一歩も動けない朝があっても|大人の絵本 週末の読書室
🕓 朝4時、静けさの中に、すべてが始まる。
墨の香、音楽の余韻、走ることで整う思考。
夜明けに目覚める者たちのための読書室。
リトル ターン、コアジサシの話。
リサ・ダークスの絵が好きだ。
本は何度読んでも新しい。
コアジサシは、飛んでることだけが取り柄なのに
飛べなくなったら
どんな気分だろう。
この本は、元気なひとには関係ないし
読む気にもなれない本じゃないかと思う。
でも、一度でも飛べなくなったことを経験したら
読み返してみることもいいかもね。
本棚を眺めていて、
この本が二冊並んでいる。
昔、よく読んだことを覚えている。
僕も飛べなくて悩んだりしていたのかな。
大好きな本。
今は元気だと思えても
ほんとはそうではなかったり
あのころ、元気がなかったと思ってたときも
意外に元気だったのではないかとか。
道に迷ったり、将来に不安を抱えていたり


訳者も書いている。
飛べないことで悩んでいる人、急に飛べなくなって困惑している友に、この一冊をそっと手渡したい。
僕が読んだきっかけはまったく思い出せない。20年近く前だったと思う。50歳の少し前。
色々悩んでいたのかな?壁にぶちあたってた?いやいや、僕の人生は、常に崖っぷちだし。ただ、自分は思っているほど強くないのだと思う。精神的に。もっというと人間って、みんなそうなに強くない。
訳者は言う、「これは必ずしも多くの普通の人に読まれる本ではないのではないか。」と。
しかし、こういうことって誰にも起こりうることだろうと67歳の僕は思う。色々なひとを見てきてね。
本の内容は、分かっている。でも、もう一度読んでみようと扉を開いた。
この物語には、涙は無い。それが故にものごとの深刻さを語っているようでもあった。
挫折、気づき、別れ、再起、再生、再会、そんな言葉がよぎる。これからも、そんなことを繰り返しながら、生きていくんだな。足下を見つめながら。
道元は言った。
「放てば手に満てり」。
ようやく、僕にもわかってきたのかな。
足し算ではなくて、引き算。
