【099】 海王星の女王 おユキ
(*写真は海王星)
ギリシャ神話を素材にした想創話は今でこそ珍しくないが、日本初は手塚治虫の『海のトリトン』である。次いでポセイドン単体ならバビル2世。
1969年 漫画『海のトリトン』(手塚治虫)
1971年 漫画『バビル2世』(横山光輝)
1972年 アニメ『海のトリトン』
1973年 アニメ『バビル2世』
1977年 漫画『オリンポスのポロン』(吾妻ひでお)
1982年 アニメ『おちゃめ神物語コロコロポロン』
1985年 漫画『聖闘士星矢』(車田正美)
1986年 アニメ『聖闘士星矢』
太陽系惑星をキャラ名に用いた日本初は、1978年漫画発表『うる星やつら』の「海王星の女王 おユキ」である。元ネタは、1963年執筆の音楽劇『海王星』(寺山修司)かも知れない。
では、トランスサタニアン(土星外天体)の名付けの歴史を見てみよう。
1781年、英ウィリアム・ハーシェルが天王星を発見。名称にバラつき、変遷があり、1800年代初頭に天界の王ウラヌスに収斂され、1850年に統一。
1846年、独ヨハン・ゴットフリート・ガレが海王星を発見。ヤヌス、オケアヌスなどの候補を退け、海洋の王ネプチューンに決定。
1930年、米クライド・トンボーが冥王星を発見。天王、海王にならい冥府の王プルートに決定。これを野尻抱影が冥王星と訳した。
天王星、海王星の漢字訳はチャイナが先で日本がそれを真似した、なる記事を見かけたが、まったくのデマであろう。1644年から1912年の清朝は、チャイナ史上最悪の暗黒時代であり、文化・学問の衰退期間であった。当時のチャイナに西洋の天文学に通じた人材がいたはずがない。チャイナにおける西洋文明の吸収は、明治政府が清から大量の留学生を受け入れ、西洋概念を漢字化した「日本語」を通じて学んだのが歴史上初である。
