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「〇〇手当」について考察する(ちょっとだけですが。。)

 みなさんこんにちは。よこちょうです。
 もう10月ですよ。。本当に月日の過ぎるのは早いですね。
 ちょっと前まで暑い暑いと言ってたら(まだちょっと暑かったりする日もありますが(笑))、あっという間に年末の事を気にする時期に差し掛かろうとしています。
 季節の変わり目でもありますし、お仕事も色々と忙しくなる時期となりますので、お身体にはお気をつけ頂きたいと思います。

 前回は、全ての都道府県において答申がなされた、令和7年度最低賃金額について、その概略や影響について考察してみました。いかがでしたでしょうか。対応が必要となってくる企業様もいらっしゃるかと思いますので、ぜひご確認を頂けますと幸いです。

 さて、弊事務所では賃金に関するコンサルティングや、実際の給与業務を手掛けておりますが、基本給に加えて「〇〇手当」という名称で支給されている企業様が多くあります。
 今回は、これらの手当について、その実態をご紹介するとともに、ちょっとした考察も交えて、今後のご参考にして頂ければと思います。


手当の実態は?(厚生労働省調査より)

 まず、厚生労働省から出ている、「2020年 就労条件総合調査」によると、企業における主要手当の支給状況を、厚生労働省の資料を引用してご紹介します。

令和元年11月分の諸手当を支給した企業割合を諸手当の種類別(複数回答)にみると、「通勤手当など」が92.3%で最も高く、次いで「役付手当など」86.9%、「家族手当・扶養手当・育児支援手当など」68.6%などとなっている。

厚生労働省「令和2年就労条件総合調査 結果の概要 賃金制度」より引用

 これらの手当については、企業の規模や業種によって、支給率に差はありますが、上記で説明がある通勤手当・役職手当・家族手当は、採用されている率が非常に高いです。
 なお、結果の概要:賃金制度の資料は以下から参照できます。
 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaiyou02.pdf

手当が多いのはなぜなのか?

 上記の通り、手当は多くの企業で採用されておりますが、その理由について考えてみますと、以下のような理由が考えられると思います。

  •  生活保障としての考え方に基づく配慮
    日本の賃金制度は、ある程度生活を保障する考え方に基づいており、基本給に加え、従業員の生活の状況(家族構成/居住地域/通勤状況)に応じて手当を加算して、生活を支える仕組みとしている事が多いです。

  •  労使交渉の妥協点としての手当
    例えば、基本給を上げる事が難しい場合、「〇〇手当」として新設することで、労働組合との交渉を円滑に進める手段となることがあります。こういった場合は、一時的・限定的な支給にする事も可能なため、柔軟な運用が可能です。

  •  従業員のモチベーション向上・定着支援策としての手当
    資格手当、技能手当など、従業員にとってはスキルアップを促すインセンティブになります。また、住宅手当や家族手当は、福利厚生の一環として定着率向上に寄与します。

  •  地域/業種特有の状況への対応
    寒冷地手当や危険手当など、特定の地域や職種に対し、その負担を補う目的で設けられる手当があります。

 これを考えてみると、やはり従業員に対し、しっかりと手当も含めた適正な賃金体系を運用していく事がとても重要な事が分かります。

考慮が必要な点

 おそらくいくつか必要な考慮点があるかと思いますが、こちらでは2つ挙げておきたいと思います。

割増賃金の算定に手当を含めるか否か?

 まず、この点を上げておきます。
 手当の種類により、割増賃金(残業代など)の算定基礎に含める必要があります。これは労働基準法第37条および通達に基づく重要な点となり、整理しておくことは必須です。

 では、割増賃金の算定に含めるべき手当について、以下に記載します。
 これらは、通常の労働に対する報酬とみなされるため、割増賃金の算定基礎に含める必要があります
 基本給、業務手当、資格手当、皆勤手当、営業手当(固定額の場合)など

 
逆に、以下のような手当は、労働の対価ではなく、実費補填や生活補助的性格が強いため、割増賃金の算定基礎から除外できます
 通勤手当、家族手当、住宅手当、単身赴任手当、子女教育補助手当など

 これらの項目は、もちろん就業規則や賃金規程に明記することが必要です。あとあとトラブルにならないように、手当について「割増賃金の算定基礎に含める/含めない」を明示していくと良いと思います。
 また、変形労働時間制や裁量労働制では、割増賃金の算定方法が異なりますので、手当の扱いはさらに慎重に行いましょう。

退職金への反映

 退職金がある企業の場合、その計算基準がどうなっているか、その基準において、手当が報酬に含まれるか否かは、支給額に大きく影響しますので、非常に重要です。
 こういった詳細が、就業規則や退職金規程に明記されていないと、退職時のトラブルにつながります。特に役職手当や職務手当など、実質的に基本給と同様の性格を持つような手当をどう扱うかは慎重な判断が必要です。

 退職金の制度設計がしっかりできているか。そして、明示されており、従業員が理解し、納得できているかを必ずご確認頂ければと思います。

考察/まとめ

 私は35年以上働いてきましたが、実は通勤手当以外「手当」というものをもらったことがありません。。まあシンプルですよね。
 ただ、各企業様および従業員の方々にも経営やそれぞれの生活があり、その中で最も重要な要素である「賃金」そしてその中の「手当」はお互いに納得するのが非常に難しいですよね。。 ありきたりにはなってしまうかもですが、「手当」については、以下のような点が重要なポイントになってくると思っています。

  •  支給条件の明確化
    どのような時に支給されるかを、あいまいな表現にせずに明確化し、不支給時のトラブルを避ける。

  •  労使コミュニケーション
    就業規則などの新設・廃止・変更時には手続きが必要となりますので、当然ながらしっかりとコミュニケーションを取り、双方納得できるようにしたいものです。

  •  支給基準や対象者の合理性
    同一労働同一賃金の観点から、非正規社員との不合理な格差がないかなども確認が必要な点となります。

 一つ言えることとしては、

「手当」は福利厚生ではなく、「賃金」の一部である。

 という事を理解する事はとても重要です。したがって、就業規則に明記する事、そして労使で合意する事が必要になります。
 「手当」を制度としてよりよく運用できることを願っております。

 いかがでしたでしょうか。
 今回ご紹介しました、「手当」を含む賃金体系について、ご相談が必要であれば、まずは懇意にされております社労士事務所へコンタクト頂くことをお勧めします。
 もちろん、弊事務所におきましても、皆様からの労務に関する相談をお待ちしております!
 以下のお問い合わせページからお気軽にご連絡ください。

 では、また次回をお楽しみに!