「アイム・キュート!」な私の演歌バックの話
2025年1月、「演歌バッグと出会いたい」とウィッシュリストに書いた日、私はブランドバッグについて何ひとつ知りませんでした。いえ、本当のこと言うといまでもよく知らないままです。
ただ、なにも知らないなりに「運命的な何か」がなければ買えないような気がして「出会いたい」という書き方をしたことを覚えています。
まだ見ぬあなたに出会いたい。
いま思うとなんてロマンチックな願いなんでしょう!
祈りのような、恋に恋するような、ひそやかな願いです。
そして、2025年6月。私の元に演歌バッグがやって来ました。
想像していた時期よりもずっと早かった。全然まだ買うつもりじゃなかったのに、買わざるを得なかった。買わないと一生後悔するような気がした。これが「演歌を歌う」っていうことなんだなぁと思った体験でした。
「高価なバッグを買う方」は、だいたい心で「演歌」を歌っています。
まさにこういう気持ちです。
そもそも「自己紹介バッグを買いたい」ではなくて「演歌バッグと出会いたい」と書いたのは自分の中に昇華させたい気持ちがあったからなのかもしれません。
✨️大発表!私の演歌バッグ「ジェリーちゃん」
さっそくご紹介させていただきます、こちらが私の愛するジェリーちゃんです!この記事では私の演歌バッグ「ジェリーちゃん」を購入するまでの自問自答の過程をみっちり書いていこうと思います。

🐚インターネットの海で出会ったバッグたち
はじまりは2025年4月に自問自答ファッション教室を受講して新コンセプトが決まったことでした。そのときのコンセプトがこちら。
きれいで洗練されていて反骨精神のある、日々の感情をつづる物書き
このコンセプトを胸に、あきやさんにおすすめされたブランドのオンラインショップを見て回るようになりました。
自問自答ファッションのセオリーとしては「まずはファッションの土台である靴から探しましょう」ということになっていて、私もそのつもりだったのですが、靴よりもバッグの方が好きなのでついバッグばかりを見ることに。
たくさんのバッグを見ているうちになんとなく私にとっての理想のバッグの条件が分かってきました。
【理想のバッグの条件】
☑カラーは絶対に白
☑金具はゴールド・できればピンクゴールド寄りのもの
☑「物書き」ならA4の紙やパソコンが入った方がいいかも……?
ぜひリンクから画像を見てほしいんですけど、インターネットの海で出会った私が気になるバッグたちはこんな感じでした。
⭐️ジミーチュウのスタッズがいっぱいのバッグ⭐️
なんと言っても星型のスタッズがいい!かわいいんだけど【反骨精神】感もあってコンセプトに合う気もします。
バッグの形状的に物はあまり入らないと思うけれど、口をガバっと開けられそうなところは良いと思いました。
⭐️ロジェヴィヴィエのミニバッグ⭐️
キラキラしたバッグの留め具が素敵。【きれい】【洗練】を体現しているバッグです。ショルダーにもできるのも便利そう。
被せになっているので物の出し入れが少し大変そうだけど、こういうバッグは膝の上やテーブルの上に置いてから落ち着いて開くものなのでしょう。
⭐️GUCCIのきれいめトートバッグ⭐️
「白い」「ゴールドの金具」「A4が入る」の条件を全てクリア!【きれい】【洗練】も感じられます。GGスプリーム キャンバスでできているので軽くて丈夫そうなのも良いですね。
チャックなどはついていなくて中は丸見えだけど、むしろそこが好きです。
⭐️GUCCIのチルドレンズのトートバッグ⭐️
か、かわいい……ッ!!(絶句)こちらもGGスプリーム キャンバス製。実は留め具はシルバーなのですが、外からは全く見えないので許容範囲内。絶妙にA4が入らないサイズ。しかし、かわいい。なんとも言えない魅力がある。【きれい】でも【洗練】でもないけれど、ねこちゃんの憮然とした表情からは「反骨精神」が感じられる気がします。
⚡️GUCCIのねこちゃんに恋して
そう、私はGUCCIのねこちゃんのバッグに恋をしてしまいました。GUCCIのオンラインストアを開いてまだ在庫はあるかな?とチェックしてはドキドキする日々。
なんで裏側はゼリーの絵なんだろうね?って夫と話していたら「子ねこの頃ゼリーみたいにぷるぷる震えてたからjellyって名前がつけられたんじゃない?」という天才的な解釈を夫が教えてくれたのでわが家ではこのしろねこちゃんはジェリーちゃんと呼ばれています。
Xのポストにばっちり証拠が残っているのですが、なんとまだ見ぬバッグに「ジェリーちゃん」という名前までつける酔狂っぷりをみせていました。
でも、このねこちゃんのバッグは自問自答ファッション教室で決めたばかり私のコンセプトとはあまり合っていないんです。
きれいで洗練されていて反骨精神のある、日々の感情をつづる物書き
どちらかと言うとこのバッグは【きれい】より【かわいい】ですよね。きっと似合わないことはないとは思うけれど、「憧れ」をいっぱい詰め込んだコンセプトとは方向性がちがう気がすると思いました。
ただ、この時点で私はまだひとつもバッグを試着していません。妄想100%です。それなのに「お店でこのバッグを持ってみたらうっかり買っちゃうかもしれないから怖い」と思っていました。……えっ、やっぱりこれは恋なの!?
そもそも「バッグを100個持ってみようね」と言われているのに、買うのが怖いから気になるバッグを試着しないというのは変です。最終的にはなにかを買うつもりなんだし、気に入ったなら買えばいいはず。
そう言い聞かせて、私は用事で東京に行く時にGUCCIにもちょっと寄ってみることにしました。
🐝一生縁のないはずだったGUCCIへ
「ちょっと寄ってみる」と言ってみたものの、あのお店がまとう結界みたいな「圧」は一体なんなのでしょう。自問自答ファッションを知るまではGUCCIどころかハイブランドには一生縁がないだろうと思っていたのですごくすごく緊張しました。
ところで、GUCCIの店舗って同じエリアにいくつもあったりするんですね……!在庫のある店舗を調べてから行ったつもりだったのですが、間違ってお隣の店舗に行ってしまいました。
でも、同じGUCCIでも店舗によって雰囲気が全然違うことを実感できて結果的には大正解◎置いてある商品も内装も接客の雰囲気もそれぞれの良さがあり、同じブランドでも自分に合った店舗を見つける面白さもあるんだなと思いました。
お目当ての「きれいめトートバッグ」と「ねこちゃんのバッグ」を持ってみた感想はこんな感じでした。
⭐️きれいめトートバッグ⭐️
想像していた以上に似合ってびっくりしました。店員さんが巻いてくれたスカーフもとっても素敵だったし、財布もバッグと同じデザインで合わせればより【洗練】に寄せれそうな感じ。
長さのちがう持ち手が2つ付いているのですが、写真で見るよりも違和感がなく便利に使えそうです。ただ、幅が細いので重い物を入れるとたぶん肩や手に食い込みそうだなと思いました。
⭐️ねこちゃんのバッグ⭐️
とにかくかわいい!思っていたよりも似合うし、その日着ていたCINEMATIQのワンピースやMARGARET HOWELL ideaのローファーとも雰囲気がしっくりと合っていました。表に大きく「GUCCI」と描いてあるのも意外と平気でした。
もともと子供用の商品だけど、大人の方にとても人気だと教えていただきひと安心。ショルダーバッグとしては使えないものの、本体が軽いのでなんとかなりそうです。
ちなみに、バッグの裏に描いてあるゼリーのイラストは「ねこちゃんのごはん」だということをGUCCIのスタッフさんに教えていただきました。ゼリーが主食のねこちゃん、最高にかわいい!
そして「GUCCIが似合う」と自分で思える、という衝撃!
全然そんなつもりじゃなかったのに、持ってみたことによってもっともっとほしくなってしまいました。「大きいロゴとかって苦手だな」とか思っていたのに、そんなことは全く気にならなくなってしまうくらい素敵。
正直に言ってどっちもほしかった……!!(両方買えたらたぶん理想だった、というかいまでももう片方を買うことを諦めきれていない自分がいます。)大人の私はきれいめトートバッグ、心の中にいる2歳の小さな女の子はねこちゃんのバッグがほしい。でも、いくらなんでもいきなりブランドバッグを2個買うのはリスクが高すぎるし怖すぎます。
💭本当にいま買わなきゃダメなのか問題
一旦お店の外へ出た私は、百貨店前のなるべく誰の邪魔にもならない場所で呆然と立ったまま考えていました。
「本当に買うの?」「どっちのバッグを?」「ねこちゃんかな……?」「正気?」「使い勝手がいいのは絶対にきれいめの方だよね」「いや、今日じゃなくてもいいんじゃない?」「試着しに来ただけだし、別に買うつもりじゃなかったし」「……ねぇ、本当にいま買わなきゃダメなの??」
買わなきゃダメなのかと言われると、買わななければいけない必然性はありません。どちらかと言えば「いま買わない方がいい理由」の方がたくさん出てきました。
・まだバッグを100個持ってみていない
・まだ自己評価靴を見つけられていない
・自問自答ファッション教室を受講したばかりで経験値が溜まっていない
・もっと自分にぴったりなバッグを知らないだけかも
・夫が転職活動中でこれから家計がどうなるか分からない
・というか私も転職したい……!
・先日ジュエリーや全身鏡を買ったばかりで貯金が減っている などなど
客観的に自分が置かれている状況を考えるといまは買わない方がいいに決まっています。もっと生活が落ち着いてからでも遅くないはずです。
それなのに、私の心の中では特大の「でも……!!」という言葉が思い浮かんでいました。
🐰演歌「誰のことも恨まずに生きたいっ!」
でもッ!もしいま買わなかったらきっと私は誰かのことを恨んでしまう……!!そう思いました。
これまでどんなことがあっても誰のことも恨まないように、妬まないように頑張ってきたつもりでした。でも、自分の中にどうしようもなく「これまでの人生は不遇だった」という被害者意識が巣食っていて、それが大爆発してしまう気がしました。
特に「夫が転職活動中だったせいで」と心のどこかで思ってしまうかもしれないことがとても怖かった。夫は「買ったらいいんじゃない?」と言ってくれているのに、勝手に我慢して、勝手に恨まれたりしたらいい迷惑だと思います。
また、数ヶ月前に親代わりのような人を亡くしたばかりのタイミングでもありました。私だって明日死ぬ可能性はゼロではありません。その時にバッグを買わなかったことを後悔しないでいられるでしょうか。
……みんないつかは死んでしまう。確かにこれまでの人生は不遇だったのかもしれないね。つらいこともたくさんあったよね。そのつらさは本当の意味では誰にも分かってもらえないし、伝えることもできないよね。
でも、でも……!私だけはそのすべてを知っている。
私は頑張って生き延びた!!
だから、私はもう誰も恨まないで生きていきたい!!
私は私を幸せにしたいっ!!!!
気づいた時には心はもう決まっていました。
私はぼんやりとしたまま一番最初に入ったGUCCIに戻り、そのままねこちゃんのバッグを買いました。間違って入ってしまった、在庫のない店舗です。バッグは取り寄せて配送していただくことになり、私はスタッフさんが出してくれた異様に美味しいお水を飲んだ後、電車に乗って帰りました。
手ぶらで帰宅した私を見た夫が「えっ、バッグ買わなかったの!?」と妙に慌てた様子で出迎えてくれて、この人のこういうところが好きだなと思ったことを覚えています。
🤍ジェリーちゃんが解呪してくれたもの
後日、めちゃくちゃ巨大な箱に入れられてジェリーちゃんは我が家にやって来ました。真っ赤な化粧箱とショッパーにはでかでかと「GUCCI」と書いてあり、大変迫力があります。(このサイズの箱を持って長時間電車に乗るのは体力的に厳しそうなので、配送でよかったのかもと思いました。)
その時のポストがこちら。うれしい気持ちとまだ信じられない気持ちが入り混じった結果、真顔で写真をいっぱい撮った記憶があります。
バッグを3個くらいしか試着してない、というかもうねこちゃんバッグに目掛けて試着しに行っちゃったのですが、いまはこのかわいいねこちゃんとこれからずっと一緒にいられるんだ〜という安堵と喜びの方が大きいです。まさかGUCCIのバッグを買う人生になるとは思ってなかった。でも出会えて良かった!

買った時は気づいていなかったけれど、一緒に過ごしているうちにだんだんと気づいたこともありました。
親から言われた「可愛さの欠片もない」という言葉が胸に突き刺さったまま3X歳まで生きてきました。
ファッションとの関係をこじらせる原因にもなってしまったこの体験。たぶん、私にとって「事実として自分が可愛いかどうか」はどうでもよかったんだと思います。「大好きなお父さんとお母さんが私のことを可愛くないと思っている」ことがショックだったし、悲しかったんですよね。
だから、他の誰かに「かわいいよ」「素敵だよ」と言われてもこの呪いはず〜〜っと解けることなく、言葉が胸に刺さったままでした。
私は可愛くないからせめてにこにこしていなくちゃいけない。他の人よりももっと良い人でなくちゃいけない。たくさん我慢しなくちゃいけない。そういう呪いまで自分でかけてしまっていたと思います。
でも、ジェリーちゃんを見てください。ジェリーちゃんは笑っていません。彼女は笑いたくない時は笑わないし、おしゃべりしたくない気分のときは黙ったままでいます。食べるのは大好きなゼリーだけ!
真顔のままでもジェリーちゃんは世界でいちばん可愛い。本人もそのことをよく分かっていて、彼女には「I'm cute!!」という言葉が添えられています。
自問自答ファッションのメソッドでは「演歌バッグ」は「自己紹介バッグ」でもあります。ジェリーちゃんと一緒に生きていくと決めた時点で「私って可愛いよね!」と自分で言える力を手に入れていたことに気づきました。
その証拠にGUCCIでジェリーちゃんを持ってみた時に「40歳になってもこのバッグが持てるかな?」とは一切思いませんでした。【可愛い】が似合うことを自然と受け入れられている自分がいました。
子供の頃にかけられた呪いはもう解けたよ、もう自由に楽しんでいんだよ、とジェリーちゃんが教えてくれました。
【きれい】【洗練】で無理にまとめようとする前に【可愛い】と和解できて本当によかったです。
ちなみに、自問自答ファッション教室であきやさんが「【可愛い】が似合うじゃなくて好きのところにあるのがいいですね〜、うふふ」と言ってくれたのですが、その時は「かわいいが、似合う……???」と脳が理解を拒否してバグってしまい、ぽかーんとしたまま返事ができなかったことを思い出しました。あきやさ〜ん、時空を超えてあの時の言葉の意味をやっと理解でしましたよ……!
✨️ジェリーちゃん、あなたに出会えて良かった!!
ジェリーちゃんが私の元へやって来てもうすぐ1年になります。
ジェリーちゃんを連れて歩いていると(重みといい、存在感といい、バッグというよりはねこちゃんを連れ歩いているという感覚がしっくりきます。)「可愛い!」と声をかけてもらえることが増えました。そういう時、ジェリーちゃんが可愛いのは世界の真理だと思うので「そうなんですよ!」と私も胸を張って答えています。
普段使いというよりは、美術館や百貨店・観劇に行く時にジェリーちゃんを連れ出すことが多いです。あとは、近くのコンビニにちょっと行く時に無駄に持って行ってみたりもします。
持ち手が白なので夏場はフェイラーのピンクのハンドルカバーをつけることにしました。GUCCIのロゴとだいたい同じ色なのでいい感じです。
ただ、日傘を差すと完全に両手が塞がって物の出し入れは不可能になります。特にハンドルカバーをつけている時は絶望的。でも、そういう手のかかるところも最高に可愛いッ!と思っているのでジェリーちゃんを買ったことを後悔した日は一日もありません。
ジェリーちゃん、あなたに出会えて本当によかった!
呪いも、恨みも、コンセプトすらもぜんぶ蹴散らしながらやって来てくれたジェリーちゃん。彼女と一緒にこれからもたくさんのきれいなものを見て、楽しい思い出を重ねていくのが楽しみです。
この記事は自問自答ファッションwebオンリーイベント『スキップ・イン・クローゼット3』の展示作品でした。
主催さま・自問自答ガールズのみなさまありがとうございました!
最後まで読んでくださってありがとうございました🐰💕
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