【169】 夜行性と昼行性
(写真はネズミ目リス科モモンガ属ニホンモモンガ)
私の登山暦は十数年、週に一度は山に入り、様々な野生動物を見て来た。ニホンジカ、ニホンザル、二ホンリスはしょっちゅう。
稀ではあるが、ニホンノウサギ、ホンドギツネ、ニホンイタチ、ニホンカモシカ、テン、オコジョ、ニホンイノシシも生で見たことがある。
しかし、ホンドタヌキ、ニホンアナグマ、ハクビシン、ツキノワグマは一度も山で見たことがない。なぜか?
登山家は日没後には行動しないからだ。
あらゆる生物は、草食、雑食、肉食に分類される。これは誰でも知っていることだろうが、夜行性、昼行性についてはあまり意識されていない。
ホンドタヌキ、ニホンアナグマ、ハクビシンは夜行性なのだ。この野生界では当たり前の原理を知っていれば、「【133】 渡瀬庄三郎とヒメインドマングース」のようなアホなことは起こらなかった。
夜行性と昼行性の中間には薄明薄暮性という明け方と夕方に活発になる生物を別分類とする考えもある。ツキノワグマとニホンイノシシは、周日行性という一日中活動できるタイプ。しかし彼らは警戒心が強く、人間の気配がするとどこかに隠れているか離れている。
しかしホンドタヌキ、ニホンアナグマ、ハクビシンは、人間の気配無関係に基本的には昼には活動しないのだ。
「【165】 洞熊学校を卒業した三人」の「あんまりあたりが明るいために洞熊先生が涙をこぼして眼をつぶってばかりゐたものですから」とは、昼の光が苦手だから。
ノウサギやシカも夜中に行動することはあるが、個体によって周日行性するタイプがいるだけで、ホンドタヌキ、ニホンアナグマ、ハクビシンのようなガチの夜行性とは異なる。ガチの夜行性は、他にニホンモモンガやヤマネがいる。
私はヤマネは生で見たことがないが、ニホンモモンガは真夜中の身延山久遠寺で、樹から樹へ飛んでいるところを間近で見たことがある。圧巻であった。
