2026/01/23 じゃがいものないカレー 〜暮らしは思い込みで揺れる〜
2026/01/23
窓の外はまだ暗く、東の空だけがわずかに白み始めている。
床を掃き、顔を洗い、窓を開ける。
大寒らしい張りつめた冷えが、眠っていた感覚を一気に呼び戻す。
いつものようにストレッチをして、白湯を沸かす。
この時間は、急がなくていい。
まだ誰の予定も始まっていない朝に、静かに一日を迎える準備をするのがやっぱり好きだなと思う。
今日は夫が有給休暇。子どもたちの送りもお願いできるし、少しゆとりのある一日になりそうだ。そんなふうに思いながら、朝の支度を終えて仕事へ向かった。
特別な予定はないと聞いていたから、どこかで肩の力を抜いていた自分がいた。
帰宅したのは16時半。長女はすでに帰宅していて、夫と次女も、ちょうど同じタイミングで帰ってきた。
玄関を開けて、ふと目に入ったのは、朝のままの洗い物と、洗濯機の横に積まれたままの洗濯物。
ああ、そうだよね…そう思った。
当てにしてしまっていた
夫が休みだから、何か家事をやってくれているかもしれない。そんな期待を、知らず知らずのうちに抱いていた。
言葉にはしなかったけれど、心のどこかで「やってくれるだろう」と思っていた自分がいた。
でも、洗い物も洗濯も、そのまま。
別に怠けていたわけじゃない。
夫には夫の休み方があって、ゆっくりと過ごす時間を選んだだけのこと。
それはそれで、大切な時間だったはずだ。
頼んだわけでも、約束したわけでもない。
ただ、「休みで家にいる」という情報から、勝手に期待を膨らませていた。それだけのこと。
期待って、厄介なのだ。
相手に伝えていないのに、勝手に抱いて、勝手にがっかりする。そのサイクルに入ると、誰も幸せにならない。
勝手に期待しないように、ちゃんと伝えていこうと思っていたはずなのに。そんな一人反省会をして、それで、また自分に少しがっかりする。
やってくれたら感謝が生まれるし、やってくれなくても穏やかでいられる。その心持ちを得たつもりでいたのだ。
じゃがいものないカレーで整える夜
夜、じゃがいもがないのにカレーのリクエストが姉妹から出た。
濃厚なカレーの香りがキッチンを包む。
冷凍庫にあったハッシュドポテトを揚げてチキンカレーに添えてみた。
ルーはいつもより、少し濃い目に。
まろやかな甘辛さとカリッとした食感が交わるたび、口の中に幸せが広がった。案外、好評だった。
テレビでは「それスノ」の完コピダンスグランプリ。子どもたちが笑い転げて、大興奮している。
その横で夫も一緒に笑っている。
こういう時間が、きっといちばん大事なんだ。
思い通りにいかなかった気持ちは、いつの間にかなくなっていた。
当てにしない、でも諦めない
期待しないことは、冷たさじゃないと思っている。
自分の機嫌を、自分で守るための選択。
同時に、すべてを一人で抱え込む必要もない。
期待するなら、言葉にする。
当てにしないなら、その分、自分で整える。
じゃがいものないカレーみたいに、足りないものがあっても、工夫すればちゃんと美味しくなる。
誰かを「当てにして」疲れていませんか?
それとも、自分に優しくいられましたか?
期待しない優しさを選ぶこと。
それは、相手を変えようとするのではなく、自分の心の持ち方を整えること。
家事が残っていても、笑い合える夜があれば、それでいい。完璧じゃなくても、温かい食卓があれば、それでいい。
そう肩の力がふっと抜けた夜だった。
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