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『最長片道切符の旅』を旅する day48 冷房中、あとぜき お願い

「『最長片道切符の旅』を 旅する」は
宮脇俊三『最長片道切符の旅』(新潮文庫)を 忠実にたどる記録です。

京町温泉 0702(吉都線)0718 えびの飯野(歩)0725 飯野高速バス停 0739(高速バス)0853 宮原高速バス停(歩)0900 早尾0916(バス)0935 八代0957(肥薩おれんじ鉄道)1226 川内 1243(バス)1337 宮之城駅 1429(バス)1529 大口 1530(バス)1559 栗野三文字(歩)1610 栗野 1708(肥薩線・吉都線)1731 京町温泉

吉松(肥薩線)八代(肥薩おれんじ鉄道)川内(山野線)栗野

本日のルートは 大変だ。全て、不通か 廃線なのだ。肥薩線の吉松ー八代間は 2020年の水害で不通になっており、八代ー川内間の肥薩おれんじ鉄道は 以前の鹿児島本線、川内から栗野までの宮之城線・山野線は 廃線でバスで辿るしかない。ハードルが高い 一日なのだ。

不通になっている 肥薩線(えびの高原線)は、ループ、スイッチバック、木造駅舎など 一度は乗って見たかった路線なのだが、こればかりは 致し方ない。廃線になっていないだけ いいか。(2033年復旧予定)

京町温泉(高速バス)八代

しかし困ったことに 吉松人吉八代を結ぶ 路線バスがない。ここを繋ぐ交通手段は 高速バスしかないのだ。旧廃線跡を忠実にたどる とはいかないが、ここはしかたがない。

今日は ぐるっと回って また京町温泉に戻ってくるので、宿は 連泊、大きい荷物は宿に置いて、ショルダーバッグだけで出掛ける。

早朝 京町温泉駅 列車を待つ
列車入線

京町温泉駅から 上り列車で3駅戻って、高速道路のバス停まで 10分歩く。早朝の通学列車は 高校生で満員である。小林か都城に 出るんだろうな。

通学列車

駅で 切符を買おうとしたら 券売機がない。あれ どうしよう。ワンマンの運転手に聞けばいいか、と思ったところで はっと気がついた。

今まで 列車内で耳タコに聞かされてきた「ワンマン列車の乗り方」ではないか。乗るときに 整理券を取って 降りるときに現金精算 すればいいのだ。実は 切符なしでワンマンに乗ったのは これが初めてだったのだ(笑)

えびの飯野で降りる

降りるとき、無事(普通に)精算。320円だった。

高速バス乗り場まで 歩く

駅から GoogleMapsを頼りに 歩く。10分ほどで 意外に簡単に高速バス乗り場を発見した。いつも 高速道路側しかから見てなかったが、高速バスの乗り場って こうなっていたのか。簡単に 高速道路に入れるんだな。高速バスを途中のバス停から乗るのも これが初めてだった。いくつになっても 初めてのことはあるもんだな。

高速バス乗り場 階段を上ると
高速バス 停留所
待つこと15分で バス到着

高速バス熊本行き、乗客は 女の人ばかり5名、爆睡。みなさん、推しの追っかけに行くようだ。

肥薩線も 国道もループ
高速から 国道ループを見上げる

高速から 国道ループが見える。見上げるほどの高い位置を 通過している。

本来ならば、肥薩線の大畑(おこば)ループとスイッチバックを 通っているはずだったのに 残念だ。

大畑駅  (wiki)

列車は 右へ右へと回りはじめた。ループ線である。半周した地点で いったん停車し、スイッチ・バックで 大畑(おこば)駅に入る。「こば」は 焼き畑の意だという。砂利のホームに タブレットの輪を肩にかけた助役が立っている。

(新潮文庫)
大畑駅のループとスイッチバック  (まっぷる)

人吉の高速バス停から 10名ほど乗ってくる。そうか、吉都線が不通なので 八代、熊本に出るには高速バスしかないのか。

人吉ー八代は 高速バスしかない

宮原のパーキングエリアで トイレ休憩。私はこのパーキングエリアの出口にある 宮原バス停で降りて 国道の早尾で路線バスに乗り換える。

宮原バス停(パーキングエリア)ー早尾バス停(路線バス)

トイレで バスの運転手さん「宮原で降りるんだったら、ここの裏の従業員出口からも 出られますよ」と教えてもらった。おお、ありがたい。教えられたとおりに 従業員出口から出ると あっけなく外の道に出た。

宮原パーキングエリアを 出た所

歩いて8分で 国道3号線の路線バス停に到着。20分で 八代駅に着いた。やれやれ、これで 本日 最初の関門「肥薩線」を踏破した(とは言えないか)。ようやく通り抜けた、と言った方が いいだろう。

八代(肥薩おれんじ鉄道)川内
JR 八代駅
その横にひっそりと 肥薩おれんじ鉄道の駅
こどもシニア 半額

ここからは 元鹿児島本線の 肥薩おれんじ鉄道に乗る。いつものように「一日乗車券」を求めると、改札のおばさんに「あんた、シニアで1500円」と言われた。通常3000円が 子どもと同額の半額であった。

「あとぜきお願い」

出口に「冷房中、あとぜきお願い」というのが 書いてあった。これは熊本弁で「あとぜきば お願い」(扉を 閉めて下さい)という意味だそうだ。これは初めて見たな。

これは県民ショーあるあるで、地元の人は この「あとぜき」は日本全国では 全く通じない(えーっそうなの?)ということを 知らないんだろうな。

おれんじ鉄道 八代駅

肥薩おれんじ鉄道は 電化複線でこれは 紛れもなく 本線。

おれんじ鉄道 入線

ビニール袋ぶらさげた じいさんばっかりだ。いかにも漁師っぽい。これからパチンコか競艇に行くようだ。ホームに降りたら すぐ煙草に火を付ける。

山頭火のポスター  (八代市観光協会)

日奈久(ひなぐ)駅に山頭火の掲示ポスターがある。山頭火は この日奈久温泉をいたく気に入って ここに住みたいとまで言ったという。

津奈木駅前に馬がいた  (熊本県観光サイト)

津奈木(つなぎ)駅前に が見えた。たしかに馬だ。後で調べたら 駅前に設置されている馬の銅像だった。いや、最初は びっくりしたよ。

赤松太郎、佐敷太郎、津奈木太郎

日奈久から水俣にかけての海岸は 険しく、鹿児島街道は 海を避けて、赤松太郎、佐敷太郎、津奈木太郎の 三つの峠を越える。三太郎の嶮 といわれるところである。しかし 線路は海岸を切り拓いて走り、峠の下を 長いトンネルで抜けていく。

(新潮文庫)
その線路を 新幹線が易々と抜いていく

昔は越えるのに苦労したを 鉄道は長いトンネルで抜けていき、現在は その鉄道トンネルを 新幹線が易々と乗り越えていく。

出水(いずみ)駅で 新幹線と接続するために5分停車する。その間に 急いで駅のトイレに行く。帰ってきたら、列車にもちゃんとトイレが付いていた。まあ、そうだよなあ。

出水は 鶴でも有名

曇り空を 鶴が二羽、三羽と飛んでいる。出水は 鶴の飛来地として知られ、いまが その季節である。首を長く突き出し、細い脚をうしろに流して滑空する姿は 格好がいい。やはり 凡百の鳥とはちがう。

(新潮文庫)

季節が違うので、は 一羽もいなかったよ。

海岸線がすばらしい。青い海、岩、砂浜。光る海

川内(せんだい)駅 到着。先生はここで駅弁を買ったが、私は おにぎりを二個買った。

川内(旧宮之城線)(バス)宮之城(バス)大口(バス)栗野

ここから 旧宮之城線で、ここは バスで辿る、のだが、バスがつながっていない。調べに調べて、旧宮之城線の主要な駅、宮之城薩摩大口で乗り継いで、肥薩線の栗野へと出る バス路線を見付けた。

川内駅前、鹿児島交通 宮之城行きバス。おじさん三人を乗せて 発車した。

川内駅前 バス乗り場
宮之城駅跡

バスは 宮之城駅跡バス停に近づいた。ドンピシャリ ではないか。

バスを降りようとして 問題が起きた。スイカが使えない。クレジットカードも使えない。バス代は 現金のみ。新札千円札を出したら 使えないという。おっと あとは1万円しかないぞ。どうする。困った運転手さんが車庫に連絡してくれて、そこなら お釣りがあるという。

宮之城駅跡(鉄道記念館)ー鹿児島交通宮之城車庫

絶好の宮之城駅跡を目の前にして、我がバスは 車庫へと向かう。橋を越え、5分ほど走ったところだ。距離にして2km、歩きで30分だ。車庫で 1万円を崩してもらって 宮之城駅跡に戻る。気温35度、猛暑である。歩き出したが すぐめげた。だめだ、歩いていけない。後続のバスの接続時間も 気になる。

少し歩いたところのガソリンスタンドで 例の「タクシーを 呼んでいただけませんか」を発動した。日本人は親切だなあ。すぐタクシーを呼んでくれた。タクシー5分で、降りそびれた宮之城駅跡に着く。

宮之城駅跡(鉄道記念館)
駅票
運賃表
外には腕木式信号機が残っていた 後方にはSL

さて、次は 薩摩大口までのバスだ。ここからは 南国交通。

南国バス乗り場
バスの外は 穀倉地帯だ
のんびりバス

ここで一つ問題がある。薩摩大口で乗り換える時間が 1分なのだ。薩摩大口着 1529分で、1530分発の鹿児島空港行きのバスに乗りたい。バスの運転手さんにその旨伝える。

薩摩大口に着くと 乗り換えるバスが バス停に停まったところだった。乗ってきたバスは 軽くホーンを鳴らして合図をしてくれた。無事、乗り換えが出来た。薩摩大口から栗野までは旧山野線跡だ。これで 本日の予定全てをクリア出来ることになった。

栗野三文字バス停ー栗野駅 丸池湧水

栗野三文字(くりのさんもんじ)バス停で 降りる。川内からこの辺はこの「三文字」という地名が多い。由来は なんなんだろう。「三つの文字」(さんもじ)ではなく「三文字」(さんもんじ)と読むようだ。

バス停から10分ほど歩いて 栗野駅に着く。

霧島山麓 丸池湧水 日本百名水@湧水町
水は 透明で冷たかった

帰りの列車まで時間があるので、駅裏の公園まで行ってみた。「丸池」という「日本百名水」の湧水があった。冷たい きれいな水だった。霧島山から流れてくる水で、おいしい軟水だった。

栗野ー吉松ー京町温泉

1時間待って、上り吉都線で 昨夜の京町温泉の宿に帰る。列車から大量の学生が降りてきて、乗ったのは私一人、車内は私一人だけだった。

途中、吉松駅を通る この先の肥薩線が不通のためホームはがらんとしていた

京町温泉駅近くのスーパーで 焼きそばを買って帰る。

先生は列車で粛々と越えた山を、私は地を這うように、高速バス、バス、タクシーでようやく越えてきた。やれやれ、長い一日だった。

さて、いよいよ明日は「最長片道切符の旅」最終日である、と焼きそばを食べながらしみじみした。



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新さん|いつか行く旅の旅行社 Shin-san|Journeys Before Departure 応援、ありがとうございます。 いただいたチップは次の旅行の切符代にさせていただきます。 次は「中欧」「北欧」「東欧」に行きたいなあ。