支払日の前日に現金不足に気づく会社と、4週間前に手を打てる会社の違い

「今月の売上は悪くない。それなのに、支払日の前になって現金が足りないと分かった。」
この状態は、利益が出ていない会社だけで起こるわけではありません。売上計上と入金の時期、設備代金、給与、税金、借入返済がずれると、黒字でも現金は不足します。
問題は、銀行残高を見ていないことではありません。銀行残高だけでは、2週間後・3週間後に何が起きるか分からないことです。
必要なのは、精密な1年計画を最初から作ることではありません。まず4週間だけ、入金日と支払日を並べます。
たとえば、開始残高320万円の会社を考えます。
第1週は入金120万円、支払145万円で、残高295万円。
第2週は入金185万円に対して、設備代金を含む支払370万円。残高は110万円まで下がります。
第3週は入金90万円、給与等の支払225万円。ここで残高はマイナス25万円になります。
支払日の前日に気づけば、選択肢は限られます。
しかし4週間前に見えていれば、次の判断ができます。
一つ目は、設備代金100万円を分割・支払調整できないか、取引先や金融機関へ確認すること。
二つ目は、請求漏れ・検収日・入金条件を確認し、60万円の入金を前倒しできないか確認すること。
三つ目は、今月必須ではない裁量支出30万円を翌月へ移すことです。
この3つを行うと、同じ売上・同じ会社でも、第3週の週末残高はマイナス25万円から165万円へ変わります。
大切なのは、「資金繰り表を作ること」ではありません。数字を見た後に、誰が、いつまでに、何を判断するかを決めることです。
毎週確認するのは、少なくとも次の6点です。
①現在残高、②4週間の確定入金、③4週間の確定支払、④金額と日付が未確定の取引、⑤最低限残したい現金、⑥残高が基準を下回るときの対応です。
ここまで決まって初めて、資金繰り表は「経理資料」ではなく「経営の計器盤」になります。
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