[映画]『ビーキーパー(デヴィッド・エアー監督/2024)』

データ
原題: The Beekeeper
監督: David Ayer
製作年度: 2024
製作国: イギリス=アメリカ合作映画
アスペクト比: 1:2.35f
上映時間: 1h45
公開日: 2025/01/03
鑑賞日: 2025/01/19
配給: クロックワークス
はじめに
2025/1/19のmixiから転載加筆修正しております。
まずは
新年最初の劇場鑑賞映画に相応しい、何も考えずに楽しめた快作。
感想
話は過去に何度も何度も踏襲されてきた、"近所のおっちゃんを怒らせたら実はとてつもなくヤバいヤツだった"的な設定。
今時、こんな設定を使うのはスティーブン・セガールかリーアム・ニーソンの映画ぐらいだが、今回は臆面もなく、最大限にこの設定を使い倒している。
主人公は養蜂家のアダム・クレイ。蜜蜂の天敵であるスズメバチを処理する描写があるが、まるで敵を倒すための罠を仕掛けるように見えてしまうのはジェイソン・ステイサムの殺気立った雰囲気のせいか。
世捨て人のようなクレイに優しくしてくれたパーカー夫人(フィリシア・ラシャド)がネット詐欺に引っかかり全財産を失い、自殺、クレイはひとり復讐を行うことを決意する。
ここまでで20分ぐらいか。105分の映画の残りはすべて復讐劇となる。
FBIでも尻尾すら掴めない詐欺組織をクレイは隠し持っていた電話でどこぞにかけるとすぐ判明。次のシーンでは犯罪が行われているオフィスの入ったビルの目の前にガソリンの入ったポリ容器を抱えたクレイが現れる…というテンポの良さ。
クレイはかつて"BeeKeeper"という組織に所属していた。その組織というのが、社会を蜂の巣に例え蜂に危害を加えようとする外部の脅威を取り除く、というものだった。
クレイは詐欺組織を殲滅するだけではなく、さらに組織を運営している企業もターゲットにする。
下っ端からラスボスへ…という展開もまたRPG的なルーチンではあるけど、気になることなく楽しめる。
また、屈強そうなサブキャラ(組織に雇われた刺客)も出てくるがクレイは強すぎるので簡単に倒されていく。
これが意外とストレスを感じさせない。クレイに立ちはだかるサブキャラ達がそこそこ強くていちいち互角の戦いとなるとたぶん、冗長になってしまうので、笑っちゃうぐらいの強さでクレイが無表情で相手を蹴散らしていく様子は心地良い。
敵が細菌兵器で世界を支配しようとか、政府のシステムにハックして政権転覆を狙うとか、そんな大仰な話ではなく、パソコンに疎い老人をターゲットにしたネット詐欺集団という今風なのも良かったポイントだろう。観客はみなクレイに感情移入してしまう。
詐欺組織のコールセンター(?)を滅茶苦茶にするシーンは最大の見せ場だった。
当作品の脚本を担当したカート・ウィマー(『フェイク シティ ある男のルール (Street Kings/2008)』で監督デヴィッド・エアーと組んでいる)は叔母が詐欺に遭い無一文になったという経験を踏まえているとのこと。
そのエアー監督の作品は『エンド・オブ・ウォッチ (End of Watch/2012)』『サボタージュ (Sabotage/2014)』『フューリー (Fury/2014)』そして『スーサイド・スクワッド (Suicide Squad/2016)』を観たが、『フューリー』がちょっと面白かった、といったところ。脚本次第なのかな…。
役者は馴染みのないひとが多い中、元CIA長官でラスボスの顧問的なことをやっているジェレミー・アイアンズが存在感を感じさせた。若いラスボスの間抜けさ加減にため息をつきつつ仕事をこなしていくという面白いキャラクターだったのでもう少し肉付けして欲しかったかな…。
ベストテンにも入らず、数か月後には記憶から消えそうな作品だが、映画館での至福の時間を与えてくれた良作でした。
