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【189】 コヨーテ・アグリー

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(写真は食肉目イタチ科アメリカアナグマ属アメリカアナグマ)

【169】 夜行性と昼行性」で述べたように、野生動物の生態を理解するための原則を再考してみる。適切な生物学用語がない場合は勝手に名付ける。

(食性)
1、草食性
2、雑食性
3、肉食性


(行動時間)
1、昼行性
2、夜行性
3、薄明はくめい薄暮はくぼせい
4、周日しゅうじつ行性こうせい


(移動性)
1、定住性(ほぼ同じ所に住み続ける)
2、彷徨性(当てなく移動を続ける)
3、回遊性(移動するが戻ってくる)

トリで言えば、1は留鳥、2は漂鳥、3は渡り鳥。サケやウミガメは3だ。


(行動単位)
1、独行性(単独行動)
2、親行性(つがいや子、親族と行動)
3、多妻性(ハーレム)
4、群行性(同じ種の他者と集団で行動)
5、異行性(異なる種の他者と行動)

この分類にはすべてを当てはめることはできず、成長過程や雌雄によっても変化する。

ツキノワグマの母と子は1−2年は一緒に暮らすが、母から離れた雄はほぼ一生、独行性である。寿命は約20年なので18年くらいは単独だ。

多妻性は一夫とは限らない。ニホンザルのようにボスザルと他の雄との階級はあるもの一緒に暮らす場合もある。

ニホンジカの群れは基本的に母+親行性で、雄は別の雄と群れを作るか、単独行動だ。群行性はアフリカのヌーや北欧のトナカイ、熱帯のマイルカなどが有名。

異行性は、冬場のカラ類の混群が知られるが、クマノミとイソギンチャク、ハゼとテッポウエビ、コバンザメとジンベエザメなど、利害関係が一致していて共生する海の生物はそこそこいる。しかし哺乳類には見当たらない。ヒトと家畜くらいだ。

この異行性、唯一の野生の哺乳類が、アメリカアナグマとコヨーテである。

アメリカアナグマは母が一年程度は子育てするが、それ以外の時期と雄は独行性だ。肉食性の強い雑食で、モグラ、ネズミ、ウサギ、マーモットなどの小動物を襲って食べる。

コヨーテは哺乳類には珍しく、半年くらいは夫婦で子育てするが、それ以外は独行性で、完全肉食である。アメリカアナグマもコヨーテも夜行性だが、餌のためなら昼でも活動できる。アメリカアナグマは基本的に定住性、コヨーテは彷徨性だ。

この独行性のアメリカアナグマとコヨーテがコンビを組んで狩りをする観察事例が多数あり、アメリカ先住民には太古の昔より知られていたらしい。コヨーテが小動物を追い回し、穴に逃げたところをアナグマがゲット。アナグマが穴を荒らして小動物が地上に逃げたところをコヨーテがゲット、という具合だ。

さらに驚くことにコヨーテは、アメリカアナグマの子も食べるのだ。

食肉目イヌ科イヌ属コヨーテ
(北米にのみ生息)

コヨーテは罠に掛かると自分で足を噛み切ってでも逃げる、という俗信がある。朝目覚めたら腕枕にゲキブスが寝ていて、自分の腕を噛み切ってでも逃げたいくらいのブス= Coyoteコヨーテ Uglyアグリー である。

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