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[映画]『アバター ウェイ・オブ・ウォーター (IMAX/3D)(ジェームズ・キャメロン監督/2022)』


wiki

データ

 原題: Avatar: The Way of Water
 監督: James Cameron
 製作年度: 2022
 製作国: アメリカ
 アスペクト比: 1:2.35f
 上映時間: 3h12
 公開日: 2022年12月16日
 鑑賞日: 2023年1月24日
 配給: ウォルト・ディズニー・ジャパン

はじめに (鑑賞当時のメモ)

 2023年の劇場鑑賞第一弾。まずはキャメロンが拘り続けた液体描写のひとつの到達点となった。3D効果もあるが海底のシーンが見たことのないぐらいの独特な世界観だった。1作目の森のシーンもそれなりに凄かったが、それをはるかに超えたクオリティである。で、ストーリーはというとこれは過去のキャメロン作品も含む「映画的記憶」を散りばめており、常に既知感に囚われた。つまりストーリー展開でのドキドキさが皆無、予想通りに事が運ぶ、ある意味安心して観られる内容だった。演出は途中ダレるが最後の海兵隊とのバトルシーンはさすがキャメロンといった馬力を感じさせる出来だった。ただ、海兵隊、特に敵役となるスティーヴン・ラングのキャラクター設定の単純さは興ざめ。わざとなのかもしれないが途端にB級感がプンプンしてきて安っぽさを感じた。『エイリアン2 (Aliens/1986)』のラストに近いか。なんだかんだ言って3時間を見通した。エンドクレジットでトイレに行きたくなったけど…。来年、『3』か。 (ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞)

概要

 ナヴィ族がRDA(The Resources Development Administration/資源開発機構)社をパンドラから撃退して16年後、元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)はオマティカヤ族の長として、息子のネテヤム(ジェイミー・フラッターズ)とロアク(ブリテン・ダルトン)、娘のタクティレイ"トゥク"(トリニティ・ジョリー・ブリス)、そしてグレース・オーガスティン博士(シガニー・ウィーバー)のアバターから生まれた養女のキリ(シガニー・ウィーバー)という家族をネイティリ(ゾーイ・サルダナ)とともに育てている。

 マイルズ・クオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)の息子であるマイルズ・"スパイダー"・ソコロ(ジャック・チャンピオン)は、パンドラに滞在していた人間の科学者に育てられながら、頻繁に子供たちを訪ねている。

 しかし再びRDAがパンドラを植民地化するために戻ってきて、パンドラでブリッジヘッドシティという作戦基地を建設した。RDAはリコビナントという死んだ兵士とナヴィの兵士のDNAをかけ合わせた人造生命体で軍隊を組織化し、その指揮をとるのがクオリッチのリコビナントだった。

 ジェイクもオマティカヤ族を率いてゲリラ戦を展開する。ダイアホースやマウンテン・バンシーに乗騎しシティを急襲して武器を奪い取るという戦術を取る中、クオリッチはジェイクの子供たちを捕らえる。ジェイクはネイティリとともに子供たちを救出するが、今度はスパイダーがクオリッチに捕らえられてしまう。

 クオリッチはスパイダーが自身の息子であることを知り、ジェイクたちの情報を得るために関係を深めようとする。スパイダーによって自分たちの情報が漏洩することを危惧したジェイクは家族を連れてオマティカヤ族と別れる。

 ジェイク一家は未知なる種族"海の部族・メトカイナ族"と合流する。ジェイク一家は海の生活を覚え始める。そしてロアクは族長のトノワリ(クリフ・カーティス)と彼の妻ロナル(ケイト・ウィンスレット)の娘であるツィレヤ(ベイリー・バス)と惹かれ合う。

 ロアクはトノワリの息子アオヌング(フィリップ・ゲリオ)とその友人たちとともに海釣りに出かけ、ロアクを良く思わないアオヌングの策略でひとり取り残される。ロアクはサメのような生物に命を狙われるが、クジラに似た生物トゥルクンのパヤカンに命を救われる。ロアクはパヤカンが他のトゥルクンから追放されたことを知る。

 キリはメトカイナ族の神木である海中にある"魂の木"と"交信"する。キリはエイワ(パンドラ全体をつなげる植物による神経ネットワーク)を通して母のグレースと再会するが、その後、発作に襲われ溺れる。キリを助け出したジェイクは旧知のノーム・スペルマン博士(ジョエル・デヴィッド・ムーア)とマックス・パテル博士(ディリープ・ラオ)に救いを求める。結果、てんかんを起こしており、"魂の木"との"交信"は命を落とすリスクがあることかわかった。

 ノームとマックスの動向からメトカイナを把握したクオリッチはトゥルクンハンターの船団を指揮しつつメトカイナに侵攻する。そしてトノワリを尋問するがジェイクの居場所を得られず、メトカイナ族の住居を焼き払う。

 ロアクは触覚を通じてパヤカンと繋がり、パヤカンが母親を殺した人間を攻撃したことで、トゥルクンの平和主義の誓いを破ったため、追放されたことを知る。クオリッチはメトカイナ族がトゥルクンと魂の絆で繋がっていることを知り、狩猟船団のミック・スコーズビー(ブレンダン・カウエル)にナヴィが住む島の近くでトゥルクンを狩るように命令する。

 トゥルクンの虐殺が始まり、ロアクは友人たちとパヤカンに警告に向かう。そこへクオリッチが現れ、子供達はパヤカンを逃すことに成功するが、クオリッチに捕まえられてしまう。ジェイクやメトカイナ族はクオリッチを追い詰めるが、クオリッチはメトカイナ族に子供達と引き換えにジェイクを差し出すことを要求する。

パヤカンが狩猟船団を攻撃したことをきっかけにメトカイナ族とクオリッチの軍隊が戦闘状態になる。そしてネテヤムはスパイダーの協力を得て子供達を救出するがネテヤムは命を落とす。

 ジェイクはひとり囚われているキリを救い出そうとする。そしてネイティリがスパイダーを殺すと脅迫したことで、クオリッチはキリを解放する。そして最後はジェイクとクオリッチの一騎打ちとなり、クオリッチはジェイクに首を絞められ気を失う。スパイダーは沈みゆく船からクオリッチを救出するが、クオリッチの懇願を一蹴しジェイクと行動を共にすることを決意する。

 ネテヤムの葬儀後、ジェイクはメトカイナ族から離れることをトノワリに伝えるが、トノワリはジェイク達を一族として認め、残るように伝える。

 ジェイクはRDAから逃れるのでは無く、正面から立ち向かうことを決心する。

改めての感想

 公開当時の印象はどちらかというと消極的賞賛といった感じだった。よく出来ているし、さすがはジェームズ・キャメロンと思わせる重厚なアクションも堪能でき、…だけど…という複雑な想いだった。

 あれ以来、再見をしていないが、初見時の印象は変わっていない。再見してみたらどう変わるか。変わらないか。

 今回、概略を書き起こして思ったのが、脚本がかなり平坦に感じたことだった。

 まず敵役を一身に背負うクオリッチは初見時にも思ったがあまりにティピカルな悪役となっている。ここにスパイダーという存在でどう変わるか…という点は注目すべき要素だが、どうにもならない。クオリッチが家族愛に目覚めたのかそうではないのかも中途半端で-これは実は3作目もそんなかんじだったのだが-キャラクターが中途半端だった。

 とは言え、RDA自体は単純悪として描かれ、組織として狼藉三昧な振る舞いをするので、クオリッチがどうあれ、観客は心情的にナヴィの味方をする。キャメロンの演出力は勧善懲悪的な展開において最大限のパフォーマンスを発揮し、観客はRDAの軍艦が沈没していく光景に快哉を叫ばずにはいられなくなる。「水戸黄門」か健さんの任侠ものに近い古典的なドラマ構成である。

 今回、ストーリーを振り返り、子供たちの扱いがマイナスに働いているように感じた。パッと思いつかないが、ホラーやパニック映画で余計なことをしてやたら主人公を危機に陥れるサブキャラがよく出てくるが、ジェイクの子供たちは健気を通り越して、しばしばイライラさせられた。何回クオリッチに捕まるんだよ、と言いたくなった。

I can't believe, I'm tied up again.
信じられなーい また捕まっちゃった (タクティレイ"トゥク"談)

 キャメロン監督、確信犯か?

 この二作目はよく言えば家族(最後には一族)に対する責任がジェイクに芽生えるという成長譚なのだろうが、映画の作りとしては私はブレーキにしか感じられなかった。

 そしてタイトルの意味。ツィレヤ “レヤ”がロアクに語る台詞が全てだろう。

The way of water has no beginning and no end.
Our hearts beat in the womb of the world.
The sea is your home, before your birth and after your death.
The sea gives and the sea takes.
Water connects all things: life to death, darkness to light.

IMDb

 今回は"水"と生物の関わり、次作は"火"。世界が四元素で構成されているという古代ギリシャの思想に基づけば、まだ"土"と"空気(風)"があるので続編はそっちかな。

おわりに

 環境保護と反グローバリズムという一貫したテーマでこのシリーズに固執するのは、わかりやすいストーリーで観客を啓蒙しようという意図があるのかもしれないが、キャメロンが5作作ると言っている以上、つきあっていくしかない。

 既に4作目はポスプロ、5作目は撮影中。2031年に5作目を観終わったときにキャメロンの真意が伝わるかもしれない。

IMDb

 そして楽しみなのは監督予定となっている『The Informationist』。テイラー・スティーヴンスが2011年に発表したスリラーで、凄腕探偵のヴァネッサ・マイケル・モンローが行方不明となった石油王の娘を探しに西アフリカに行くという話らしい。強いヒロインというあたりがキャメロンらしいが、こんな作品を待っていたのだ。楽しみにしよう。くれぐれもキャメロンが5作では描き足りない…と思わないことを祈りつつ。

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