路地裏旅行社: 二人で旅をする技術
▌いつも一緒に経験する
二人で旅をすると、旅の経験をほとんどすべて共有することになる。
見たもの、食べたもの、迷った道、失敗したこと、思いがけない発見。そういうものを、あとで「あれは面白かったね」と二人で話すことができる。
二人旅のよいところは、新しい発見も失敗も、二人で共有できることだ。
旅をしていると、相手のふだんとは違う一面が見えてくることも多い。意外な考え方、判断のしかた、困ったときの反応。そういうものが、旅の中ではよく見える。
▌婚前旅行のすすめ
二人で旅をすると、二人の関係は確実に進む。恋をしている二人なら、なおさらである。
旅行中は、相談することが多い。どこへ行くか、何を食べるか、どのホテルに泊まるか、いくら使うか。そういうことを一つひとつ相談していると、相手のことがよくわかってくる。
あ、意外に英語が話せるんだな。
料金交渉がうまいな。
お金の使い方のバランスがいいな。
困ったときに落ち着いているな。
そんな小さな発見が、いくつもある。

二人で旅をすることによって、お互いの間に強い絆を作ることができる。
知らない土地で、お互いを支え合い、協力し合って困難に向き合う。そうすると、二人の関係はより深くなる。コミュニケーションも、自然によくなるだろう。
二人で手を取り合って、楽しみも苦しみも分かち合う旅は、数年間の経験に匹敵するほど中身の濃いものになるかもしれない。
この数日間の旅の中に、これからの数十年が見えてくるのだよ。ふふふ。
だから私は、婚前旅行を大いにおすすめしたい。
一緒に旅をすると、その人の本当のよさも、欠点も、よく見えてくる。お互いに助け合って旅をすることは、とてもよい経験になる。
▌相棒を選ぶ
二人旅では、旅の相棒をしっかり選ぶことが大切だ。
相性の悪い相手と旅をすると、大切な旅行が台無しになってしまう。気の合わない相手と旅行するほどつらいものはない。くれぐれも選択を誤らないことだ。

そのためには、まず自分の旅の目的や旅のスタイルを、はっきり知っておく必要がある。
自分は鉄道に乗りたい。
私はひたすら買い物がしたい。
一日中、美術館で絵を見ていたい。
街を歩き回りたい。
ホテルでのんびり休みたい。
旅のスタイルは、人によってまったく違う。
質素な二つ星ホテルで十分という人もいれば、豪華な五つ星ホテルに泊まりたい人もいる。食事にお金をかけたい人もいれば、移動にお金をかけたい人もいる。
そういう旅に対する考え方が、相手とうまく合うかどうかを考えておくことが大切だ。
海外へ二人で旅行するなら、その前に国内で一泊の週末旅行くらいはしておいたほうがいい。
海外に出てから、
「あ、この人、すごくイビキをかくんだ」
とか、
「あ、この人、こんなにわがままだったのか」
などと気づいても遅い。
あ、もしかすると、私のほうが駄目かもしれないけれど。
旅の相棒は、できれば同じ目的を持つ人を選びたい。
ある夏、ヨーロッパへ行ったとき、私はできるだけ多くのヨーロッパ文化を見て回りたいと思っていた。滞在中は精力的に動き回り、帰ってから休めばいいと思っていた。
ところが妻は、家事から離れて、のんびり休暇を過ごしたがっていた。だから一か所にゆっくり滞在したかったのだ。
そのため、泊まるホテルも、行き先も、旅のペースも、すべてが食い違ってしまった。その旅行は、なかなかたいへんなものになった。

▌夫婦の旅
良かれ悪しかれ、すでに旅の同伴者が決まってしまっている人もいる。結婚している人たちである。
夫婦で旅行する場合は、一緒にいることで感じるストレスを、なるべく減らしたほうがいい。
そのためには、一日のうち数時間、あるいは旅の途中で数日間、別々に行動するのもよい。そうすると気分が新しくなる。
旅行中だからといって、二人三脚のように、いつも一緒にいる必要はない。
一人で行動しても、危ないとは限らない。
別々に過ごしても、道義に反するわけではない。
まして、わがままでもない。
むしろ、それは必要な時間なのだ。
私も妻とは、旅先で別々の時間を持つようにしている。
私は美術館や本屋をめぐる。
妻はウインドーショッピングやスーパーめぐりをする。
そうすると、夜の食事のときの話が弾む。

毎日ずっと一緒にいると、かえって話すことがなくなってしまう。
二人旅のコツは、二人で旅をしながら、ひとりになれる時間も持つことだ。
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次は「中欧」「北欧」「東欧」に行きたいなあ。