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ワインの有機JASラベルってサステナブルですか?~わこさんのワイン片手の経済視点~

(第六十回)縄張り争いではないと理解はしてますが…ダレトク?

前回は、ビル・ゲイツ氏の気候変動対策の主張修正についてのお話でした

前回は、COP30を前にしてビル・ゲイツ氏が気候変動対策の「緩和と適応」を二項対立ではなくバランスを調整すべきだ、と主張を修正したことについてわこさんの考え方をお伝えさせていただきました。最終的には、時間軸の設定と為政者や企業トップの肚の座り方が重要です、という、これまでのわこさんのサステナビリティの考え方の軸に合わせてお話しました。

久しぶりにワイン周りの話題を

季節的に気候変動がらみの話が多くなってしまい、硬めの話題が続きましたので、久しぶりにワイン周りのお話を。と言いつつ、美味しく酔えるお話ではないかもしれません。

有機ワインに「有機JAS」表示が義務化されました

2025年10月から、日本国内で酒類のラベルに「有機」・「オーガニック」と表示する際には、「有機JAS」表示をすることが「義務化」されました。これが日本のワイン業界にいろいろな形で影響するかもしれません。

ラベリングが義務化された背景

JAS (Japanese Agricultural Standards、日本農林規格)ということですから、所管は農林水産省になります。農産物一般について、以前は「有機」・「オーガニック」表示に法的根拠がなく、ガイドラインのみで運用されていたため、表示の信頼性に課題がありました。消費者が誤認するケースや、化学的に合成された添加物などを使った商品に「有機」表示がされるなどの問題が発生することもあったようです(有機化学との混同なんでしょうかね?)。その一方で、海外でも「有機」・「オーガニック」への関心は、環境保護など様々な観点から高まり、農産物の輸出入を行うにあたって制度の整合性を持たせる必要が出てきました。

有機JAS制度は2001年にスタートしていました

そこで、2001年にJAS法が改正され、有機JAS制度がスタートしました。消費者が安心して「有機」食品を選べるようにするため、法的強制力を持って導入された認証制度です。農薬や化学肥料を使わず、自然の力で生産された食品にのみ「有機」・「オーガニック」表示が許されます。国際基準(コーデックス)に準拠し、欧米の制度と整合性を持たせる(有機同等性を締結する、というらしいです)ことで、輸出入にも対応できるようになりました。

当初対象ではなかった酒類が追加されました

その時の対象は、農産物、加工食品、飼料、畜産物、藻類。酒類は当初対象ではなかったのですが、2022年から対象に追加され、経過期間が設けられていました。で、この度2025年10月から表示が義務化された、という流れです。

流れとしては良いんじゃない?

これだけだと、良い流れですよね。何がそんなに問題なんですか?と思っちゃったりするのですが、コスト(お金と手間)とお役所が問題です。

認証を受けるための手間

今回の義務化で関連するのは国内でワインのラベル表示に関わる人、つまりワインの生産者と輸入業者も含めた流通業者さんになります。有機JAS認証を受けるには、農林水産省に登録された第三者機関(登録認証機関)による「書類審査 → 実地調査 → 判定」という過程を経る必要があり、認証取得後も年1回の更新審査が必要なんだそうです。

輸入ワインも認証を受けなきゃいけない

さらに、EUとかアメリカで有機認証を取っているワインを輸入する場合も(現状では有機規制が同等だとする、有機同等性を締結していないので)有機JAS認証を取らないと、ラベルに「有機」・「オーガニック」とかの表示ができないそうです。

お金もかかるんです

そして、これには当然のことながらお金がかかります。数十万円単位のお金が必要、という話もあります。ワインの生産コスト、流通コストが上乗せされることになりますから、流通業者さんは大変です。この辺りがいかに面倒くさそうか、というのは割愛します。

認証受けずに「有機」表示すると罰則もあるんです

とにかく、このルールの下では、認証を受けた事業者だけがラベルに「有機JASマーク」を貼付できることになります。で、認証なしで「有機」・「オーガニック」などの表示をすることは法律で禁止されています。表示違反には罰則1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられるそうです。

審査の対象はワインそのものだけじゃないんです

さらに、この認証で評価されるのは食品そのものではなく、生産・加工・流通の全工程(システム)になります。たとえば農産物なら、圃場管理、肥培管理、病害虫防除、栽培記録などが審査対象です。それが酒類、つまりワインにも適用されることになりました。流通だと、倉庫なんかも検査対象になるらしいです。

サステナブルな生産・流通の信頼性の認証制度なんだそうです

この制度は、単なるラベルではなく、サステナブル(環境配慮も含む)な生産・流通の信頼性を担保する仕組みです、というのが農水省の言い分です。コストと手間さえなければ反対する理由はないと思います。が、そこが問題だったりします。

業者さんは対応を迫られてます

そして、日本のワイン業者さんは、いろいろな面でこの義務化への対応が迫られています。国内でブドウを栽培し、ワインを造っているワイナリーは、もうすでに農水省の管轄下にありますから、有機JAS認証を取って、お墨付きをもらえば国内向けには大手を振ってオーガニックワインです!と言えます。

国内の大手生産者はブランディングに使おうという動きも

輸出するときはまだ輸出した先の規制がありそうですから要注意ですが、国内だけで良いなら認証取得は(コストさえ賄えれば)ブランディングとしては使えます。輸出戦略はわかりませんが、グランポレール(サッポロビール)やメルシャンは認証を取る畑を増やしている、という話は聞こえてきます。

小規模ワイナリーは大変

もちろん、実際にブドウの有機栽培をしてワインを作っているとしても、認証取ったりする追加の手間やお金がかけられない小規模ワイナリーは大変です。

わこさんが思う、一番混乱を招いているポイントは…

どうしましょうか、という話の前に少しややこしいお話をします。この話は、恐らく有機・オーガニックワインを輸入する業者さんが一番アタマに来て、混乱しているポイントなんじゃないかと思います。

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