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62. あなたの家を支える力。「地盤内応答」とは?② ~JIBANNOTE~

地中の“もうひとつの主役”――間隙水(かんげきすい)に注目する

前回は、地盤の中で土粒子が押し合いながら力を伝えていく「地盤内応答」の世界に注目しました。
今回はその中でも、もうひとつの重要な存在――間隙(かんげき)に入り込んだ水に焦点を当てます。


間隙水は“荷物のように押される”

飽和した土の中では、土粒子同士のスキマはすべて「水」で満たされます。
まさに“ぎゅうぎゅう詰め”の状態です。

満員電車をイメージしてください。
乗客同士の隙間を埋めているリュックやカバンは、人と一緒に押されて動きますよね。
地盤でも同じことが起きています。


地盤で発生する応力は“2つの力”の足し算

飽和した地盤では、外から力がかかると、土粒子だけでなく“水”までもが圧力を受け止めるのです。

◆土粒子が踏ん張る力(骨格としての力)
◆間隙水が受け持つ水圧
地盤の中に生じる応力は、この“2つの力”の合計で成り立っています。

式にすると次の通りです。

全応力 σ = 有効応力 σ′ + 間隙水圧 u
ここで登場するのが、地盤の世界で最重要ともいえる概念
『有効応力』です。


地盤の理解を支える「有効応力」という考え方

『有効応力』とは、土粒子がどれだけしっかり踏ん張っているかを示す指標です。
しかし厄介なことに、この値は直接測ることができません。

一方で、

全体の応力(全応力σ)は計算で求められ、
間隙水圧(u)は直接、測ることが可能です。

つまり、この2つがわかれば――

有効応力 σ′ = 全応力 σ − 間隙水圧 u
(テルツァーギの有効応力式)

このシンプルな式で「有効応力」を求めることができるのです。


有効応力は地盤を読み解く“最初のドア”

有効応力の考え方は、地盤を深く理解するための入口です。
ここから、
◆液状化の仕組み
◆地盤解析の基本
◆地盤改良工法のメカニズム

など、多くのテーマへ連鎖的につながっていきます。

「水」もまた、土粒子たちと協力しながら力を支えています。
満員電車のイメージと合わせて、
そんな地盤の世界を思い浮かべてもらえたらうれしいです!






【Better World Words】

「常識と非常識がぶつかったときに 
           イノベーションが産まれる」

実業家、電子技術者、ソニー創業者の一人 井深大




今日の「地盤の音」はどんな音色を奏でていますか?