【081】 土俵の四房
(*写真はフクロウ目フクロウ科ワシミミズク属シマフクロウ)
やぐら太鼓が 隅田の川に
どんと響けば 土俵の上で
男同志の 血汐はたぎる
『男の土俵』(作詞:村田英雄)
では、おさらい。
東:青龍・青・春・木・青年=青春
南:朱雀・朱・夏・火・壮年=朱夏
西:白虎・白・秋・金・中年=白秋
北:玄武・玄・冬・水・老年=玄冬
大相撲中継の視聴者目線では、北から南を見ていることになる。だから左が東、右が西だ。番付表では東が右、西が東。これは主催者側のいる行事溜まり(向正面=南)からの視点であろう。
国技館の土俵は、テレビ中継で見やすくするために、柱ではなく「神明造の吊り屋根」が採用されている。この吊り屋根の四つ角には、青(緑)・赤・白・黒の房が垂れ下がっている。これが四神を表しているのだ。
図解すると、
赤房 向正面 白房
東 西
青房 正面 黒房
相撲には儒教、仏教の要素は皆無であるが、神道と道教の融合なのだ。
神社本殿の建築様式は、伊勢神宮系の「神明造」と出雲大社系の「大社造」に大別される。
神明造は、正面(または入口)が屋根の側面にあり、大社造は、屋根の三角部分が正面(または入口)だ。土俵の吊り屋根は、三角部分が東西に配置されており、正面からは屋根の側面部を見ていることになる。
神社の屋根の棟の両端には V字 の「千木」があり、棟の上には丸太のような「鰹木」が載せられている。
千木の端部が、棟に対して水平に削がれているのが「内削ぎ」、垂直なのが「外削ぎ」だ。
この千木の削ぎ方向と、鰹木の本数を見れば、御祭神の性別がおおよそ分かる。
内削ぎ+鰹木が偶数=女
外削ぎ+鰹木が奇数=男
これを「まったくの俗説」だと断定する輩がいるが、何を根拠にそんなことを言うのか理解不能である。御祭神が男女複数の場合、この法則が当てはまらないことはあるが、個人的に全国の神社巡りで調べた感覚では6−7割は当てはまる。
大相撲の吊り屋根は、外削ぎ+鰹木が五本=男だ。御祭神はいないが、女は土俵に上がれないので、男の世界を表しているのであろう。
なお、土俵の東西は「そう設定している」だけで、実際の方角とは一致していない。全国の神社本殿は、南を正面にする傾向が強いが、東の場合もあれば、その神社の本宮の方角を向いていることもあり、一貫性はない。
土俵ではなぜ、北から南を見る方向が「正面」なのだろうか?
