それ本当?確定拠出年金「放置」
みなさんこんにちは。よこちょうです。
あっという間にもう11月ですよ。体も自然に鍋、豚汁、煮込みとか暖かい食べ物を欲するようになってきました。
これから年末に向けて、仕事にプライベートにと、色々とイベントが多くなってきますよね。ちょっと油断すると体調を崩しがちになるシーズンでもありますので、美味しいモノ食べてしっかりと体調を整えて元気に乗り切って参りましょう!
さて、前回は福利厚生に関するネタを取り上げてみました。独自メニューで特徴を出している企業様が増えてきており、賃上げに匹敵するモチベーション向上策として位置づけられるかと思います。
ぜひご覧いただき、皆様の会社でもご参考になれば幸いです。
さて、今回は日経新聞10月28日朝刊1面に掲載されていた、以下の記事を取り上げてみたいと思います。
「確定拠出年金「放置」3300億円」
いやあ、1面なんですぐに目に入ったのですが、正直タイトルだけでビックリしました。「何でこんなに放置されるの??」という感じです。
一応とはいえ(笑)、DCプランナー資格を持つ者として、これは取り上げない訳にはいかんやろ、という事でこちらを少し深堀りしたいと思います。
新聞記事の概要
日経新聞のリンクは以下ですが、
転職時の移換手続きを忘れたまま放置されている企業型確定拠出年金(DC)の資産が急増している。2024年度末時点で3361億円と10年前から3倍近くに膨らんだ。管理する国民年金基金連合会などは26年度から月々の手数料を引き上げるとともに、転職先のDCなどに移す費用を下げて再び運用に回すよう促す。
従業員に対するモチベーション向上策の一つとして、多くの企業で採用が進んでいる企業型確定拠出年金(DC)ですが、社員が退職される際に、この資産に関する手続きを忘れたり、そもそもするべき手続きを知らなかったりした結果として、上記の状態になってしまったという事かと思いますが、これは非常に深刻な事態と私は感じています。
なぜ放置されるの?
まず、なぜそのような状況になるのかを少し説明したいと思います。
以前、私が記載した以下の記事の中の
【確定拠出年金の考慮点その2:ポータビリティといっても。。】
の部分を見て頂きたく、リンクを以下に共有します。
企業型確定拠出年金の特長として「ポータビリティ」があげられますが、そもそもこの確定拠出年金は年金制度の「3階部分」という事を認識する必要があります。

転職された場合、上記の「厚生年金保険」の事業者が変わる事になります。よって、転職前の資産は、転職後の事業者の状況に依存して対応する事が必要になります。
特に、転職後の職場が、企業型確定拠出年金を採用していない場合、試算をiDeCoに移管する手続きが必要となります。
また、移管を行う場合ですが、いったん現金化(解約)したうえで、移管金として改めて運用商品を決める形になります。(企業型/iDeCoいずれに移管する場合も必要)
その他詳細は上のリンク記事を参照してみてください。(余談ですが、私の経験談なども過去に記載していますので、ぜひご参照を!)
ポータビリティといっても自動でなんか起こる訳ではなく、ご自身でアクションを起こす必要があるという事は理解して頂きたいと思います。
あと、たとえば「転籍/出向」などの場合、厚生年金事業者が変わる場合は、同様の手続きが必要になります。特に、企業型確定拠出年金がある会社から企業型確定拠出年金がない会社に出向される場合など、注意が必要なケースがありますので、丁寧に確認頂ければと思います。
放置したらどうなるの?
離職から6か月放置状態のままですと、資産は国民年金基金連合会に移されることとなっています。(確定拠出年金法第83条)
こうなってしまうと、無利息の現金の状態で管理されるうえに、運用の指図もできなくなってしまいます。その一方で管理手数料は差し引かれることになります。(要は損するということ)
今回はこういう状態を減らすために、管理手数料などを引き上げて(月額52円→月額98円)、放置を減らそうと意図しているようですが、果たしてこれが功を奏するかというと私は結構疑問に思っています。
放置しないためにどうするか?
もちろん、
人事ご担当者がしっかり該当の方にご説明をする
というのは当たり前として、従業員の皆様も
制度の主旨・運用をしっかり理解する
事がなにより大切です。
確定拠出年金は原則60歳までは引き出せません。つまり確実に老後資金として積み立てる商品で、ライフプランの裏付けにするためのベースとして考えていくものです。
企業側としては、制度を運用していく中で、従業員の自覚を促していくための啓蒙活動を考えていきたいですね。
まとめ(考察)
転職が当たり前の世の中になっていく中、こういうニュースが出てくるのは正直私としては悲しい感じです。
短期だけでなく、中長期においてもライフプランを少しでも考え、その中で資金の一つとして確定拠出年金の位置づけを考えてほしいです。更に、資産管理/金融関連の知識は、ライフプランを考えるうえで必須の知識と考えます。ぜひしっかり身に付けていってほしいと思います。
いかがでしたでしょうか。
ライフプランを考えるうえで、確定拠出年金は非常に重要なメニューとなるものです。DCプランナーの私としても、こういった中で啓蒙活動を続けて参りたいと思います。
また、ぜひ色々な方々とお話もしてみたいと思います。
退職金・企業型DCについてのみならず、人事労務関連のお問い合わせはぜひ弊事務所ホームページからお気軽にお問い合わせください。
では、また次回をどうぞお楽しみに!
