分厚いテキストのすぐかたわらにひろがる世界とは
はじめに
このnoteの「まなびの森」において、週1で「生物学」のテキストを何人かでいっしょにまなんでいる。学習サポートを今春で終えたあともリモートを活用しながらつづける。大学生のつかうテキスト。毎週すこしずつ予習する。わかりやすい関連資料を探したり、記述の裏づけとなる学術論文をあさったり。
そんなテキストに記述されているすぐそばには、未知の世界がかたわらに広がっている。
きょうはそんな話。
テキスト紹介
さまざまなテキストや資料をとりあげてきた。リモートなのでおなじテキストを2冊購入していただき、1冊はわたしのほうで用いる。テキストは高価なのでたいてい中古本を入手。いまの中心課題はキャンベル「生物学」(11版、1,643ページ。定価16,200円)。なかなかの大部。国際生物学オリンピックの推薦図書。だからというわけではないが中身は濃い。しかも版ごとにあらたな情報が書き加えられ、さらに膨らむ。
さて、現在の6分の1ほど進んだところ。「代謝」を終え、「細胞」に移る。テキストにくわえて小胞体のストレス応答などの論文などを紹介。細胞内のタンパク質の品質管理を受け持つ。わがクニの研究者が大いに貢献されたようすも紹介。
ことし(2025年)のノーベル生理学・医学賞が発表されたばかりだが、こちらの対象の制御性T細胞は以前もちいたべつのテキストで、最近とりあげたテーマ。
それほどなじみ深く重要な細胞として紹介。
地図にたとえる
こうした賞の対象になるテーマは地図にたとえると、いわば幹線道路上のかたわらにあるめだつ拠点を示す。だれもが見知って目印にするもの。したがってテキストのなかでは主要な項目になるほど。逆にいうとノーベル賞とはそんな「世界」の顕著で重要なポイントを切り拓き、のちに確立した研究テーマに与えられる。
テキスト中にも記述され、そこからひろがりをみせる。版をかさねるうちにその部分は事実のみのあっさりした行数にまとめられていく。そしてテキストの1ページ中にいくつものノーベル賞級の人類のあきらかにできた自然界の重要な法則やしくみがじつにあっさりとまとめられ紹介される。
そんなページが延々とつづくのがこうしたテキスト。もちろんそこには未開の地が周辺にひろがる。「ここはまだわからない」とわりと明確に記述されている個所が多い。
てがかりとして
テキストはいわば地図代わりに手にしつつ、はじめて向かう場へたどりつくためのてがかりとして使う。正確に記載されていないと道に迷うのは学問も旅もおなじ。なるべく道しるべとなる個所を確実にとらえ、慎重に歩みすすめる。ひとりよりも複数で確認しあいながらやるとなおいい。
おたがいの協力のもと、話し合い、確かめあいつつ記述された行間を埋めていく。そうして目標地までたどりつけると満足感がちがう。地図と実際の照らし合わせがようやく完了といったところ。つまり明解なところと不明な部分の線引きができたということ。わからなければ、さらっととおりぬけてもかまわない。のちにじんわりわかるときが来るもの。
おわりに
テキスト上で「・・・についてはまだよくわからない」との記載がある箇所にでくわすと胸が躍る。ようやく数々ある峰々のひとつ、あるいは峠にたどりつけたということ。そこから先に何があるのかだれも知らない。人跡未踏の地。読み手がそのいばらの道を切り拓いていってもいい。
ただし、そこはだれかが以前に進もうとチャレンジしかかって、なにかしら無理を悟った形跡があるかもしれない。いまならば打開策が用意されているかもしれない。しかしその「打開策」を知り得ているかどうかはべつの問題。つまりはどれだけ広くまなんで、修得しているかどうかがここに来て問われる。
すでにテキストには将来への課題がそこここに書かれている。ヒントとなる糸口もおそらくあるだろう。なかにはテキストの記述がひっくりかえるほどのインパクトのある研究結果が発表されることも。そんななかにつぎのノーベル賞候補が出現することになるのだが。
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