【073】 大鷦鷯天皇
(*写真はスズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属ミソサザイ)
日本書紀では大鷦鷯天皇、古事記では大雀命、万葉集では難波天皇。応神天皇の第四皇子、これは誰か?
答えは第16代の仁徳天皇。仁徳とは、奈良時代に淡海三船によって撰進された漢風諡号(おくりな)である。
生母の仲姫命が、ミソサザイの鳴き声を聞いて仁徳天皇を宿したとされ、この名が付けられた。
ミソサザイは、日本の留鳥の最小種であり、小鳥の古名「さざき」の転訛だとか諸説があるが、語源ははっきりとは分かっていない。和風の当て字は三十三才で、チャイナ漢字は鷦鷯である。
記紀には、天皇の生誕時に鳥が産屋に舞い込むと、胎児に魂が宿ると考えられたり、天皇の崩御後には、鳥に変身したり、鳥に霊が運ばれるという逸話が散見される。
仁徳天皇の御陵は「百舌鳥」と呼ばれている。御霊が百舌鳥に運ばれた、または百舌鳥にこの世の平穏を託した、との伝承に由来するそうだ。倭建命は白鳥に生まれ変わったという伝説から、その御陵は白鳥陵古墳と呼ばれた。
高天原の最高神の一柱である高皇産霊尊が遣わした八咫烏は、神日本磐余彦火火出見尊(神武天皇)を熊野から大和の橿原まで先導した。
長脛彦との戦いでは、金鵄(金色に輝く鵄)が天から舞い降りて弓矢の先に止まった。敵は金鵄の輝きに目が眩み、神武天皇を勝利に導いた。これが日本建国の始まりだ。
日本神話では、トリの活躍は欠かせない存在で、如何に日本人がトリを愛して来たのかが想像できる。「【043】 焼け野の雉 夜の鶴」で言及したが、日本初の元号は「大化」、二番目は「白雉」、その次は「朱鳥」である。
次は聖徳太子と関係が深いトリを見てみよう。
