【105】 月月火水木金金
(*写真は戦艦)
朝だ 夜明けだ 潮の息吹き
うんと吸い込む あかがね色の
胸に 若さの 漲る誇り
海の男の 艦隊勤務 月月火水木金金
海軍軍歌『月月火水木金金』
(作詞:高橋俊策)
*
大日本帝国軍には土日はなかった。
福澤諭吉の『改暦辨』にはこうある。
「サンデイは休日にて、商賣も勤も何事も休息すること むかしの我邦の元日の如し。」
明治の改暦前まで、日本人には日曜日はなかった。
1987年、労働基準法改正で週40時間労働が基準となり、1989年には金融機関がこぞって土曜閉鎖を始め、その他企業も土日休みが徐々に浸透。2002年からは公立小中学校で土日休みを導入。日本没落の始まりである。
まあ、土日休みは世界の主流なので一旦置いておき、ここでは祝日について話をしよう。
世界各国の政府が定める祝日は、
1、元日
2、天文・節季に纏わる日
3、建国・戦争に纏わる日
4、聖人・偉人に纏わる日
5、労働者に纏わる日
この五つにほぼ当てはまる。しかし日本はどうだ?
成人の日、敬老の日、スポーツの日。山の日なんて聞いて呆れる。
海の日は一応、明治天皇の東北行幸後に横浜港に帰着された明治9年7月20日に因むそうなのだが、そんならその日のままにしとけよ、と思う。天皇誕生日を土日にくっつけるためにずらすのか?
勤労感謝の日。勤労できることに感謝すべし、としながらも、ハッピーマンデーなる「休み=幸福」という概念を植え付ける。平成以降、日本政府のやってきたことは矛盾だらけ。
*
私は長らく欧州系企業に勤務していたので、平成以降の「日本人は働き過ぎ」という考えは「共同幻想」だと確信している。日本は土日以外の年間祝日数が先進国の中で異常に多い。2026年は18日間もある。執筆時点では、英国・スイス・オランダは8日間、ドイツは9日間、アメリカ・カナダ・フランスは11日間、ロシア・イタリアは12日間。(*土日に休むよう定めた祝日、及び地域や州固有の祝日は除く。)
日本には祝日プラスで年末年始、五月連休、お盆休み、有給休暇もある。人口が減っているのに、こんなに働かなくなったら経済が低迷するのも当然である。「外国人は2-3週間も休みとってバカンスに行けていいよね。」みたいな論調もおかしい。会社員の年間休日数で考えれば、日本人より少ないのが実情だ。
そして予算の配分について。特に欧州人は、ハレとケ、メリハリがはっきりしている。日本のように安月給のサラリーマンが毎日、昼に外食するようなことはしない。飲料すら買わない。ケの日はとことん節約しながら、ハレの日に豪快に使う、というだけである。
日本人の「共同幻想」の解決策として、日本人はもっと働いて、休みは自由な日にまとまってとれる、という風にすればよい。私の案は、政府による祝日はすべて廃止し、企業・官公庁は有給休暇を年10日間増やし、会社員・公務員は今までより8日間多く働け。義務教育の児童生徒にも、年10日間の自由休日を与えよ。
そうすれば、空いている期間に家族旅行にも行けるではないか。旅行や予定がなくたって、子供だって大人だって、学校、会社に行きたくない日はあるのだ。祝日より自由休日を増やすべきである。日本人の精神衛生を保つことにもなるのだ。
ただし日本人は外国に比べて、通勤で疲弊している事実は認める。政府は安直に祝日を増やすだけで仕事をしている振りをするなと言いたい。こんなものは政策とは言えない。日本人がもっと働けるよう、渋滞や満員電車を国を挙げてどうにかして欲しいものである。
三連休で毎回旅行に行ける人なんていない。祝日だと行政も金融機関も病院もやってないから野暮用も済ませられない。時給で働く人、祝日が仕事で子供の預け先がない人にとっては、祝日増加は迷惑でしかない。
*
私の父が入院し、回復して退院できる状態になったと医師から説明を受けた金曜日の午後、「それなら今から連れて帰ります。」と言うと、「入院患者の会計は今日は閉まってしまったので無理です。」などと四の五の言われ、「土日+ハッピーマンデーは病院の定休日なので、退院は火曜日以降です。」と言われた。そして土日月まるでヒマの私は、説明を聞くための金曜と退院付き添いの火曜に有休をとった。
何これ? 労働者の工数と医療費のまったくの無駄。しかも後期高齢者医療費の九割は税金負担だ。入院日数の増加はそのまま国民負担である。
日本政府、自民党はホントにアホ。というか、支持基盤の医師会を潤すために、わざとやっているのだろうけど。
