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【栃木ダービー分析】「2025 J3リーグ 第22節」栃木シティvs栃木SC 分析レポート

「2025 J3リーグ 第22節」

栃木シティvs栃木SC 分析レポート

0-1(前半0-1/後半0-0)


※ 映像内容は全く同じであるため、贔屓のクラブ動画をご覧下さい
※ 上から栃木シティ・栃木SCの順番(ホーム&アウェー順。他意はありません)

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【訂正とお詫び】

 『第6節 カマタマーレ讃岐vs栃木シティ』『第7節 栃木SC vs 栃木シティ』の分析レポートにて、選手の漢字表記に一部、誤りがありました。
 訂正してお詫び申し上げます。

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※ 原則「2025シーズン前半戦終了時」の戦術分析
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Ⅰ.「フォーメーション」

 栃木シティは「4-1-2-3」をベースに採用。
 前線からのプレス時は「4-3-3」。
 ブロック時は「4-5-1」。

 栃木SCは「3-4-2-1」をベースに採用。
 前線からのプレス時は「5-3-2」。
 ブロック時は「5-4-1」

 スターティングメンバ―他、出場選手に関しては「Jリーグ公式HP」をご参照ください。

 
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Ⅱ.「マッチレビュー」

 今シーズン最後の「栃木ダービー」ということで、両クラブ共に相当な覚悟を持って挑んだことは、容易に想像がつく一戦。

 栃木シティは、今節実施前の順位表では見事1位につけており、ヴァンラーレ・FC大阪との熾烈な優勝・自動昇格争い真最中。更には、4位以下のクラブとも、連勝・連敗で状況が一変する可能性があり、全く気の抜けない、プレッシャーの強い立ち位置。
 
その一方で「栃木ダービー」では「1分1敗」と負け越しており、イーブンに戻すためには、勝利が絶対条件という、こちらも簡単ではない状況。

 栃木SCは、今節実施前の順位表では、最下位のアスルクラロと5ポイント差の17位と下位に沈んでおり、“ここから上がって行くしかない”という意味で「これ以上、失うものがない」とも捉えられる状況。
 その一方で「栃木ダービー」では「1勝1分」と勝ち越しており、この点においては、良い意味で「精神的に余裕がある」とも考えられるか。

 実際、栃木シティ・栃木SCがどの様な雰囲気であったのか、上記した要素がどう影響したのか否か、その点は分かり兼ねますが、試合を観た限り、先制点を取れたことも大きかったとは思いますが、どちらかと言うと、栃木SCの方が、今節に対する熱量を良い方向に変換できていた印象。


栃木シティ

 栃木シティは、前半終盤まで、ビルドアップに苦しんでいた印象。
 
詳細は次章で説明しますが、栃木SCが変則的な可変をして、数字で表すと「5-3-2」で前から人を捕まえに来ており、栃木シティとしては、やり難さを感じている様に見受けられました。
 ただ、その中でも、GK相澤選手のロングフィードやCB佐藤選手の左サイドに振るボールは、脅威となっていった印象。

 前者に関しては、まず、栃木SCのプレスを引っ繰り返し、相手が完全に5バック化する前に攻め込める(セカンドボール回収含め)という利点があります。その上で、栃木SCの左WB川名選手が、プレスの役割の関係で前に出る傾向があったため、その裏のスペースは、ひとつ狙い所(17:35~)であったかと思います。
 後者に関しては、佐藤選手から左サイドの奥井・吉田選手につけるパスの質が非常に高く、何気ないプレーではありますが、得点の起点となる可能性を感じるボールでありました(6:10~/16:10~/75:35~)。佐藤選手は、ボールの出し手・受け手にプレッシャーが掛かっていても、受け手の遠い方の足に、正確にパススピードも伴ったボールをつけており、これは簡単そうに見えて、難易度の高い、素晴らしいプレーであったと思います。

 ただ、相澤選手や佐藤選手の個の力だけでなく、チームとしての、栃木SCのプレス回避策を考えると、ビルドアップ時に「アンカー岡庭選手に2CBの間に下りて欲しい」と思っていたところ「39:25~」のシーンから実際に岡庭選手が下り始めることとなりました。
 そして、詳細は次章で解説しますが、そこにもうひと手間加わったことで、栃木SCのプレスの欠点を突くことが出来、個人的にこの試合のベストプレーだと思っている「43:20~」の決定機が生まれる流れとなりました。

 後半に関しては、上記した栃木SCのプレスの欠点を突く形は見られず、スピードのある齋藤選手や、一瞬の動き出しの妙があるウタカ選手が入ったこともあってか、対5バックの定石である、5バック化前の3バックを狙ったロングボールを活用していた印象。
 なお、実際にそこから、ウタカ選手の決定機(ハイライト映像3:57~/71:10~)が生まれています。


栃木SC

 栃木シティのレビューの裏返しとなりますが、前線終盤までは「5-3-2」プレスがよく効いていた印象。
 
ただ、岡庭選手が最終ラインに下りて以降、明確に欠点を突かれてしまっており、この点は今後に向けての課題と言えるかと思います。

 攻撃面では、如何せん、得点数が伸び悩んでいる点を考えると、脅威であるセットプレーの活用はもちろん、流れの中でのプレーとして、今回の様に「対4バック」である場合「29:25~」の様なWBの幅を使ったサイドチェンジを、もう少し織り交ぜた方が良い印象は受けました。
 あとは「50:20~」(ハイライ映像3:29~)のゴールキックからシュートまで繋げた流れが、デザインされていた様にも見受けられ、もし、そうであれば、面白い形であったと思います。もし、そうでないのであれば、得点力不足であれば尚更、デザインされたゴールキックも大事になって来るため、活用して頂きたいところ。

 今節の勝利により、昇格プレーオフ圏内6位の奈良クラブと8ポイント差ということで、ここは現実的に狙える位置だと思いますので、栃木SC・栃木シティ、どちらのファンサポーターでもない身からすると、共にJ2に上がって頂き、来シーズンはJ2で「栃木ダービー」を観られることを、勝手ながら期待しております。

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Ⅲ.「栃木シティビルドvs栃木SCプレス」

基本形

 第Ⅱ章でお伝えした通り、前半終盤までは、栃木SCの「5-3-2」プレスが嵌まっており、栃木シティとしては、基本的に相澤選手・佐藤選手の個の力による打開が目立っていた印象。
 しかし、前半終盤から栃木シティのアンカー岡庭選手が、2CBの間に下り始めことをきっかけに、栃木SC「5-3-2」プレスの欠点を突ける様になっていました。

図Ⅰ.栃木シティビルドvs栃木SCプレス 基本形

 まず、栃木SCの「5-3-2」プレスの基本形は以下の通りです(図Ⅰ参照)。

① 左シャドー五十嵐選手が1列上がり、右シャドー中野選手が外に開き、両WBが最終ラインに入って「5-3-2」に可変
② 2トップ(五十嵐・太田選手)で栃木シティ2CBにプレス
③ ボランチ青島選手が栃木シティのアンカー岡庭選手まで出る
④ 左WB川名選手は、5バック化or栃木シティ右SB鈴木裕選手まで出る
⑤ その他、図Ⅰ参照

 この様な形をベースに、栃木SCは前線から人を捕まえてプレスを掛けていました。

 このままの形で栃木シティがビルドアップを行った場合、ボールの出所である2CB・最も近い出口であるアンカーを明確に抑えられているため、その結果、ここまで繰り返しお伝えして来た、相澤選手・佐藤選手のキックの質に頼る流れになってしまったということになるかと思います。

 

栃木シティ可変ビルドと栃木SCプレスの欠点

図Ⅱ.栃木シティ可変ビルドと栃木SCプレスの欠点
※ 図Ⅰとエンドが入れ替わっています

 ここまで繰り返しお伝えして来た通り、栃木シティは、図Ⅰの形では、ビルドアップが上手くいっていなかった中「39:25~」のシーンから、アンカー岡庭選手が2CBの間に下り始めました(図Ⅱ参照)。
 
この動きにより、栃木SCの2トップに対して、最終ラインで数的優位を作れる様になり、ビルドアップの入り口の部分は改善されました。

 ただ「39:25~」のシーンでは、土佐選手が岡庭選手に代わってアンカーの位置まで下りてしまっており、上手く前進することが出来ていませんでした。
 このシーンを栃木SCの青島選手目線で考えると、これでは担当が岡庭選手から土佐選手に代わっただけであり、ビルドアップの入り口で数的優位を取られても、出口は塞いであるため、対応し易かったのだと思われます。

 それでも、その後の「43:20~」のシーンでは、今度は土佐選手が素晴らしい位置でボールを受けたことにより、一気に決定機まで持ち込むことが出来ていました。
 そして、このシーンで土佐選手がボールを受けた位置こそが、栃木SCのプレスの欠点であるため、詳しく解説して行きたいと思います。

 具体的な流れは以下の通りです(43:20~/図Ⅱ参照)。
① アンカー岡庭選手が2CBの間に入って3バック化(数的優位)
② ①により追い切れなくなった栃木SCの2トップが中を閉める
③ ②により岡庭選手から土佐選手へのパスコースが生まれる
④ 栃木SC「5-3-2」プレスの中盤「3」(図Ⅱ黄色線内)は右寄りの立ち位置がベース
→青島選手の左側に広大なスペース
⑤ ④のスペース(図Ⅱ黒線円内)で土佐選手が岡庭選手からのパスを受ける⑥ 土佐選手から平岡選手にクロス

 栃木SCとしては、栃木シティの吉田選手に福森選手・同じく栃木シティの奥井選手に中野選手を明確につけたかったのか、④の通り「5-3-2」プレスの際、右サイドはWB福森選手が完全に最終ラインに入り、その前を中野選手が担当する配置となっていました。
 その配置に呼応する形で、ボランチの藤原・青島選手が右サイドに寄っていたため、ベースとして、図Ⅱの黒線円内のスペースは空き続けていました。
 
なお、これは試合序盤(図Ⅰ)から継続して見られた欠点となっています。実際、図Ⅱの可変をする前に、ヨニッチ選手がこのスペースを突く形でシュートを放っています(ハイライト映像1:30~/38:25~)。

 あと、図Ⅱは「栃木シティ可変ビルドと栃木SCプレスの欠点」の構造を説明するために用意した図であり、「43:20~」のシーンを完全再現したものではないのですが、実際のシーンでは、森選手が五十嵐選手の後方に位置取っており、この森選手の動き・立ち位置のお陰で、岡庭選手から土佐選手へのパスがより通り易くなっています。


まとめ

 栃木シティとしては「5バック化する前のロングボール」も有効であったとは思いますが、上記した栃木SCのプレスの欠点を突く形も織り交ぜることで、得点の可能性をより高めることが出来たのではと考えられます。

 栃木SCに関しては、普段は異なるプレスを使っているのかもしれませんが、上記した欠点への対応策としては「1トップが窪んでアンカー」「2シャドーが2CB」を見る形を採れば、ピッチ上での配置バランスが良い中、完全に人を捕まえに行くことが出来るかと思います。

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 「2025 J3リーグ第22節 栃木シティvs栃木SC」の分析レポートは以上となります。
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 有難うございました。

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