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【書評】『「サッカーはデータが10割」最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』

【書評】

『「サッカーはデータが10割」最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』

イアン・グラハム(著)
木崎伸也(監修)
樋口武志(訳)



Ⅰ.「概要」

 本記事は、僕が「データ分析」系のフットボール関連記事(リンク先参照)を執筆する際、参考文献として挙げさせて頂いている『「サッカーはデータが10割」最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』の書評となります。


【著者紹介】イアン・グラハム氏とは

 まず、本書の著者である「イアン・グラハム」氏について、簡単に紹介させて頂きたいと思います。

 イアン・グラハム氏は、ケンブリッジ大卒の物理学者であり、「2012/13」~「2022/23」シーズンまで、プレミアリーグの名門、リヴァプールでリサーチ部門の責任者を務め、クロップ氏と共にクラブの復権に大きく貢献した、データ分析官です。
 ちなみにリヴァプールに引き抜かれる前は、データ分析官として、トッテナムに携わっていました。


【著者の本旨】パート別 概要

 本書は大きく分けると、以下の3つのパートに分類することが出来ます。
① プレミアリーグで優勝する方法
② 誰も知らなかったサッカーの本当の見方
③ サッカーの「究極の疑問」を科学的に解く

 まず、①に関しては、イアン・グラハム氏(以下 著者)の言葉を借りれば「データ分析の物語」を伝えることがテーマとなっています。
 
具体的には、著者のトッテナム・リヴァプールでの仕事内容(選手・監督とのやり取りや、クラブ・選手に対するデータ分析他)について、具体的な人物名(ロジャーズ氏・クロップ氏・サラー選手・ファンダイク選手他)を挙げながら、物語形式で描かれています。
 
そのため「数字は苦手」という方でも、トッテナム・リヴァプールの内側に触れられる「ノンフィクション作品」として楽しむことが出来るパートと言えるかと思います。

 次に②に関しては、こちらも著者の言葉を借りれば「フットボールの見る目を変える」ことがテーマとなっています。
 このパートに関しては、①と比較して「データ分析」の色合いが濃く、専門性の高い、少々、小難しい話も入って来るというのが正直なところかと思います。
 そのため「データ分析」に興味のある方にはお勧めの一方で、「数字は苦手」という方にとっては、①と比較すれば読み難い部分もあるかもしれません。
 ただ、当然のことながら、リヴァプール・プレミアリーグを中心とした「フットボール」の話をしているわけであり、分析の細かい話を読み飛ばせば、フットボールファンの多くが楽しめる内容と言えるかもしれません。

 最後に③に関しては、「いい監督と駄目な監督の見分け方」や「史上最高の選手はクリスティアーノロナウドかメッシか」などの疑問に対して、データ分析の観点から科学的にアプローチする形となっています。
 ②と同じく「データ分析」ではあるものの、扱っているテーマには、上記の通り、取っ付きやすいものが含まれているため、そういった意味では、こちらも多くの方が楽しめる内容と言えるかもしれません。

 以上の点を踏まえた上で、恐らく、多くの方が最も興味があるであろう、パート①に関する書評を、次章で書かせて頂きたいと思います。

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Ⅱ.「書評」(ネタバレあり)

注意点

 本章では、著者・出版社にご迷惑をお掛けしない程度に、節度を守った上で、「ネタバレ」も含んだ書評を書かせて頂きます。
 
そのため、余計な情報は入れずに本書をお読みになり方は、お気をつけ下さい。


データ分析と移籍市場

 本書の表題『サッカーはデータが10割』を見て、データ分析官が選手のプレー・判断に対して「A地点からのシュートは成功確率が低いから止めろ」「B地点からC地点にパスを出せば高確率で得点に繋がる」などと、口を出しているシーンをイメージされた方も多いのではないでしょうか。

 かくいう僕もその様なことをイメージしつつ、同時に「それは嫌だな」とも思いながら、本書を購入した様な記憶があります。
 ただ、結論から言うと、少なくとも本書では、著者を含めたデータ分析官やコーチ陣が、選手に対して直接、データ分析の観点から何か言葉を掛けるという話はなかったと記憶しています。

 では、表題の『サッカーはデータは10割』とは何を指し示しているのかと言えば、それは端的に言うと「”移籍市場”におけるデータ分析の有効性」ということになります。
 具体的には、移籍市場において、過小評価されている選手を発掘したり、クラブ・監督のスタイルに適した選手を判別したりする際に、データ分析が有効であり、そこで他クラブよりも優位に立つことが、本書の副題でもある「プレミアリーグでの優勝」に繋がるという話になります。


リヴァプール 選手獲得方針

 著者のトッテナム時代からの盟友であり、当時、リヴァプールのスポーツディレクター(注1)を務めていた「マイケル・エドワーズ」氏は、本書の中で以下の様な言葉を残しています。
 エドワーズ氏いわく「監督・データ・スカウティング・ビデオ分析・財務分析の意見が一致すれば、その選手の獲得に間違いはない」とのことであり、また、リヴァプールには、2015年以降「データがノーなら契約しない」(注2)という基本原則があったそうです。
(注1):「2024年3月にリヴァプールのSDに復帰」したという報道は確認できていますが、現職か否かは不明
(注2): 現在も同様の方針が取られているか否かは不明


 本書には他にも、リヴァプールを中心に、フットボール界の裏側に関する、興味深い話が数多く掲載されております。
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 【書評】『「サッカーはデータが10割」最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』は以上となります。
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