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家族信託の後悔でいちばん痛かったのは、お金じゃなかった。

「家族信託、やって後悔してることない?」と聞かれたら、「あります」と答えます。

親の終活を、家族信託(親の財産を、家族が代わりに管理できるようにしておく契約)を軸にやり切って数年たちました。

うまくいったことのほうが多いですが、もちろん後悔もあります。

今日は、そのなかでいちばん痛かったやつを正直に書きますね。

ただ先に言っておくと、いちばん痛かったのは、お金の損得の話ではありませんでした。


🟩 発端は、相続税の試算だった

お金じゃなかった、と言った直後にお金の話から始めるんですが、この事件を抜きにすると本当の後悔にたどり着けないので、少しだけ付き合ってください。

家族信託の準備を進めるなかで、専門家の方から相続税の試算をもらいました。

試算の紙を受け取って、数字が目に入った瞬間、正直、どきっとしました。

このまま何もしないと、これだけ国に払うのか……遺産目的ではないけど、税金で払うくらいなら、節税して受け取れる分を増やしたい。)

これが正直な気持ちでした。

賃貸用の物件を持つと、相続税の計算上の評価が低く抑えられる、と聞いたことがありました。

賃貸用物件であれば、家賃収入が親の生活の支えにもなるかもしれない。そう思って、父に提案してみることにしました。

父の返事は、即答の「自分の年齢では元が取れないなら、いらん」でした。はい。即答でした。2回書くくらい早かったです。

食い下がったのですが、親の気持ちは変わりません。これ以上押すと、家族信託はおろか終活の話ごとひっくり返りそうな空気になってきたので、私は撤退しました。

(悔しかったですけどね)

その代わり、私はひとつ決めました。家族信託では、契約で決めておけば、子どもが親のお金を運用に回すこともできます。

その範囲で資産運用して、節税できなかった分増やせばいいじゃない。(もちろん増えるとは限りませんけどね。)

🟩 1年後、まさかの電話

契約も無事に済んで、1年ほどたったころ、親との何気ない電話を切ろうとしたとき、父が節税の話を持ち出したのです。

税金の対策とかしたほうがいいじゃないか?

契約の前に「いらん」と言い切った、あの話をです。

(なんじゃそらぁ!?)

思わず心の中でつっこみました。あのとき、あれだけ勧めたのに。

で、結局どうなったかというと。改めて家族で話し合って、最終的には「やらない」で決着しました。

親のお金の使い道は、親の意向を最優先ですけどね。頭では分かっているんですけど、さすがにちょっとモヤりました。


🟩 でも、いちばんの後悔はこの事件じゃなかった

当時は、この一件を「お金の後悔」だと思っていました。ああしていれば、いくら残せたのに、という悔しさです。

でも数年たったいま、悔しさの種類が変わりました。

本当の後悔は、もっと早く始めなかったことです。

うちの場合、思い立ってから契約まで1年かかりました。その1年のあいだも、親は確実に年を取ります。

親のお金は、守れました。生活費の心配もありません。使いやすい仕組みも作れました。

なのに、肝心の親の体力のほうが、少しずつ減っていくんです

お金はある。でも、それを使って楽しめる時間のほうが、先に減っていく

節税で残せたかもしれない金額より、親が元気なうちの1年のほうが、ずっと高かった。いまはそう思っています。

🟩 いま、やっていること

だから最近は、守ることと同じくらい「使ってもらうこと」を考えています。

たとえば、あのとき頑張ろうと決めた運用で出た配当金は、年に一度まとめて親に渡しています。

渡した瞬間の、ちょっと驚いてから嬉しそうにする親の顔を見ると、やってよかったと感じております。

そしてもうひとつ、気づいたことがあります。

使える時間が減っていくのは、自分も同じなんですよね。

私のお金にも「使いどき」があって、それは無限にあるわけじゃない。

親の終活をやったおかげで、自分のお金の使い方まで考えるようになりました。

もしこれから親の終活を始める方がいたら、節税をどうするかより先に、始める時期だけは早めに決めてしまってください。

親が元気なうちに始めた分だけ、守ったお金が、親と一緒に楽しく使う時間に変わりますから。


私の後悔は、ぜんぶで3つあります。この記事に書いたのは、その1つだけ。

それと、父に「いらん」と即答された、あの切り出し方。いま振り返ると、あそこには明確な失敗がありました。どう切り出せばよかったのか。

残り2つの後悔と、同じ後悔をしないための対策、切り出し方の反省まで、ぜんぶ『親の終活×家族信託の体験談、いつかやろうじゃ遅い!』に本音で書きました。

Kindle Unlimitedなら追加0円で読み放題です。単品でも99円です(2026年7月時点。今後、値上げするかもしれません)。

次回のnoteは、公証役場(公正証書という形で契約書を作ってもらう場所)で、親と一緒に契約を結んだ日の話を書いてみようかなと思います。

(書きました。こちらです)

※本記事は私個人の体験に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません(税務についても同様です)。家族信託に相続税の節税効果は基本的にありません。税務の取扱いはご家庭の状況によって異なりますので、実際の検討にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。

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じゃいあん@親の終活×家族信託|利用者目線の体験談を発信 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます! この記事が少しでもお役に立ったら幸いです。 今後も役に立つ情報を届けられるよう頑張りますので、よろしくお願いします!