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【女性の権利 VS ジェンダーイデオロギー・1】ジェンダーイデオロギーとは何か ― オーストラリアから見える現実

[トップ画像はhttps://freetolive.nz/2021/05/07/gender-doctors-pressed-to-give-drugs/より]

ジェンダーイデオロギーとは何か ― オーストラリアから見える現実

私はオーストラリア在住のESL講師として、日本人の方々にオンラインで英語を教えていますが、ここ数年、欧米社会のニュースでは避けて通れないトピックがあります。

ジェンダーイデオロギーをめぐる問題です。

近年、オーストラリアでは、アメリカやイギリスのように、性自認(gender identity)と生物学的性別(biological sex)をめぐって法廷で争われるケースや、政策・教育現場での対立が増えています。
その象徴的な事例のひとつが、現在進行中の「Tickle vs Giggle」裁判です。
これは、女性専用のSNSアプリにトランス女性(生物学的には男性)が参加を希望し、拒否されたことを差別だとして訴えたもの。
第一審でトランス側が勝訴し、現在は控訴審が続いています。

この裁判については次回で詳しく触れますが、まずはその背景となる「ジェンダーイデオロギー」そのものを整理してみたいと思います。


ジェンダーイデオロギーとは

ジェンダーイデオロギーとは、簡単に言えば
「性(gender)は生物学的な性別(sex)に依存しない」
という考え方です。
例えば、生まれたときに男性として登録された人が「私は女性だ」と自認すれば、その人は社会的にも法的にも女性として扱われるべきだという主張です。

個人の自己判断や多様性を尊重し、トランスの人達の気持ちを汲んであげることができる人は、トランスの人達の「Ally(味方)」だとされる反面、トランズジェンダーイデオロギーに疑問を抱く人はトランスフォビアと差別主義者のラベルを貼られることになってしまう風潮もあります。

そして、このジェンダー自認養護派の考え方が政策や法律に組み込まれた結果、「女性の権利」を侵害することになってしまっているのです。
たとえば、女性専用のスポーツ、トイレ、更衣室、DV被害者の駆け込み寺、刑務所といった「女性のための安全な空間」が、ジェンダー自認を根拠にした男性の立ち入りを認めることになるのです。


【動画:Reality vs. Trans Ideology - 哲学者Peter Boghossianと
「Trans」著者で数学者Helen Joyceの対話】
ジェンダーイデオロギーの不可解さや、
なぜこのイデオロギーを批判すると社会から吊るし上げに
合うのかについて語り合う


Intersexはトランスとは別物

ジェンダーや性別の議論になると、「人間の性はそもそも男女二元(binary)ではない」という主張がよく出てきます。
その根拠としてよく挙げられるのが、**Intersex(インターセックス)**の存在です。
インターセックスとは、生まれつき性染色体や生殖器など状態・発育が典型的な男性・女性のものに当てはまらない様々な症状を含むDSD(Disorders of Sexual Development / 性発達障害)をまとめて呼んだものです。

たとえば、最近話題になったアルジェリア出身のボクサー Imane Khelif 選手も、このカテゴリーでトランスジェンダーの例とされることがあります。

しかし、インターセックスとトランスジェンダーは比べる物の土俵が違うということに注意しなければいけません。

  • インターセックスは生まれつきの生殖器の発達異常や障害を指し、本人の性自認(自分が男性・女性と感じるか)とは直接関係がありません。インターセックスは染色体検査などで性別が判別できるが、生まれた場所・時代によっては適切な検査などが行われなかったため、医師や家族の独断で性別を決めてしまい、後に間違っていたことが判明することがある。

  • 一方で、トランスジェンダーは生物学的性と異なる性別を自認することです。

つまり、「インターセックスが存在するから人間の性はBinaryではない」という主張は、生物学的現象と社会的・心理的現象を混同してしまっているのです。


若者への影響 ― Body dysmorphiaとの関係

ジェンダーイデオロギーは、特に十代、二十代などの若い世代に強い影響を与えています。
特に思春期に、自分の体に対して強度の不安や嫌悪感を抱くBody dysmorphia(身体醜形障害)という心の病気があらわれることがあります。
若い女性の場合、過去の性的被害により、「女でなければよかったのに」という強い自己否定感が影響していることもあると言われています。

本来であれば、時間をかけたカウンセリングや精神的なサポートを通じて、自分の体やアイデンティティを受け入れていく過程が必要です。

しかし、ジェンダーイデオロギーの広がりによって、この「身体への違和感」がすぐに「別の性別に移行すべきだ」という結論に結びつけられることがあります。
その結果、自然な発育を阻害するホルモン療法や、まだ発達段階にある乳房やペニスを切除する外科手術といった取り返しのつかない医療介入に至るケースが増えています。
しかも、その過程で十分な精神的ケアが行われないまま進められることも多く、治療後に後悔や健康被害に苦しむ若者の声も報告されています。


【動画】「私はただ単に去勢された男」Ritchie Herron氏の悲惨なケース。ジェンダーイデオロギー論者の医者の強い勧めで、20代前半で「性転換」手術を受ける。しかし傷の痛みや感染症に苦しみ、尿をコントロールできないなど一生の怪我を負うことになっただけでなく、実は自分はトランスではなくゲイだったと後に自覚し、激しい後悔に至り鬱を患う。現在、イギリスの保健機関NHSを相手取り訴訟中。


"Sex is not assigned at birth. Sex is established at conception and recognized at birth, if not earlier.
To claim that sex is “assigned at birth” has no scientific basis whatsoever. This kind of language misleads people—especially children—into thinking that male and female are arbitrary designations and can be changed.
That is simply not true."

「性別は出生時に“割り当てられる”ものではありません。
性別は受精の時点で決まり、出生時、あるいはそれ以前に認識されます。
性別が『出生時に割り当てられる』と主張することに、科学的な根拠はまったくありません。このような言い回しは、特に子どもたちに対して、
男性と女性という区分が恣意的なものであり、
変更可能であるかのような誤解を与えます。
それは全く事実ではありません。」

【動画】「トランスジェンダー治療」の危険を訴えるMirium Grossman精神科医

女性の権利との衝突

ジェンダーイデオロギーがもたらすのは、若者への影響だけではありません。
生物学的男性が「女性」として女性専用空間に立ち入ったり、競技に参加したりすることは、生物学的な違いによる不公平を生み、安全面やプライバシーが侵害されます。
スポーツの分野では、筋力や持久力の差が試合結果を大きく左右し、女性選手の努力が報われることなく、賞金や奨学金、将来への可能性が奪われることになります。
また、女性専用スペースにおけるプライバシーや安全性が損なわれる事例も複数報告されています。

Lia (William) Thomasは性転換手術はしておらず、男性性器はそのまま。
女子選手達のチャンスを奪っただけでなく、
Thomasが女子更衣室を使用していたことに対する女子達の不満が
トランスに対する差別とみなされたことも問題となっていた。

このテーマは非常に感情的な対立を生みやすく、批判的な意見を述べただけで「差別的」とレッテルを貼られることがよくあります。
しかし、ジェンダーイデオロギーの影響を正確に理解し、女性の権利や若者の安全を守る視点から議論することは、決して差別ではありません。


スコットランド:レイプ犯罪者 ”Isla Bryson”はトランス女性と自認し
女性の刑務所に収容された

次回は、現在オーストラリアで注目されている「Tickle vs Giggle」裁判を取り上げます。
性自認と女性の権利が正面から衝突するこの事例は、私たちにとって「多様性の尊重」と「安全の確保」のバランスをどう取るべきかを考えさせる重要なケースです。