文芸フライデー②
※この記事はフィクションです。
あたりまえだけど(笑)
【独占直撃】
深夜の密会報道…プロデューサーを直撃
本誌が張り込んでいたのは、都内某所のマンション前だった。
深夜1時過ぎ。
先に現れたのは、今注目を集める若手女流作家。
周囲を気にするようにマンションから出ると、帽子を深くかぶり、そのまま夜の街へ消えていった。
それから約10分後。
今度は、例のおならエッセイの有名プロデューサーが姿を現した。
なぜか犬を連れている。
しかも、その犬の名前は――
「あきたいぬ」
……犬種ではない。
名前である。
リードを持ち、落ち着いた様子で歩き出したその瞬間、本誌記者が声をかけた。
「すみません。先ほど女性がマンションから出てきましたが…」
プロデューサーは一瞬だけ立ち止まり、
そして小さく笑った。
「いや、あれは…」
そう言って犬の頭を撫でる。
「文学の打ち合わせですよ。」
その間にも、あきたいぬはマイペースに地面の匂いを嗅ぎ続けている。
記者がさらに質問を続けようとすると、
プロデューサーは少しだけ空を見上げた。
そしてこう言った。
「…大事なのは、音じゃないんです」
「余韻なんですよ。」
意味深な言葉を残し、
プロデューサーはそのまま夜の街へ消えていった。
なお、あきたいぬは終始ご機嫌だった。
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