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旅のさなかで急遽行きたい場所のいずれもが観光地ではなかった


はじめに


 先日の旅、予定の半分はしごと、のこりは自由。サラリーマンではないので出張とはちがう。いわばノルマさえ果たせば、のこりはわりと自由気ままなたびができた。行きたいところはいくつかあったが実現できたのは半分程度か。のこりはまたの機会へ順送り。あまりの暑さで半分は断念。

じゃあ、代わりはどうするかとその場で考えたがなかなか思い浮かばない。それもそのはず旅先では不案内な土地なので見知った場所とは大違い。なかなか行きたいところを探しあぐねる。

きょうはそんな話。

旅先にて


 事前に行きたい場所を下調べしておいた。たいてい時間は収まるのだが、行きたい候補をあえて多めに設定しておく。そのときの気分によってそのなかから選べるぐらいでちょうどいい。今回もそんなつもりで調べておいた。物理的には全行程をこなせそうだった。今回ほど交通機関が時間どおり、トラブルなしは稀なほど。

ところがひとつだけ想定外のできごとが。それは暑さ。出発前の地元が例年以上に涼しかった。これならば動けるこころづもりで旅程を組んでいた。ところがふたをあけてみるとどうもようすがおかしい、困難だと途中駅で降りて気づいてしまった。

日中の豊橋駅前

暑さと涼しさと


 暑さと冷房のくりかえし。列車内はたしかに冷房が完備され快適、だが一転して外の暑さは異常なほど。しかも湿度も高くてさすがに動けない。ある程度荷物を簡素にしかも歩ける靴できたのだが、まったくといってよいほど動けない。陽射しは容赦なく移動は影ひとつない。

歩くヒトなど街なかのターミナル駅まわりでもほとんどいなかった。それほど危険な暑さ。不要不急の外出を避けるようにとの御達しが出るほど。まさにそんなさなかに出歩こうと企てること自体が無謀といっていい。

行きたい場所・行けるところ


 そこでのこりはいずれも駅周辺の近場ばかりに変更。これもやむを得ない。とはいえヒトの多いところはなるべく避けたい。ヒトが集積しやすい駅周辺なのに、なるべくヒトがいなそうなところを選びたい。矛盾する要求を満たせるところをえらぶのは土地勘のないだけになかなかむずかしい。

あげていた候補を除外していく。もちろんヒトがいない観光地化されていない場所ばかり。有名な観光地は興味の対象外。これまでもあてずっぽうで途中下車したなにげないところばかりが印象にのこる。

ふだんのくらし


 そこには多からずヒトがくらす。田んぼが周辺にひろがり駅からそう離れていないところにこじんまりした商店、飲食店や学校がある。なにもかも既視感があり、あまりにありふれている。神社やちいさな公園があり、連綿とヒトビトのくらすようすがある。

そんな場所こそおとずれたいし、どうもわたし自身が渇望している場所。今回はそんな場所のひとつを朝早くおとずれて、地元の方と思しき方、数人がならぶ商店でおむすびを買い、列車で別の街に移動してありふれた公園の木陰で食べた。なにも飾らず、素朴なあじわい。それでいいし、それこそ旅でもとめている非日常そのもの。

おわりに


 ならば地元でやればいいじゃないかともうひとりの自分がそんな行動にツッコミを入れそう。たしかにそうで、賃貸住まいで2年になる街ですらまだおとずれていない路地や商店が多い。

ふだんづかいにするところすらなじんでいるとは言いきれない。いわばよそ者で旅行者の気分が抜けきれていない。遠くまで来て、ふだん身近でできなかったことをしていると気づいた。


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