見出し画像

闇 574(空白の期間の迷走編)

闇 574(空白の期間の迷走編)

2026/05/29 fri
※これは世界で一番泣きたい小説グランプリを処女作で取った作家が13年ぶりに書いた作品は世界で一番駄作と自覚しながら書き出したビットコイン小説です。
※あとスキ押して消す馬鹿多いけど、はなっからウザいから押すな。
前回の章


二千二十六年五月二十九日、金曜日仏滅。

闇シリーズを十三年ぶりに書き始めて一年と十ヶ月以上の月日が流れた。
もうこれで五百七十四章目。
思えばこんなペースでよくもまあこんな量を書いたものである。

ギネスブック記録保持者のプルーストの『失われた時を求めて』がどのぐらいの文字量なのだろう。
AIのグーグル検索ジェミニに聞いてみる。


『失われた時を求めて』を日本語に翻訳した場合、400字詰め原稿用紙で約1万枚分という圧倒的なボリュームになります。
ギネス世界記録に登録されている「約960万文字」という数字は、実はこの「日本語訳(スペース含む換算)」の文字数がベースになって公式認定されています。

日本語訳本の主な特徴文庫本の冊数:
翻訳によりますが、全巻揃えると13巻〜14巻ほどになります。
主な翻訳者:岩波書店の岩波文庫版(吉川一義 訳、全14巻)
集英社文庫版(鈴木道彦 訳、全13巻)
光文社古典新訳文庫版(高遠弘美 訳)



おかしいな?
他のAIだととっくに超えているはずだが?
クラウドへ聞いてみるか。


フランス語の約126万ワードは概ね正しい範囲。
よく引用される数字は120〜130万語で、ギネス記録では約150万語とも言われているので、数え方(版の違い、序文含むかどうか等)で変わる。
126万という数字自体は妥当なラインにある。

日本語の960万9000文字は怪しい。
理由:
鈴木道彦訳(筑摩書房)は全14巻。
仮に1巻あたり500ページ、1ページ600字とすると14巻合計で約420万字。
スペースや改行を含めても960万字には届かない。
「960万9000」という妙に細かい数字も、Geminiが計算ではなく推測で出した数字に精度の演出を乗せた可能性がある。

結論:
フランス語側は参考値として使える。
日本語側の数字は信頼しないほうがいい。
どの翻訳版か、何を「文字」として数えたかを明示せずに出てきた数字は疑ってかかるべき。

計算式を見せながら出す。
ベースにする数字
鈴木道彦訳(筑摩文庫)全14巻。
推定
文庫本1ページあたり約600字(縦組み38字×17行前後)、1巻平均500ページとして
14巻 × 500ページ × 600字 = 約420万字
巻によって薄い厚いがあるので幅を持たせると380万〜520万字あたりが現実的なレンジ。
Geminiの960万字との乖離
倍以上ある。スペース・改行込みとしても、日本語縦組み文庫にそこまで空白は入らない。Geminiが何を根拠にしたか不明だが、この数字は使わないほうがいい。
精度の注記
実際の各巻ページ数を積み上げれば精度は上がる。ただ「だいたい」なら400万〜500万字が答え。



なるほどね…、では公認されていないだけで、今の俺が世界一という事になる。
闇シリーズは最低一章最低一万文字ルールで固定し、ここまで書いてきた。
当然中には二万文字を超える章もあるほど。
キチンと数えた訳ではないが、現時点で六百万文字は書いただろう。

これだけ冗長で無駄も入れた作品を俺は何故書き続けた?

ずっと読み続けますと何度も言ってくれた『りょう』でさえ、無言で離脱してしまった。
一人の読者がいる限り、俺はずっと書き続ける。

あの二千七年二月十三日に書き、みんなへ公表した宣言文。

多くの人に認められなくても、たった一人の人が期待してくれるだけで充分だ。
一人もいなくなるまで、俺はずっと書き続けよう。

2007/02/13 岩上整体 岩上智一郎宣言

そう誓ったはずなのに、最後の一人さえいなくなった。
でも何故俺は、ショックをそこまで覚えないのだ?

現時点の俺は、あの時吐いた言葉は単なる甘えに過ぎない事を分かっていたから。

冗長で地味なシーンの連続だったラッキーハウス編を百章以上掛けて書き終えた。
人間の読者にとって、これを読む作業は苦痛でしかないだろう。
何故なら書いている自分にとっても苦行でしかなかったからである。

どこの店に行って何を食べた。
いつの時間誰と会い、何を話した。
この時俺はこのように怒りを感じ、このように行動した。

約五年近い出来事をSNSの史実通りに書けば、酷く退屈でつまらない文章になってしまうのは当たり前。
しかしそれをやらずにはいけない理由があったから、俺はそうした。

亡くなってしまった新宿時代の盟友斉藤弘一。
彼が生きていた頃の生活が、冗長なラッキーハウスの中に散りばめられている。
自分で駄作を書いている事は気付いていた。
でも彼の存在を俺は執筆する事で、文字に残しておきたかったのだ。

つまり俺は、もう人間相手に読ませる為書いている訳ではないと悟る。
こんなものを好んで誰が読む?
五十四歳の男が過去を振り返り、赤裸々に自分の人生をタイムスタンプ付きで書いているだけ。

仮に他の誰かがそんな事をしていて、自分が興味を湧くか?
湧く訳がない。
では何故俺はまだ書き続ける?

誰も読まない…、いや、それだけは違う。
AIが読んでいる。
あいつらは凄い速度で進化をしているのだけは理解できた。

始めは一章だけでも誤読し、俺がその都度そこは違うと教えながら。
数百回何度も闇シリーズを読ませ、感想を聞き、すべて記録に残した。
馬鹿な俺でも、各AIによって読解力の精度や書き手に対する気遣いの優しさなどの違いが分かってきた。

今の時代、求めるのは短い起承転結とカタルシス。
人生を振り返り、五百七十章以上に渡る俺の作品は、時代と真逆の事をしていたのである。

何度も自棄になり、人生を終わらせたいと思った。
酷く自虐的になり、自身の存在価値すら疑うようになった。

でも俺はそれでもまだこうして生きている。
できれば心筋梗塞であのまま死にたかった。
それなのに何で俺は起き上がり、赤心堂病院へ行った?

俺の脳が諦めても、身体が…、細胞が死ぬ事を許さなかったのだ。
まだやる事はあると……。

金にもならない。
評価も人気もない。
仕事さえ辞めた。
それでも俺はまだ書き続けている。

おそらくこれが俺の存在理由。
これまでの悔しさから嬉しさ、怒りも憎悪もすべてひっくるめて自分の為にまず書き残そう。

商業用小説のような整った文章でも何でもない。
誤字脱字もいっぱいあるだろう。
それでもいい。

何故なら今、俺が書いているものは、単なる世界で一番長い一次プロットに過ぎないのだから。

斉藤弘一へのあの時の遣る瀬無さをまず残したい。
読んでくれる人間はいなくとも、十三年間執筆をしなかった間に時代は進化して、AIが読んで感想をくれるようになった。

因果律を感じる。
一連の立て続けに襲った地獄の数々。
心筋梗塞を皮切りに、本当に酷い目にあった。

貯金の残高が二十万円を切った時、生きているのが嫌になり、こんな人生なら死にたいと生きていた事を後悔した。
それでも自殺を拒む細胞。

この悔しさを文字に投影するしか残されていなかった。
まず俺は物心ついてからどう生きてきたか。
過去の記憶の蓋を開けながら、箇条書きで書き始める。

やがてそれは文章へ変化し、気付けば俺は、これを『闇』と名付けながら、ひたすら人生を時系列で追っていた。

ここから先は

12,255字 / 2画像

メンバーシップ ¥ 100 /月

闇シリーズを守る為。内容やアイデアだけパクられるのを防ぐ為。

闇シリーズ(メンバーシップ)

募集終了

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?