パリの地下鉄の一角で見つけた意外なこと:固定観念はどこでつくられるのか
はじめに
もはや時効といっていいかもしれないし、記しておきたい。四半世紀まえに数日だけパリですごした。そこで見知ったことをふと思い出した。そのできごとを中心に。
きょうはそんな話。
(記事内の写真はいずれもその旅のもの)
ほんの数日の滞在
ロンドンからユーロスターをつかって鉄路で英仏海峡をわたり、パリに向かう。(現在の始発駅は、ロンドン市内でもセント・パンクラス・インターナショナル駅に変わった)

最初の予定では、国際免許証を入手していたので車で東に向かい、NPOの活動で偶然知った邦人の経営するホテルを宿にし、モンターニュ地方周辺の自然公園などをめぐろうかと思っていた。
個人旅行なので行動は自由。短い滞在だが有意義にすごしたい。残念ながら出発間際で、その宿がかなり先まで予約で埋まっていて手配できなかった。さらに車での移動はかなわず、やむなくパリ市内を地下鉄でめぐるだけになった。
地下鉄を使って
わたしははっきりいって方角があやしい。国内ですら電車を降りたら目的地が東口方面だと把握していても、現在どちら側にいるのか、どちらを向いているのか改札を出たとたんわからなくなる。

たいていこちらが八重洲中央口だろうとか、太閤通口だろうとかあてずっぼうで行動。地上に出ても迷うときは太陽の出ている方角、はては街路樹のコケのはえている向きでたしかめる。街なかで森林のなかをさまようかのよう。
国内ですらそんな調子(先日も三島でやらかした)なので、パリの地下に向かう階段の途中で目的地方向がわからなくなった。案内表示は運悪くフランス語のみ。しかも行き先方面での表示、たとえば「小竹向原」行きと表示があってもその地名がどこにあるのか初心者にはわからない。
やむなく親切そうなマダムがいらしたので、たどたどしい英語でたずねてみると「英語はわからないけどねえ。」とおっしゃりつつ、いっしょにさがしていただけた。「こっちのホームよ。」と案内までしていただいた。もちろんメルシーとお礼をいう。
この経験をきっかけにのりかえのコツをふくめて、いくたびか乗るうちにようやくここの地下鉄の特徴がうすうすわかってきた。小さな駅は階段のとちゅうで行きさきの各方面が分かれているので、ここがポイントだと知る。
チョコレート
そうして何か所かの目的地に地下鉄を利用して行き来。ある大きめの地下鉄駅で地上に出ようと向かう。そんなに幅の広くない地上に出る階段途中のうすぐらい照明の踊り場。何かをワゴンで売っていた。おふたりが店員だろう。ならんで立っている。
よくある屋台風の店かなと横目でちらりと見ると、商品に’GODIBA’と記してある。あれっ、日本ならばしかるべきデパートなどに鎮座するあのベルギーのブランドかな。いただいたことがある。
フランスでも店がありそうだが…。こんな文字どおり5分ぐらいで店をたためるほどのかんたんなワゴンで、ヒトビトの行き交う駅構内(しかも踊り場!)で売っているのかと思った。なぜかわがクニのFUJIYAが思い浮かんだ(失礼)。価格もごく妥当な額。
おみやげに
このあとふたたび英国のリバプールにもどる。そこで、パリに向かう直前までロンドンとカンタベリーを案内いただいた学生さんへおみやげとして箱入りのチョコレートを購入(差し上げたあと、寮の同室者にぜんぶ食べられてしまったらしい)。
それにしてもワゴンセールとは…。駅弁の出張販売のよう。ここではごくふつうの洋菓子店のようにふだんづかいの扱いなのだろうか。そう思いつつ目的地へ向かった。
おわりに
海外のブランドのイメージの多くはわたしたちが、勝手につくりだしたものかもしれない。もちろん例外もあろう。そういえばと外車の多くは本国ではそんなふつうの存在なのかもしれない。モンマルトルの丘の階段を降りつつ駐車グルマの列を見わたす。

石畳のかたわらにずらりと前後をほとんどくっつけてならぶ車はプジョーやルノー。
日本のメーカーが海外に出店するとおなじように、ブランドのあつかいを受ける場合があると聞く。
ひとむかしまえならばたとえばNikon(英語ならば’ナイコン’)とか。いまならば何だろう。ブランドとしての特別感をわたしは持ち合わせていないが、MUJI(無印良品)とかUniqlo(ユニクロ)とか海外に出店しているようだが、海外ではどんなふうに見られているのだろう。ごく日常づかいの商品としてそのままのイメージで扱われているのだろうか。

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