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COP30と国際的な気候変動対策ってサステナブルですか?~わこさんのワイン片手の経済視点~

(第五十五回)「地球の肺」での会議が呼吸不全になりませんように

前回はわこさんのワイン審査員デビュー話

前回は、わこさんのワイン審査員デビューのお話でした。WSETのDiplomaを取得して、ワインのバリューチェーンの一角に新たな形で貢献できるようになったわけですが、なかなか大変だったということも含めてまとめさせていただきました。

ワインのバリューチェーンの源流、ブドウの収穫が北半球で

ワインのバリューチェーンの源流にある一大イベントはブドウの収穫です。北半球の各地ではブドウの収穫が始まっています。ヨーロッパやカリフォルニアでの山火事の影響がブドウの収穫量や品質に影響を与えないのかが心配ですが、カリフォルニアでは今のところどちらかと言えば生育が順調で、供給過剰を懸念して収穫せずに放置する畑が出てきている、といった報道もされています。

今年のCOP30の話題を整理しておきます

で、その山火事の一因とも考えられる地球の気候変動(ないし温暖化)をどうにかしなければいけないので温室効果ガス(GHG)を削減していきましょう、という国際的な取り組みが行われています。削減への取り組み状況を確認して加速の機運を盛り上げたい、という会議が年に一度行われます。

2025年については11月の10日から23日にかけて行われる予定のCOP30です。少々早いですが、事前のお話を。COP30、正確には「国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議」ということになり今回の議長国はブラジル、開催場所はアマゾン川流域のベレンです。

開催地はブラジルのアマゾン川流域

アマゾン川の熱帯雨林は「地球の肺」とも呼ばれているような、地球全体の二酸化炭素を吸収するためには重要な地域です。ところが、アマゾン川流域でも農地の開発などが進んでいたり、雨の量が不安定で熱帯雨林が枯れてしまったりという問題に直面しています。

そんなこともあって、ブラジルが議長国として地球環境保護を訴えよう、ということで今回は開催場所がアマゾン川流域になったということです。

国際的な合意ができない懸念

それ以外にも、今回のCOP30が注目される要因はいろいろあります。特に温暖化への認識が一致したうえでそれに共同して取り組んでいきましょう、という歴史的合意、パリ協定が合意されてからちょうど10年です。そこから、世界的な取り組みがスタートしたわけですが、残念ながらGHGの排出量は減少トレンドには入らず(コロナ禍の時期は除く)、2024年の地球の平均気温は産業革命前と比べて1.6度上昇した、観測史上最も暑い年になりました。

そんな中、地球温暖化を認めないトランプ大統領の決定でアメリカがパリ協定を再離脱することになりましたから、国際的な合意形成ができないのでは、という懸念が強まっています。

とはいえ今年の主要テーマは?

今回のCOP30での主要テーマは、(1)NDC(Nationally Determined Contributions: 国別削減目標)の更新を受けてどうするの?(2)気候資金(NCQG: the New Collective Quantified Goal on climate finance)の新目標を具体的にどう運用するの?(3)議長国、何かレガシー残せるの?ということだと思います。

COP29についても書いてましたが、本質的には変わってないかな

去年のCOP29についてわこさんNoteで書いてましたので読み返したのですが、書いていたのは国別の取り組み(NDC)に加えて、「南北問題」(金よこせ問題=NCQGの話)、「緩和と適応」(見本市での商談会)と、本質的にはあまり変わってないな、と思います。一応、今年の主要テーマの意味をわこさんなりに書いてみましょう。

(1)NDC(国別削減目標)の更新できましたか?

加盟各国は、脱炭素に向けた中間目標として2035年目標の提出が求められています。本当は、各国の更新目標を集計して、改めて脱炭素に向けた取り組みを強化しましょう!!とやりたいところですが、実際は……です。

日本のNDCってどう見えます?

日本は2月に提出しています(世界全体での1.5℃目標と整合的で、2050年ネット・ゼロの実現に向けた直線的な経路にある野心的な目標として、2035年度、2040年度において、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す、という目標ですが、図にするとなんだか安易な目標にも見えます)が、9月時点では提出した国の割合が約10%とのことです。削減の先頭を走るとされるEUでも、国同士の対立で、2035年に1990年比で66.25%〜72.5%のGHG削減を検討中、にとどまっています。

環境省の資料をスクリーンショットしました。目指せ2050年ネットゼロ

(2)   気候資金(NCQG)の新目標

COP29で設定されたNCQG(直訳すると新規合同数値目標)は、それ以前にあった、「(2020年までに)先進国全体で途上国向けに年1000億米ドルの気候変動対策資金を動員する」という目標の後継ぎ版です。以前の目標の下では、2022年になんとか1000億米ドルの資金が動くようになった、という状態でした。

今年は具体化が焦点

新目標、具体的には①先進国が主導して、2035年までに少なくとも年間3,000億米ドル動員する(多国間開発銀行による支援、途上国による支援を含む)、②すべての公的及び民間の資金源からの途上国に対する気候変動対策への資金を2035年までに年間1.3兆ドル以上に拡大するため、関係するすべての国や企業や国際機関などに対して、共に行動を求める、です。

で、今回のCOP30ではその具体化、気候変動への適応策への資金配分や途上国支援が焦点となるようです。

(3)   議長国ブラジルのイニシアチブ

議長国として、ブラジルは頑張らなきゃいけません。ブラジルは、COP30を「実装と真実のCOP(the COP of implementation and truth)」と位置づけ、多国間主義と包摂性を強調して、とにかくいろんな人々を巻き込もうとしているようです。

先住民や若者、宗教者の参画を狙ったり、「Rainforests Forever Fund(熱帯雨林保護基金)」を立ち上げようとしたりしていて、気候変動対策と社会政策を融合しようとしていると報道されています。ブラジルは、社会政策や食料システムをNDCに統合する方針も示していて、排出削減を単なるエネルギー政策ではなく、構造的な社会変革として捉える姿勢のようです。

 それ以外にもいろいろとあるみたいですが、目につくのはこんなところでしょうか。

MAGA大統領とは水と油

これは気候変動を史上最大の詐欺と呼ぶMAGA大統領とは全く相容れません。世界第二位のGHG排出国であるアメリカが政府としては気候変動対策に距離を置いている現状、会議での大きな成果は期待できないんでしょうね。 

世界のGHGの4分の1を排出する中国にとってチャンス

ただし、一方でここを国際的な発言力強化の場としてとらえているように見える連中がいます。世界一のGHG排出国、中国です。中国は、世界のGHGの4分の1を排出していますので、結局コイツが排出削減しないと世界は変わりません。

中国が変わった?

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