半年後の口座残高を見たことがありますか?
「資金繰りは見ています。」
ある経営者との面談で、最初に聞いた言葉でした。
詳しく話を伺うと、毎日のように口座残高を確認し、入金予定と支払予定も把握しています。
だから本人も、「資金繰りに問題はない」と考えていました。
私は一つだけ質問しました。
「半年後の口座残高は、今わかりますか?」
その場は静かになりました。
経営者の多くは、今日のお金は見ています。
今月の支払いも把握しています。
では、半年後はどうでしょうか。
設備投資をしたら、どうなるのか。
採用をしたら、どうなるのか。
売上が予定より少し下振れしたら、どうなるのか。
そこまで数字で見えている経営者は、実は多くありません。
その経営者と一緒に取り組んだのは、難しい財務分析ではありませんでした。
事業計画を整理し、
売上の見込みを確認し、
支払いの予定を書き出し、
借入返済や投資も含めて、
半年先までのお金の流れを一緒に見える化しただけです。
すると、それまで見えていなかったものが見えてきました。
「この時期は資金に余裕がありますね。」
「逆に、このタイミングは少し注意した方が良さそうです。」
そして、融資についても話題になりました。
私は、
「銀行は、過去の推移や今の残高だけではなく、この先どうなるかも見ています。」
とお伝えしました。
融資は、お金がなくなってから相談するものではありません。
まだ余力があるうちに相談できる会社の方が、金融機関から見ても安心感があります。
資料を見ながら考えていたその経営者が、最後にこんなことを言いました。
「半年後のキャッシュ残が分かれば、今やることが明確になりますね。」
私は、この一言がとても印象に残っています。
経営者に必要なのは、未来を正確に当てることではありません。
未来を想定したうえで、今日の判断をすることです。
半年後のキャッシュが見えていれば、
設備投資のタイミングも、
採用の判断も、
銀行への相談も、
慌てずに決めることができます。
私は経営者に答えを渡すことを仕事にはしていません。
経営者自身が判断できる状態をつくることを仕事にしています。
もし今、
「口座残高は毎日見ている。でも半年後の残高は分からない。」
そう感じたなら、一度立ち止まって考えてみてください。
今の経営判断は、「今日のお金」を見て決めていますか。
それとも、「半年後の会社」を見て決めていますか。
その違いが、数か月後、そして数年後の会社を大きく変えていくのだと思います。
最後に
もし今、
・自分の経営に切り替えたい
・会社を変えたいが整理できない
・幹部が動かない理由が分からない
・会議が機能しない
・新規事業が進まない
・何から手を付けるべきか迷っている
そんな状態であれば、
問題は能力ではなく、
意思決定の前提が整理されていないだけかもしれません。
私は現在、
事業承継後の後継者
第二創業フェーズの経営者
新規事業責任者を中心に、
「感情・過去・利害が混ざった状態」を整理し、
自分で決められる状態
をつくる伴走支援を行っています。
初回相談では、
正解を提示するのではなく、
・本当に扱うべき課題は何か
・何を守り、何を変えるべきか
・粗利・キャッシュ・投資余力から見た判断軸は何か
・次に取るべき現実的な一手は何か
を一緒に整理していきます。
「まだ相談するほどではない」
という段階でも構いません。
むしろ、
違和感が言葉になっていない段階だからこそ、
整理する価値があります。
※事例は一部加工しています。実在の企業・人物とは関係ありません。
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「会社は回っている。でも、自分の経営になっている実感がない。」
そんな違和感を、一緒に構造から整理します。
特に、
「承継後3年前後で、自分の経営へ切り替えたい」
と感じている経営者からのご相談が増えています。
👉 お問い合わせはこちら
https://jissenstrategy.com/contact
✉ info@jissenstrategy.com
熊谷 篤
実戦経営アドバイザー/中小企業診断士
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