【90日実践】糖質制限で人生が変わった痛風患者の記録
「また、あの激痛が来るのではないか」
痛風を経験した人なら、この恐怖がわかるのではないでしょうか。
私が初めて痛風発作を経験したのは29歳のときでした。8月のある日、突然、左足の親指の付け根が真っ赤に腫れ上がり、歩くことさえつらくなりました。
それから、長い間、足首、膝、肘、指、手首などにも症状が出ることがありました。
気がつけば、痛風歴は34年。
そんな私が、食生活を本気で見直すきっかけになったのが、糖質制限と少食でした。
ただし、最初に大切なことをお伝えしておきます。
この記事は、
「糖質制限をすれば痛風が治る」
と断定するものではありません。
痛風は、尿酸値だけでなく、腎機能、体質、体重、飲酒、薬、生活習慣など複数の要因が関係します。日本腎臓学会も、高尿酸血症は、痛風や腎結石などに関係し、生活習慣の改善とともに、医療機関への相談が重要だとしています。
ここで紹介するのは、30年以上痛風と付き合ってきた私自身が、90日間食生活を変えてみた記録です。
もし、今、
「何を食べればいいのかわからない」
「食生活を変えても続かない」
「痛風発作を繰り返す生活から抜け出したい」
と思っているなら、一つの実践例として読んでみてください。
第1章 29歳から始まった「痛風に支配される人生」
痛風の怖さは、単に「足が痛い」というだけではありません。
私にとって、本当に苦しかったのは、
「次の発作はいつ来るのだろう」
という不安でした。
痛みがなくても、心のどこかで発作を警戒している。
好きなものを食べた翌日は、
「大丈夫だろうか」
と足の状態を確認する。
少し親指に違和感があるだけで、
「まさか始まるのでは……」
と不安になる。
これを何十年も繰り返してきました。
若いころの私は、ラーメン、焼きそば、ペペロンチーノ、菓子パン、せんべいなどのお菓子、ポテトチップスなどのスナック菓子、大盛りのご飯などを、それほど深く考えずに食べていました。
当時は、
「痛風なら、プリン体だけ気をつければいい」
くらいに考えていたのです。
しかし、年齢を重ねるにつれ、私は、少しずつ考え方を変えました。
大切なのは、特定の食品だけを悪者にすることではなく、
食べ過ぎ、体重、糖分、飲酒、水分不足などを含めて食生活全体を見直すことではないか。
そう考えるようになったのです。
実際、現在の痛風管理でも、過剰な飲酒や肥満などは症状を悪化させる可能性があるとされています。
そこで、私は、90日間だけでも、本気で生活を変えてみようと決めました。
第2章 私が始めたのは「極端ではない糖質制限」だった
糖質制限という言葉を聞くと、
「ご飯を一粒も食べない」
「肉だけを食べる」
「糖質ゼロにする」
という方法を想像する人もいるでしょう。
しかし、私が目指したのはそこではありません。
私が意識したのは、1日約120g、1食40g前後をひとつの目安にした緩やかな糖質制限です。
もちろん、これは私自身が実践するときの目安であり、すべての人に適した数字という意味ではありません。
減らしたもの
特に、減らしたのは、
・大盛りの白米
・ラーメン
・菓子パン
・せんべい
・ポテトチップス
・甘い飲み物
・必要以上の間食
でした。
つまり、私は、
「糖質そのものを恐れる」のではなく、「食べ過ぎやすい糖質を減らす」
ことから始めたのです。
一方で、糖質を極端に減らすケトジェニック食では、開始後の数週間に、尿酸値が一時的に上昇する可能性も報告されています。痛風患者が、自己判断で、極端な糖質制限や長時間の断食を始める場合は注意が必要です。
だからこそ、私は、
100点をねらう糖質制限より、90日続けられる糖質制限
を大切にしました。
第3章 90日間で変えた「食べるもの」
糖質を減らしたときに困るのが、
「では、何を食べればいいのか?」
という問題です。
私は、高価な健康食品を大量に買ったわけではありません。
普段の食事で取り入れやすい、
・豆腐
・納豆
・わかめなどの海藻
・卵
・魚
・肉を適量
・野菜
・チーズ
・ナッツ
などを中心にするようになりました。
特に、私は、納豆に酢、わかめ、黒ごまなどを組み合わせることもあります。
ここで重要だったのは、
「糖質を減らした分、肉を好きなだけ食べる」方法にはしなかったこと。
痛風では、糖質だけ見ればいいわけではありません。
高プリン食品、アルコール、体重、腎機能なども関係します。日本腎臓学会も、過剰な飲酒やプリン体の多い食品などを含めた食習慣への注意を挙げています。
だから、私は、
糖質制限+腹八分目+食品の偏りを避ける
という組み合わせを意識しました。
第4章 大きかったのは「糖質制限」より食べ過ぎをやめたこと
90日間続けてみて、私が強く感じたことがあります。
それは、
「何を食べないか」と同じくらい、「食べ過ぎないこと」が大切だった
ということです。
以前なら、
「まだ食べられる」
と思えば、追加で食べていました。
しかし、今は、
「少し物足りないくらいで終える」
ことを意識します。
腹八分目という昔ながらの考え方です。
糖質制限を始めると、
「糖質さえ少なければ、たくさん食べてもいい」
と思ってしまうことがあります。
しかし、それでは、私の場合、食生活そのものは変わりません。
そこで、私は、
満腹になることではなく、身体が楽でいられる量で終える
ことを意識しました。
これは体重管理の面でも重要です。
肥満が痛風の発作や症状を悪化させる可能性があります。
第5章 水分を意識しただけでも生活が変わった
もう一つ意識したのが水分です。
私は、普段、水やお茶を中心に1.5〜2L程度を一つの目安として意識しています。
ただし、心臓病や腎臓病などで、水分制限を受けている人は、自己判断で水分量を増やさず、医師の指示を優先してください。
ここで大切だったのは、
「のどが渇いたら甘いジュース」
ではなく、
水や無糖のお茶を日常の基本にしたこと
でした。
痛風の食生活について検討したNICEのエビデンスレビューでも、過剰なアルコール、高プリン食品、砂糖入り飲料などへの注意が挙げられています。
糖質制限というと、食べ物ばかり注目されます。
しかし、私は、
飲み物を変えることも食事改善の一部
だと考えています。
第6章 90日後、「人生が変わった」と感じた本当の理由
では、90日続けた結果、何が一番変わったのか。
体重でしょうか。
尿酸値でしょうか。
もちろん、こうした数字は重要です。
しかし、この記事では、測定していない数字を都合よく作って紹介することはしません。
私にとって、もっと大きかったのは、
食事を自分でコントロールできる感覚を取り戻したこと
でした。
以前は、
「食べたいから食べる」
でした。
今は、
「これは本当に必要なのか」
と一度考えられるようになりました。
この違いは小さいようで、とても大きいものです。
ラーメンを一生禁止する必要はありません。
白米を敵にする必要もありません。
大切なのは、
自分の身体の状態を観察しながら、続けられる食生活に変えていくこと。
そして、痛風発作が出ていないからといって「尿酸値も大丈夫」と決めつけないことです。
高尿酸血症は、症状がない場合もあり、日本腎臓学会は検査や医療機関への相談を勧めています。
私は、今でも、
食事+検査+必要なら医療
この3つを分けて考えることが大切だと思っています。
第7章 これから90日始める人へ「5つの実践ポイント」
もし、あなたも食生活を変えたいなら、最初から、完璧を目指さなくてもいいと思います。
私なら、次の5つから始めます。
1.甘い飲み物を減らす
ジュースや加糖飲料を水・お茶に変える。
2.主食をいきなりゼロにしない
まずは、大盛りを普通盛りにするなど、続けられる範囲から始める。
3.腹八分目を意識する
「何を食べるか」だけでなく「どれだけ食べるか」を見る。
4.毎日の食事と身体の状態を簡単に記録する
「きのう、何を食べたか」
「違和感はなかったか」
この記録だけでも、自分なりの傾向が見えてきます。
5.定期的に尿酸値・腎機能などを確認する
感覚だけに頼らず、検査結果を確認する。
これが非常に大切です。
糖質制限は魔法ではありません。
しかし、
毎日の選択を変えるきっかけ
にはなります。
まとめ|90日で変えたかったのは「食事」ではなく人生だった
29歳で初めて痛風発作を経験してから、私は、長い間、痛風と付き合ってきました。
そして、今になって思います。
もっと早く、
「食べ物一品を恐れる」のではなく、
生活習慣全体を見直せばよかった。
私の90日間で意識したことは、とてもシンプルです。
糖質を摂り過ぎない。
食べ過ぎない。
甘い飲み物を減らす。
水分を意識する。
食事を記録する。
そして、自分の身体を定期的に検査する。
派手な健康法ではありません。
しかし、人生を変えるのは案外、こうした小さな習慣なのかもしれません。
痛風歴30年以上の私にとって、糖質制限と少食は「一時的なダイエット」ではなく、
これからの人生を少しでも穏やかに生きるための食習慣
になりました。
この記事を読んで、
「自分も90日だけやってみよう」
と思ったなら、まず、今日の1食から変えてみてください。
100点を目指さなくてもいい。
昨日より、少し身体をいたわる。
その小さな一歩が、90日後の自分を変えているかもしれません。
※本記事は筆者個人の体験を中心にしたもので、糖質制限による痛風の治療効果を保証するものではありません。痛風発作を繰り返している方、高尿酸血症を指摘されている方、腎機能に問題がある方、薬を服用している方は、自己判断で治療や薬を中止せず、医師に相談してください。
