【痛風歴30年】 初めての方へ:私の30年間の痛風闘病記「足を斧で切断してくれ」と叫んだ夜。暴飲暴食のツケと、地獄の激痛から学んだ生き方の真実
はじめまして。風間 光翔と申します。
私は29歳で痛風を発症して以来、30年以上にわたり、この「痛風」という悪魔と付き合ってきました。これまでに味わった痛風発作の回数は、数百回にも及びます。
今まさに激痛に苦しんでいる方、あるいは「尿酸値が高い」と指摘されながらも生活を変えられずにいる方へ。私の凄絶な実体験と、30年かけて、たどり着いた「克服の智慧」をお伝えしたく、筆を執りました。
1. 29歳・夏の明け方。悪魔は突然やってきた
忘れもしない、29歳の暑い8月の明け方5時ごろのことです。
左足の親指の付け根に、それまでの人生で経験したことのないすさまじい激痛を感じて飛び起きました。
「いたたたたたたたた! 痛い、痛い、痛い!」
足を見ると、親指の付け根が真っ赤に腫れ上がっています。
例えるなら、**「皮膚をむき出しにして、足の親指の付け根に、きり(錐)を思いっきり突き刺し、グリグリと力任せに回されている」**ような激痛です。それが1秒、2秒で終わらず、何時間も、何日も続くのです。
前日に、「なんとなく足が痛むな、どこかに、ぶつけたかな」という予兆はありました。しかし、当時の私は、痛風の知識など一切なく、「一晩寝れば、治るだろう」と高をくくっていたのです。
あまりの激痛に耐えかね、私は、隣の病院が開くなり、駆け込みました。もちろん、まともに歩ける状態ではないため、片足立ちで、ピョンピョンとはねながら、死ぬ思いで、診察室へ飛び込んだのです。
真っ赤に腫れ上がった足を見た医師は、開口一番、こう言いました。
「こりゃ、痛風だ。うまいものばかり食ってるからだよ」
「……確かに、ごもっとも。」
声には出せませんでしたが、心の中で、深く納得せざるを得ませんでした。
2. トイレまでの5メートルが「死の行軍」
痛風発作の恐ろしさは、痛みの強さだけではありません。それが、何日も、日常生活を奪い去ることにあります。
発作のピーク時には、足首や指の関節をプロレスラーが、万力やペンチで、思いっきり締め上げるような激痛が襲います。
「足を斧でぶった切ってくれたほうが、どれだけ楽か――」
大げさではなく、本気でそう思いました。足を切断される痛さのほうがマシだと思えるほど、痛風発作の激痛は絶望的なのです。顔からは、脂汗が流れ落ち、心の中で「ギャー!」と叫びながら、ただ耐えるしかありません。
立ち上がることもできず、部屋から、わずか5メートル先のトイレに行くだけでも「死の行軍」です。ハアハアと息を荒らげ、壁に寄りかかりながら、いつもの何倍もの時間をかけて、ヨタヨタと歩く。自分の身体が、まったく思い通りにならない情けなさと悔しさに、さいなまれました。
しかし、痛風という病気の真に厄介な点は**「発作が収まると、ケロッと元通り歩けるようになること」**です。
1〜2週間もすれば、痛みはウソのように消え去ります。すると、人は喉元過ぎれば熱さを忘れ、再び、元の生活へと戻ってしまうのです。
3. なぜ、私は「痛風という悪魔」に選ばれたのか?
なぜ、私は痛風になってしまったのか。原因は明確でした。**「大食い・過食・運動不足」**です。
当時の私は、人の3倍近く食べる大食漢でした。
中華料理などの濃厚で油たっぷりな料理が大好物。さらに、焼き鳥、もつ鍋、そして、ウニ、イクラ、ホタテ、エビといった魚介類が大大好きという、まさに「痛風の英才教育」のような食生活を送っていたのです。
しかも、大の運動嫌い。家から、わずか10メートル先の自動販売機へ、缶コーヒーを買いに行くだけでも自転車を使い、休日は、部屋でゴロゴロしながら、本やマンガを読んだり、テレビを見ながら、お菓子や菓子パンを山のように食べて過ごしていました。
それでも、10代、20代の頃の私はやせていて、健康そのものでした。どれだけ食べても太らなかったため、私は完全に天狗になっていたのです。
「俺はどれだけ食べて運動しなくても太らないし、絶対に病気にもならない。『腹八分目』なんてバカバカしい」
本気で、そう思っていました。
無知と傲慢――これこそが、最大の恐怖です。
暴飲暴食を重ねた結果、私の身体には、激痛発作だけでなく、手足の関節に「痛風結節」という消えることのないコブまで、できてしまいました。
4. 30年かけてたどり着いた「痛風克服」3つの決定打
30年間、激痛と戦い続けた私が、ついに、痛風発作を完全に抑え込むことに成功した「3つの実践法」をご紹介します。
① 「主食抜き」の糖質制限
最大の転機となったのが糖質制限です。
私が大好物だったラーメン、ペペロンチーノ、うどん、白米、菓子パン、せんべい、ポテトチップスといった「炭水化物(糖質)」を徹底的に控えるようにしました。
代わりに、野菜、豆腐、納豆、油揚げ、大豆製品、チーズ、サバの水煮缶、ワカメ、ナッツなどを中心とした食事に切り替えたところ、長年、私を苦しめ続けた痛風発作がピタリと止まったのです。さらに、運動を一切していないにもかかわらず、体が引き締まり、ズボンにコブシが3つ入るほどやせ、体調も良好になりました。
② 水分2リットル+「リンゴ酢」習慣
尿酸は、尿からしか排泄されません。毎日、2リットルのミネラルウォーターや緑茶(伊右衛門など)を少しずつ飲み、尿量を増やすことが不可欠です。
特に、私にとって、劇的な効果があったのが**「リンゴ酢」**です。
500mlのミネラルウォーターに、リンゴ酢を数滴垂らした「リンゴ酢ウォーター」を1日1本飲む習慣をつけたところ、強力な利尿作用により、痛風特有のうずくような痛みが驚くほど軽減しました。
③ 「腹八分目・少食」の徹底
「腹八分目に医者いらず」は、古今東西の絶対的真理です。
どんなに良いものを食べていても、過剰に摂れば、身体の毒となります。満腹まで食べず、少し物足りないくらいで箸を置く「少食の美徳」を身につけたことが、病を遠ざける最大の防御壁となりました。
おわりに:かつての私、そして、今、痛みにおびえるあなたへ
もし、今、20代の頃の暴飲暴食していた自分に会えるなら、首をつかんででも、こう警告するでしょう。
「そんな生活を続けていると、将来、とんでもない地獄の苦痛を味わうことになるぞ。今すぐ、暴飲暴食をやめて少食にしなさい」
痛風は、一度発症すると、一生付き合っていく必要のある病気です。しかし、正しい知識と食事の改善(糖質制限・少食・水分補給)さえ実践すれば、悪魔の激痛におびえることなく、健やかで快適な日々を取り戻すことができます。
普通に、自分の足で立って歩けること。痛みのない朝を迎えられること。
それは、決して、当たり前ではなく、何物にも代えがたい「豊かな幸福」です。
今、まさに、激痛に耐えている方、尿酸値におびえている方が、一日も早く、その苦しみから解放され、健やかな日常を取り戻されることを心より祈っております。
