【キャリア】認定PTを「稼ぐためのラベル」みたいに使うことについて思うこと
SNSやnoteでは、「認定理学療法士」という肩書きを掲げ、「組織に搾取されない武器」や「生存戦略」として語る発信をよく目にします。「若手の頃の自分に伝えたいこと」という言葉の先に、実務とは乖離した収益化への誘導が見えることも少なくありません。
家族を背負い、住宅ローンを抱える身として、稼ぐための戦略を否定するつもりはありません。私自身、一円でも多く稼いで生活を安定させたいと切実に願う一人だからです。
しかし、肩書きが単なる「集客のラベル」として消費される現実に、何もかも嫌になるほどのショックを受けたのも事実です。このままでは、自分が大切にしてきた資格の価値そのものが毀損されてしまうのではないか。
そんなモヤモヤを抱えていた時、ある方の「資格の形骸化」を嘆く言葉に出会いました。読みながら深く頷いていたのですが、ふと、その言葉が自分自身にも突き刺さっていることに気づき、言葉を失いました。
自分の発信は、見せ方の技術に終始していないか。ラベルで中身のなさを誤魔化していないか。
「稼ぎたい」という本音と、「誠実でありたい」という願い。その板挟みで揺れながら見えてきた、私なりの「中身」について書こうと思います。
目次
「他人事」ではなかった、正論の重み
私の告白:実績も信頼も「マイナス」だったあの日
「受ければ受かる資格」という現実に向き合う
「稼ぎたい」と「譲れない」の狭間で
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「他人事」ではなかった、正論の重み
理学療法士の現場は、決して綺麗事だけではありません。給与には限界があり、どれだけ研鑽しても診療報酬という天井がある。今の仕組みを考えれば、資格をラベルにして「効率よく稼ぐ」ことに走る人が増えるのも、ある種仕方のないことかもしれません。
けれど、真摯な言葉に触れて自分を振り返るとき、どうしても足元が揺らぎます。信頼とは、肩書きで強引に「集める」ものだっただろうか。
私は、自分の原点を思い出していました。
私の告白:実績も信頼も「マイナス」だったあの日
かつて、私は大きな挫折を経験しています。前の職場をわずか3ヶ月で去り、逃げるように今の職場に転職しました。当時の私は実績ゼロ、周囲からの信頼は「マイナス」からのスタートでした。
「もう後がない」という恐怖の中で私が選んだ道は、自分を大きく見せることではなく、徹底的に「足元を固める」ことだけでした。
仕事が終われば、育児に追われる毎日です。まとまった勉強時間などありません。それでも、子供を寝かしつけた後のわずかな時間を使い、一ページずつ専門書を読み進めました。得た知識は翌日の臨床で実践し、その結果を振り返る。ただその繰り返しでした。
時には年下の後輩に頭を下げ、教えを乞うこともありました。格好悪い自分を認め、数年かけてようやく、一つずつ「信頼」を積み上げてきたのです。
「受ければ受かる資格」という現実に向き合う
信頼を取り戻すプロセスの中で、私は「認定理学療法士」を取得しました。
しかし、実際にその過程で感じたのは、驚くほどの「形式感」でした。極論を言えば、一定の準備さえすれば、誰でも受かってしまうような試験だと感じたのも事実です。
合格したからといって、魔法のように臨床が変わるわけではありません。
それなのに、この「器」を手に入れた途端、それを単なる「稼ぐためのラベル」として掲げ、中身を磨く苦労を避けてしまう。
同じ資格を持つ者として、その現実にショックを受け、自問自答しました。
「自分ができる、本当の意味での還元とは何だろうか?」
その答えが、これまで本気で向き合ってきた臨床と、多くの新人指導を通じて得た「現場の知恵」をすべて放出することでした。「新人時代の自分が、これを知っているだけでどれだけ救われただろうか」と思えるものを、一切の出し惜しみなく体系化する。
実際、私がこの内容を伝えた新人は、臨床での過ごしやすさや、職場での信頼獲得のスピードが劇的に変わりました。資格という「器」ではなく、その中身を満たす「実務」こそが、私の本体なのだと再確認した瞬間でした。
「稼ぎたい」と「譲れない」の狭間で
私が今、心の拠り所にしているのは、合格証書ではありません。
「信頼ゼロ」だったあの頃、子供を抱えながら必死に思考を整理し、臨床の合間に泥臭く動き回った、あの時間こそが私の本体です。
「稼ぐ一辺倒」にはなれない。でも、綺麗事だけで家族は守れない。
そんな矛盾を抱えたまま、見せ方の技術に走る前に、まずは「中身」を磨き続けること。誰からも信頼される実力をつけることこそが、最も遠回りで、最も確実な「生存戦略」だと、今の私は信じています。
皆さんも、現場の理不尽さや将来への不安の中で、自分の立ち位置に迷うことがあるかもしれません。
でも、どうか自分なりの「軸」を探し、見つけたらそれを大切にしてください。
私自身、今もこの「稼ぎたい本音」と「専門職としての矜持」の間で、正解が出せずに揺れ動いています。
もしよろしければ、皆さんが日頃感じている違和感や、この記事への率直な感想をコメントで聞かせていただけないでしょうか。皆さんの声が、私の迷いの中での道標になります。
これからも私は、教科書の先にある「現場の知恵」を言葉にし続けます。
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臨床現場での判断に悩むあなたへ 医療現場では、今回のようなキャリアの判断だけでなく、臨床においても「正論だけでは回らない」場面に多々遭遇します。 私は10年以上の理学療法士としての経験から、新人〜中堅の方が明日から困らないための知恵を体系化して発信しています。
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