68. 「大気と気圧」のはなし ~JIBANNOTE~
見えないけど、確かにある。空気と気圧のはなし
毎日当たり前のように吸っている「空気」は、地球を包んでいる
『巨大な毛布』のようなものです。
この空気の層を「大気」と呼びます。
地球は自らの重力でこの空気を引き寄せているため、大気は地表のまわりにとどまっています。
ただし、上へ行けば行くほど重力の影響が弱くなり、空気はだんだん薄くなります。
山の上や飛行機の中で「少し息がしづらいな」と感じるのはそのためです。
ちなみに、大気の内訳はだいたい以下のようになっています。
◆窒素 : 約78%
◆酸素 : 約21%
◆アルゴン: 約1%
◆その他 : 二酸化炭素や水蒸気など
成分のほとんどは「普通の空気」ですが、この絶妙なバランスで空気が存在すること自体、実はとんでもなく奇跡的なことなのです。

私たちは「空気の海」の底に立っている
ここで、ちょっと不思議な話を。
今でこそ常識ですが、かつて「空気には重さがある」という事実は、なかなか信じてもらえなかったそうです。
1600年代、ガリレオの弟子であるイタリアの物理学者・トリチェリはこう説きました。
「われわれは、空気の大洋の中にひたって生きている」
つまり、人間は目に見えない『空気の海』の底 に立って暮らしている、
ということです。
たとえば、水の中で深く潜るほど、水圧で体がギュッと押されますよね。
耳が痛くなったりするのは、水には重さがあって、自分の上にある水の量が増えるほど、その水の重さがのしかかってくるからです。
この水圧と同じことが、実は空気の中でも起きています。
この空気の圧力が、いわゆる「気圧」です。
頭の上に「10トン」の重り!?
地表付近の平均的な気圧は、1,013hPa(ヘクトパスカル)=約1気圧です。
これを重さに換算すると、驚きの数字になります。
◆1㎡あたり: 約10トン
◆1㎠あたり: 約1kg
つまり、今この瞬間も、あなたの肩や頭の上には小型トラック数台分の重さが乗っかっている計算になります。
「そんなに重いなら、つぶれてしまうのでは?」と思うかもしれません。
でも大丈夫。
私たちの体も、内側から同じくらいの圧力で押し返しています。
だから、何も感じずに普通に過ごすことができるのです。
山の上でお菓子の袋がパンパンになる理由
水の中で浮上すると水圧が下がるように、空気も上空へ行くほど気圧が小さくなります。
なぜなら、自分の頭の上にある「空気の量」が減るからです。
たとえば、平地で買ったお菓子を山の上に持っていくと、袋がパンパンに膨らむことがありますよね。
あれは、外から押してくる空気の力(気圧)が弱くなり、袋の中の空気のほうが勝ってしまうからです。
飛行機や高速エレベーターで一気に上がると、耳が「キーン」とすることがあります。
これは、外の気圧だけが急激に下がることで、耳の内側の圧力が一時的に強くなるためです。
その結果、鼓膜が内側から外へ押され、あの独特な違和感が生まれます。
見えない力が、命を守っている
地盤も、空気も、普段はあまり意識することはありません。
でも、どちらも確実にそこに存在し、私たちの生活を静かに支えています。
目には見えないけれど、重さがある。
感じないけれど、確かな圧力がある。
その絶妙なバランスが、天気をつくり、風を生み、雨を降らせ、私たちの命を守っています。
【Better World Words】
「偶然は準備のできていない人を助けない」
生化学者、細菌学者 ルイ・パスツール

今日の「地盤の音」はどんな音色を奏でていますか?
