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【叙事詩】セトナ王子と亡霊の呪い ⑥『ネネフェルカプタハの要求』

第六節:ネネフェルカプタハの要求

以前はひっそりと薄暗い墓だったはず。
だが、今は太陽神ラーの光が墓全体を照らしていた

そこには――
ネネフェルカプタハとイフウェレトが待ち構えていた。

セトナは懺悔の姿勢で進み出て、
魔法の書をネネフェルカプタハに差し出した。

イフウェレトが静かに告げた。
「あなたをタブブの元から戻らせたのは
闇を見せる神、プタハなのです」

セトナは息を呑んだ。

「私が言った通りになったようだ」
ネネフェルカプタハはそう言って笑い、
イフウェレトと一緒に彼を温かく迎え入れた。

「私にできることがあれば、
何なりとお申しつけください」
セトナは跪き尋ねた。

ネネフェルカプタハはゆっくりと語った。
「此処にいるイフウェレトは
書記に創らせた幻影である。
私の本当の妻と息子はコトプスにいるのだ」

セトナは、イフウェレトと息子のミイラが
コトプスの岩山に葬られていることを知っていた。

「彼らをここまで連れ戻してほしい」
ネネフェルカプタハの眼差しは
長い孤独の時を耐えてきた者のものだった。

「必ず此処へお連れいたします」
セトナは誠意をもって承知した。

彼はファラオの御前へ戻り、
ネネフェルカプタハの求めを伝え、
コトプスへ行く許るしを乞うた。

「何としても行くのだ」
ファラオはそう命じ、船と船員を与えた。

そして――
セトナは航路をコトプスへと向けた


コトプスの岩山は傾斜が急でに、
小さい石が行く手を阻み、思うように進めなかった。

セトナと船員たちが岩山に登り、
石碑を逆さにしたり、碑文を読み解いたりしながら、
イフウェレトとメルイブの墓を探した。

三日三晩探し続けたが、
二人の墓を見つからなかった。
それは、まったく見当違いな場所を探しているからだった。

その様子を見ていたのは、
ネネフェルカプタハの魂であった。

セトナに墓の場所を教える必要があった。

ネネフェルカプタハは呪文を唱えた。

すると――
彼は、瞬く間に老神官の姿へと変わった。

そして、セトナが必ず来るであろう
石碑の影に身を潜めた。

第七節につづく

※こちらからお読み頂くと、更に楽しめます。

本叙事詩は、大城道則氏『神々と人間のエジプト神話』に収められた
「セトナ・カエムアスとトト神の魔法の書」をもとに、
守護女神メルセゲルの視点から再構成した創作作品です。

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