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【キャリア】残業ゼロを実現する「爆速カルテ術」——取捨選択の基準こそが、最短で最大限の効果を生む

​「カルテが終わらなくて残業する」

そんな毎日から脱却するために必要なのは、単なるタイピング速度ではありません。臨床中から始まる**「情報の選別」と、「誰のために書くか」**という視点の転換です。

​保育園のお迎えという絶対的なデッドラインを抱える私が、試行錯誤の末に構築した「爆速アウトプット」の全貌を公開します。

​1. ブラインドタッチ習得は「代償動作の獲得」と同じである

​よく「まずはタイピングサイトで練習してから」という声を聞きますが、私はお勧めしません。最速で習得するコツは、たとえ指が迷っても、今日この瞬間のカルテ入力から**「手元を見るのをやめる」**ことです。

​「実使用」という名の反復訓練

脳卒中患者さんが新しい動作を学習する際、最も重要なのは「実際の場面での反復」です。タイピングも、練習用の例文ではなく、自分が毎日使う専門用語や、自分の思考から溢れる言葉を打つ中でしか、実戦的な神経回路は構築されません。

​「不器用な時期」を気合で乗り越える

最初は当然、スピードが落ちます。しかし、そこで手元を見たら負けです。視覚情報を遮断し、指先の感覚(体性感覚)と脳内のキー配列マップをダイレクトに繋ぐ。打ち間違えても、手元を見ずに打ち直す。その「エラーの修正」の繰り返しこそが、脳の可塑性を引き出し、思考をそのまま指先に伝えるインフラとなります。

​2. SOAP別:私が徹底している「書くこと・書かないこと」

​「全部書く」は「何も書いていない」のと同じです。私は以下の基準で、迷わず情報を削ぎ落としています。

​S(Subjective): * 書くこと: 「前日との明らかな変化」や「生活に直結する訴え」。

​書かないこと: 日常の挨拶や、リハの本質に関わらない世間話。

​O(Objective): 書くこと: その日のP(計画)の根拠となった主要な数値・反応のみ(例:歩行距離の変化、痛みの数値)。

​書かないこと: 前回から変化のないROM、ルーチン化した筋力テストの全項目。

​A(Assessment): 書くこと: 一言で「なぜ良くなったか/悪くなったか」の結論。

​書かないこと: 教科書的なメカニズム解説や、長文の考察。

​P(Plan): 書くこと: 翌日の介入を決定づける「具体的な指示」。

大切な事: 「明日、自分が出勤でも休みだと思って書く」。代わりの人が5秒見て「今日何をすべきか」「どこに気をつけるか」が伝わることが、リスク管理において最も重要です。

​3. 「定時で必ず帰る」という、最強のマインドセット

​技術や効率化以上に大切なこと。それは、「定時になったら必ず帰る」という鋼の意志です。

​「お疲れ様です!」と立ち上がる勇気

職場に「なんとなく残るのが美徳」という空気があっても、同僚との話が盛り上がっていても、定時が来たら可能な限り「お疲れ様です!」と切り上げます。この「自分は帰る人間だ」という周囲へのブランディングが、結果的に自分の時間を守る盾になります。

​「急がば回れ」の戦略的判断

もちろん、無闇に仕事を放り出すわけではありません。

​夕方に入った急ぎの対応を避け続けず、その場で受ける。

​病棟スタッフやご家族への説明を、あえて今、丁寧に行う。

これらは一時的な残業を生むかもしれませんが、ここで手を抜かないことが、翌日以降のトラブルを防ぎ、結果としてリハビリを円滑に進めるための「先行投資」になります。「将来の残業を減らすための、今この瞬間の集中」。この見極めこそが重要です。

​4. 「隙間時間」をカルテの墓場にしない

​リハビリの合間の3分、歩行訓練を見守る数秒。その都度、脳内でメモを走らせ、可能な限りその場で記録の骨子を固めます。

​「端的に伝える」という取捨選択の基準を毎日自分に課すと、情報の処理能力が洗練され、結果として入力スピードは劇的に上がります。仕事を後に回さない――この「即時処理の積み重ね」こそが、定時退勤とお迎えの時間を守るための最大の戦術です。

​※ 本記事の内容は、あくまで私の臨床経験に基づく一例です。カルテの記載基準や残業に関するルールは施設ごとに異なりますので、所属長の指示や職場の規定に従って実践してください。

​結びに:カルテは「過去の記録」ではなく「未来への指示書」

​10年超の臨床を経て辿り着いたのは、カルテを「完璧に仕上げよう」としないことでした。

​最小限の情報で、最大限に明日の介入を助ける。この視点を持つだけで、あなたの残業は減り、臨床の視点もより鋭くなるはずです。


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