテーマについて考えてみます。


AI時代に空洞化するリーダーシップ

生成AIは膨大な情報を処理し、最適解らしきものを瞬時に返してくれます。 しかし、その答えには「価値判断」も「責任の所在」も含まれていません。

だからこそ問われるのは、最終的に誰が意思決定を引き受けるのかという点です。

事業開発やプロダクト開発の現場では、かつてないスピードで判断が迫られます。
短時間で数多くの選択肢が提示されるなかで、社内外のステークホルダーは「この判断に納得できるか、あるいは共感できるか」を即座に評価しています。
そのとき拠り所となるのは、役職や肩書きではなく、日頃の言動から培われた信頼に裏づけられた影響力です。

これを欠いたAI活用は、一時的な成果を生んだとしても、長期的な協働や持続的な信頼にはつながりません。
結果として、リーダーシップの空洞化が進み、「誰もついてこない」状況に陥る危険が高まります。

では、その信頼をどう築いていくのか。
ここで鍵になるのが、人間性の根底にある「徳」です。

徳が信頼を生み、AIを活かす力になる

徳とは、地位や立場ではなく、その人の在り方から育まれるものです。

その広がりを持つ概念を、ここでは実践の軸として、誠実さ・謙虚さ・寛容さ・感謝・利他の5つに整理してみたいと思います。
一見すると古くさい要素に思えるかもしれません。ですが、AI時代においてはこれこそが希少資源になります。

AIが提供できるのは「速度」と「膨大な情報処理による網羅性」に限られます。
一方で、人だけが提供できるのは「信頼」と「責任を引き受ける姿勢」です。

徳の実践が信頼を築き、その信頼こそがAIを活かす前提条件になる。
このとき、AIは単なる効率化の道具ではなく、人と組織を動かす原理へと変わります。

合理性を超えて現場を動かす

現在、私が取り組んでいるエンタープライズSaaSの事業開発では、「複雑な組織構造や多層的な意思決定を越えねばならない」場面には日常的に直面します。
それはまさに、合理性だけでは解けない現実の象徴です。

生成AIが導き出す提案がどれほど素晴らしくとも、利害や前提が複雑に絡み合う現場は単純な因果関係では動きません。
だからこそ、徳が実務の現場で力を発揮します。

  • 誠実さは、短期の打算を超えて「この人なら任せられる」と思わせる合意形成を支える。

  • 謙虚さは、自分の正しさに固執せず、異なる意見を取り込む余地を生む。

  • 寛容さは、摩擦や衝突を恐れず受け止め、歩み寄りを可能にする。

  • 感謝は、日々の小さなやりとりを温め、信頼の循環を育てる。

  • 利他は、自社や顧客の成功を超えて、組織や事業全体の成長につなげる。

これらはすべて、合理性の限界を超えて現場を動かす実務的な力です。
だからこそ、AIが進化しても変わらない真の拠りどころは、人間性そのものなのです。

徳を日常に織り込む

徳は、一度の大きな行為で証明されるものではなく、日々の小さな習慣の積み重ねによって築かれていきます。
大切なのは、知識やスキルの習得にとどまらず、毎日の在り方を丁寧に整えていくことにほかなりません。

その実践は、個人としての姿勢と、組織としての仕組みや文化の両面で求められます。

個人レベル

  • 問いを持ち続ける:生成AIの出力をそのまま受け入れず、背景や前提に「なぜ」を投げかける。問いを立て直す姿勢が、責任ある判断を支える力になる。

  • 不確実性を共有する:わからないことを隠さず伝える。誠実さは弱さではなく、信頼を築く最も確かな力になる。

  • 信頼を優先する:短期の成果にとらわれず、長期的な関係性を守る決断を選ぶ。その積み重ねが信頼となり、未来を支える。

  • 学びを分かち合う:知識や経験を独占せず、周囲に広げる。利他の行為が、組織全体に厚みと持続力をもたらす。

組織レベル

  • 人が最後に決める:生成AIの出力はあくまで補助にすぎない。最終判断を人が担う体制(Human-in-the-Loop)が、説明責任と納得感を支える。

  • 再現性を制度に埋め込む:プロセスを検証可能にし、振り返りを可能にする。仕組みに説明性と再現性を組み込むことで、信頼は持続的に築かれる。

  • 感謝と利他を文化にする:自然に「ありがとう」が交わされる環境は、立場を超えて組織を強くする。文化として人間性が根づくとき、AIは単なる効率化にとどまらず、持続的な変革をもたらす力になる。

こうした実践の積み重ねが、徳を個人の資質にとどまらず、組織全体を支える土台へと育っていくのです。

徳は未来の資本である

AIはこれからも進化を続けます。しかし、その力をどう方向づけるかを決めるのは、あくまで人間です。
最終的に信頼を託されるのは、顧客や共に働く仲間、そして社会に対して、誠実さ・謙虚さ・寛容さ・感謝・利他を日常のなかで積み重ねていける人や組織にほかなりません。

結局のところ、事業を前へと進める原動力は人の力であり、その根底を支えるのは、徳の実践によって築かれる信頼です。

この考え方は、IVRyのようにスピードと信頼の両立を求められるスタートアップにも、長年かけて信頼を築き上げてきた歴史ある企業にも、共通しています。

派手な成果ではなく、日常に織り込まれた徳の実践。
それこそが、AI時代においてこれまで以上に欠かせない重要な資本であり、未来を切り拓く力だと、私は信じています。


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