化学物質の取り扱いは理解と練度がなによりもたいせつ
はじめに
甲種危険物取扱者の資格をもち、十数年にわたりあるところの責任者として大量の化学物質の管理や扱いに関して業務をおこなった。その経験はいまの大学でのサポートに大いに役立つ。学生さんたちに化学薬品を安全に扱ううえでのさまざまな特徴や注意を実地でつたえる。
きょうはそんな話。
かれこれ30年ほどまえのこと
在住の県で甲種危険物取扱者の資格試験を受けた。なんとか1度で合格できて免状をみておどろいた。なんと県で3番目の資格保持者。つまりわたし以前におふたりだけ。ずいぶんマイナーな資格なんだと思った。
乙4類の試験や資格ならばけっこう見知った方もいらっしゃるかもしれない。職業系の高校や化学系の職場、それからなによりガソリンスタンドなどは乙4類の資格は立場により必須。
わたしのもつ甲種は、こうした化学物質の大量にもしくは危険性を熟知してもちいるべき区分される6種類の化学物質全般を扱える。それだけ大きな施設や化学物質を総合的にあつかう事業所などで管理者を必ずおいて運営せねばならない。
責任者になる
大勢の働き手のいる施設だった。ここで勤める際に履歴書に資格として甲種危険物取扱者と記入。数年後に所内のあるところから声がかかった。そこでこの資格をもつヒトをみるとなんとふたりだけ。前任者がいなくなるので、管理者になってほしいというお願いだった。
所内の危険物倉庫や施設内全般の危険物取り扱いの責任者をやってほしいとのこと。日ごろやっている業務となんら変わりなく、管理者の欄に印をもうひとつ余分に押す手間だけ増えたに過ぎない。ふたつ返事で引き受けた。
熟練しておいたほうが
管理する倉庫や取り扱う実験室などでは使用量の制限がそれぞれ法律で定められている。1か所で取り扱える上限を超えないよう、部屋に集中して可燃物を集めてしまわぬように目を光らせる。とくに職場のみなさんはそのあたりは心得た方ばかり。わたしよりも年上の熟練者ぞろい。むしろそのほかのしごとではまだこれからのわたしのほうが教えられることが多いぐらい。
わたしが責任者となっているあいだにはとくになにも問題は起こらず、終いまで無事にやりとげられた。その間10年ほど。法令をしっかり守りさえすればなにごともなく安全に取り扱える。そしてすこしずつどうすればより危険な事故などを回避できるか2重、3重に防備することがたいせつと学べた。
初心者とともに
もちろん、慣れない初心者の実習中はちいさなトラブルはそこそこあるもの。ごく小規模の発火が多い。かならずベテランの経験豊富な方がその場にいて指導する。それとて事前に注意をうながすし、万一の場合の処置法を教示あるいは実演してみせる。
それらをしたとしても小さなミスは日常的にあるものだし、起こるべくして起こるもの。事前の備えやその際になんらあわてることなく、やるべき対処法をそつなくおこなえば鎮火するもの。たいていはごく少量の可燃性の物質(アルコールなど)の発火や燃焼が多い。
料理でいえばフライパンに火が入ることは料理をなさる方ならば1度や2度は経験されることだろう。あえてこうしてアルコールを煮切ることすらあるぐらい。よくあることといえばそうかもしれない。不意に起こったとしても、その際にどうすればよいかを心得ておく。あわてるとかえってよくない方に行きかねない。
おわりに
くりかえしになるがしごとでこうした作業に従事する場合には法令の遵守が何よりたいせつ。事故を未然にふせぐにはこれがいちばん。予期しない事態とはミスにさらにミスや勘違いなどが重なって起こるもの。ぜったいに未知のままやあやふやなままでは化学物質を取り扱わないように心得ていた。不測の事態に陥るほどの経験はわたしたちでもなかなかない。
化学物質を大量にあつかう業務にやはりこうした資格は自信をもって臨めるいわば「お墨つき」。やはりときと場合によりいのちに関わるんだという緊張感をつねにもちつつ作業していた。
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