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登録支援機関を単なる外注先だと思っている会社ほどあとで現場が苦しくなる。

最近、外国人関連の厳格化のニュースを見るたびに思うんですよね。
いよいよ書類だけ整えていた人たちがしんどくなる時代に入ったな、と。

外免切替は2025年10月から制度が厳格化されました。報道によれば知識確認の合格率は2024年の92.5%から厳格化後の2025年10月〜12月には42.8%へ低下。技能確認も30.4%から13.1%へ下がったとされています。
これはめっちゃ下がりましたね…

在留資格「経営・管理」も2025年10月16日施行の改正で1人以上の常勤職員の雇用、3,000万円以上の資本金等、相当程度の日本語能力、経営・管理または事業分野に関する学歴・実務経験、専門家確認付きの事業計画書などが示されています。

政府も外国人労働者の受入れは重要としつつ、一部の外国人による犯罪、迷惑行為、各種制度の不適切な利用などに対して、国民の不安や不公平感が生じているとの認識を示しています。

この流れって特定技能や登録支援機関ともかなり地続きやと感じてます。
実態を見ずに形だけで進めるとあとで現場が歪む。
今の制度厳格化の流れも僕にはその延長線上に見えています。

登録支援機関は味方とは限らない

僕は外国人材の受入れを検討している経営者・担当者の方に知っておいてほしいことがあります。

登録支援機関は制度上は支援を担う存在です。

特定技能1号の外国人を受け入れる場合、受入れ機関は支援計画を作成し、必要な支援を実施する必要があります。その支援は登録支援機関へ委託することもできます。

多くの企業はこう思います。
「登録支援機関に任せておけば安心やろう」
「制度のことは専門家がやってくれるやろう」
「外国人本人の相談も全て支援機関が見てくれるやろう」

もちろんそうあるべきです。

現場感で言うとここに少し危うさがあると思うんです。

登録支援機関は受入企業のために動く存在であるべきです。
でも最初から本当に味方として動ける業者ばかりとは限りません。

ほんまに真面目に支援している登録支援機関もあります。
夜でも休日でも本人と企業の間に入って調整している担当者もいます。
現場で泥をかぶって定着に繋げている業者もいてます。

ただ一方で人を出すことが目的になっている。
入国・入社まで進めることがゴールになっている。
法定支援だけをやれば十分という感覚になっている。
定着よりも次の採用・次の紹介に意識が向いている。

そういう温度感も残念ながらこの業界にはあります。

ここを見誤るとあとでしんどくなるのは現場です。

登録支援機関を選ぶって単に外注先を選ぶ話ではないんですよね。
大げさかもしれませんけど外国人材と企業の未来に関わる相手を選ぶことなんです。

「採用できます」という言葉の罠

受入企業からよく聞く不安があります。

「うちのこの条件で本当に来てくれる外国人はいますか?」

地方。
夜勤。
給与水準。
体力仕事。
住まい。
日本語力。
現場の忙しさ。

そら企業側が不安になるのは当然です。

そこで登録支援機関や紹介会社がこう言います。
「大丈夫です。採用できます」

この言葉そのものが嘘やと言いたいわけではありません。

実際、採用できることもあります。
面接も組める。
候補者も出る。
内定も出る。
入国まで進む。

僕が現場でずっと感じているのは、
採用できますと定着しますはまったく別の話なんです。

ここを混同するとあとで現場が苦しくなります。

来日前に聞いていた話。
面接で理解したつもりの条件。
母国で思い描いていた日本での生活。
実際の手取り。
家賃。
残業。
人間関係。
職場のスピード。
日本語の壁。

ここにズレがあると人はしんどくなります。

これは外国人だけの話ではありません。日本人でも同じですよね。

そうなれば自然に転職を考えます。

特定技能は制度上、転職が可能です。
同国人のネットワークもあります。
SNSでは求人情報が飛び交ってます。
本人にとっては日本にいる時間そのものが勝負です。

企業側の「せっかく採用したのに」だけでは人は残りません。

ここで必要なのは気合いや根性論ではありません。
やっぱり設計です。

入社してから頑張る。
入国してから何とかする。
トラブルが起きてから面談する。

それでは遅いことが多いんです。

本当はもっと前で面接前から始まっています。

本人の本音確認。
生活面の説明。
仕事のリアル。
手取りの現実。
職場で使う日本語。
困った時の相談先。
企業側がどこまで関わるか。

このあたりを曖昧にしたまま、

「人は来ましたんであとは現場でお願いします」

これではそらしんどいです。

現場にそんな便利な魔法はありません。
配属した瞬間に全部うまくいく呪文はありません。

あったら教えてください。
僕も唱えたいです。かなり大きめの声で。

送り出し機関の質は受入企業からは見えない

インドネシア、ベトナム、ミャンマー、ネパール、スリランカ。
最近だとバングラデシュとかインドもですかね。

たくさんの送り出し機関があります。

日本語教育の中身。
候補者への説明。
面接前の指導。
家族への説明。
合格後のフォロー。
入国前教育。
トラブル時の対応。

ここは本当に送り出し機関によってかなり差があります。

これって受入企業からは見えにくいんですよ。

パンフレットはだいたい綺麗です。
ホームページもだいたい爽やかです。
現地に行けば軍隊みたいに全員整列してお出迎え。
授業風景も真面目です。
集合写真ではみんな笑顔で前を向いています。

そらそうですよ。送り出し機関も営利団体ですからね。
パンフに「弊社は報連相がやや苦手です」
「候補者の本音確認は案件によりけりです」
「合格後のフォローは少し温度差があります」

なんて書いてあったら逆に正直すぎて一回会いたくなります。

現実には見えません。
面接では「頑張ります」と言っていた。
でも実は条件を深く理解できていなかった。
日本での生活費をイメージできていなかった。
仕事の厳しさをわかっていなかった。
家族や周囲の期待が先に膨らみすぎていた。
送り出し機関側も企業側のリアルを十分に伝えきれていなかった。

こういうズレは普通に起きます。

登録支援機関がどの送り出し機関と組んでいるのか。
なぜそこを選んでいるのか。
過去にどんな問題が起きたのか。
その時、どう対応したのか。

ここが大事なんですよ。

大事なのは弱点が見えた時に関係を切るだけではなくてきちんと改善できる関係性があるか。

送り出し機関も、登録支援機関も、受入企業も、同じ方向を向けるか。

「とりあえず人を出す」
「とりあえず採用する」
「とりあえず入国させる」
この“とりあえず三兄弟”がそろうと後で現場が苦労します。

転職で売上が再起動する構造は確かにある

ここは若干言いにくい話です。やけど避けて通ると単なる綺麗ごとになるので誤解を恐れずに言うと外国人材が転職すると受入企業には新たな欠員が出ます。

企業はまた採用しなければならない。
また求人を出す。
また候補者を探す。
また紹介料が発生する。

業界構造として人が動くほど売上が発生する場面があるということです。

もちろんすべての登録支援機関や紹介会社がそういう考えで動いているわけではありません。ここは絶対に誤解してほしくありません。

真面目に定着に向き合っている会社もあります。
本人と企業の間に入って泥臭く調整している担当者もいます。
転職させた方が早い場面でもまず原因を見にいく者もいてます。

一方で定着より回転。
支援より紹介。
関係構築より件数。
長期伴走より次の売上。

そういう発想が入り込む余地もこの業界にはあります。

だから受入企業はここを見ておいた方がいいんです。
その登録支援機関は外国人材が辞めそうになった時にまず何を見るのか。

次の求人なのか。
本人の不満なのか。
企業側の受入体制なのか。
送り出し機関との説明のズレなのか。
支援機関の関わり方なのか。

ここにその支援機関の本音が出ます。

雨の日に傘を差してくれるのか。
雨が降った瞬間に既読だけつけて消えるのか。ここなんです。

定着支援と言うだけなら誰でも言える

登録支援機関のホームページを見るとだいたいこう書いてあります。

日本と海外の架け橋になります。
定着支援を大切にしています。
母国語でサポートします。
企業様に伴走し寄り添います。
外国人材の活躍を支援します。

もちろん大事な言葉です。
でも言葉だけなら誰でも言えます。

問題はそこに中身があるかどうかなんです。

特定技能1号では事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、定期面談など、義務的支援の項目が定められています。

ここで大事なんは法定支援を実施することが定着を実現することは別物
ということです。

定期面談をしました。
面談記録を残しました。
相談窓口を設けています。
行政手続きも案内しました。

これで制度上の支援としては一定の形になります。

ほんまにそれだけで本当に人は定着するんかな?
ここなんです。
これって看板だけではわからないんですよね。

外国人材が辞めそうになる前に日常的な関わりがあるのか。
本人の不満や不安の小さな兆候を早めに拾う仕組みがあるのか。
トラブルが起きたとき、書類対応だけで終わらず人として動けるのか。

本当に大事なのは問題が起きる前に何をしているか。
問題が起きた時に誰がどう動くかです。

きれいな支援体制、システム導入、ネームバリューより、
実際に汗をかいた支援の履歴の方がよっぽど信用できます。

その支援機関がどこを向いているのかも見た方がいいです。

人材を動かすことで売上を作りたいのか。
それとも受入企業と一緒に外国人材が根づく環境を育てたいのか。

この違いはめっちゃ大きいです。

前者は人が動いた時に商売が動きます。
後者は人が残った時に信頼が積み上がります。

同じ登録支援機関でも見ている景色が違うんですよ。

そらどっちもビジネスです。
登録支援機関もボランティアではありません。

でも人が辞めた時に次の売上を見るのか。
人が残るために次の改善を見るのか。

ここで支援機関の本質はかなり出ると思います。
看板ではなく行動で見た方がいいです。

過去にどんな問題に直面したのか。
その時、誰が動いたのか。
企業に何を伝えたのか。
本人にどう向き合ったのか。
送り出し機関に何を求めたのか。
同じトラブルを繰り返さないために今は何を変えているのか。

ここを聞いた時に具体的な話が出てくるか。

「しっかり対応します」
「万全の体制です」
「ご安心ください」

この言葉だけで終わるなら少し立ち止まった方がいいです。

“ご安心ください”ほど安心できる根拠を聞きたくなる言葉もありません。
いや、言われた瞬間は安心するかもしれません。

ほんまに見るべきなんはその会社が過去にどう動いてきたかです。
登録支援機関の実力は順調な時には見えません。
本当に見えるのはトラブルが起きた時です。

その時に書類の後ろに隠れるのか。
それとも人の前に立てるのか。

ここに支援機関としての本質が出ると思っています。

Facebookにも厳格化の揺れ

少しだけ今の外国人領域現場の温度感にも触れておきます。
僕は仕事柄、Facebookに外国人の友達がたくさんいます。

今まで接してきた留学生。
本当の友人。
仕事でつながった方。その友達。
特定技能人材や応募者の方。
送り出し機関の関係者。
正直、立ち位置が見えにくい人まで。

数珠つなぎみたいに申請が来たり、手当たり次第に申請してくる外国人もいるんで友達承認していないケースも多いんですけどね。笑

このFacebookの投稿に時々、制度の厳格化に対する戸惑いや不満のような投稿が流れてくることがあります。

「厳しくなった」
「どうして急に」
「日本は冷たくなった」

こんな温度感です。

この気持ちが出る背景もわかります。
ルールが変われば困る人はいます。混乱は起きます。

僕はその空気を見ながらこう感じることがあります。
制度が厳しくなったことへの怒りだけやなくて今まで何となく進んでいたものが進みにくくなったことへの戸惑いもそこにあるんちゃうかな。
でも実際には口に出せないからSNSで投稿する。
こういう投稿を見るたびにもう既に机上の話ではないことを感じます。

これっておそらくは本気で言ってるわけでないと思います。
ただ不満や愚痴を吐き出す先がSNSしかなくなってきてるのでないかと感じています。

※この画像を掲載したのは特定の誰かを責めるためではありません。
制度の変化が現場の空気にも表れている一例として掲載してます。
(個人情報保護のため一部加工)

支援機関に丸投げしてたら苦しくなる

登録支援機関や外国人材に問題があるケースもあります。
でも僕は企業側にも見直すべき点があるケースがあるとも思っています。

支援機関に何も共有しない。
本人の小さな変化を伝えない。
現場の違和感を後回しにする。
日本人スタッフの不満をため込む。
問題が大きくなってから初めて連絡する。

それで退職相談が出てから「何とかしてくださいよ」と言われても、
正直かなり厳しいんです。

現場で何が起きているか。
本人の表情がどう変わったか。
勤務中の反応がどうか。
日本人スタッフとの距離感はどうか。
お金や生活の不安を口にしていないか。

ここはですね企業側の協力がないと絶対に見えません。

炊飯器の保温を1週間放置してから「もうダメな匂いやと思うんで空けて何とかしてください」と言われている感じです。

いやいや、それやったら匂う前に教えてくださいよ。
こっちも炊く前の状態から見たいんです。

良い支援や定着は支援機関だけでは絶対に作れません。

企業、本人、支援機関、送り出し機関、それぞれが少しずつ責任を持って修正しながら進めるものやと思ってます。

登録支援機関選びは外注先探しやなくて、
受入れ体制を一緒に育てる相手探しなんやと思います。

一緒に育てられる相手を選ぶ

いちばん伝えたいことです。
登録支援機関を選ぶときに企業はどうしても条件を見ます。

紹介料。
月額支援費。
対応国。
候補者数。
面接までのスピード。
書類対応の早さ。
教育や支援体制。

どれも大事です。

外国人材の受入れは契約した瞬間に完成するものではありません。
むしろそこから始まります。

面接では見えなかったズレが入国後に見えてくる。
大丈夫ですと言っていたことが大丈夫ではない。
本人も企業も悪気はないのに少しずつすれ違っていく。
勤務態度の問題に見えて実は生活不安や言語理解の問題やった。
やる気の問題に見えて実は将来設計が見えなくなっていた。

こういうことは普通に起きます。

問題が起きた時に逃げないこと。
本人の話を関係性から拾えること。
企業にも耳の痛いことも言えること。
送り出し機関にも必要な改善を求められること。
自分たちの支援の足りなさも見直せること。

一緒に受入れの質を育てていけるか。
ここやと思うんです。

一緒に受入れの質を育てていける相手を選ぶ。
僕はこの感覚がこれからますます大事になると思っています。

支援の実態が問われる

外免切替も経営・管理ビザもこれからの在留管理も。
流れとしては確実に形式より実態に向かっています。

僕はこの流れを全部ネガティブに見てたらアカンと思います。

もちろん現場は大変です。
確認も増えます。
説明責任も重くなります。
“前みたいに何となく進む”ことは減っていくと思います。

真面目に働く外国人材が損をしない。
ちゃんと受け入れる企業が損をしない。
現場で支援している人が埋もれない。
いい加減な受入れや回転前提の関わり方が見直される。

そういう方向に進むならこれは単なる向かい風ではなく、
業界の水準を上げる機会でもあると思っています。

外国人材の受入れはもう人が足りないから採るだけでは続きません。

採ったあとにどう一緒に働くか。
どう育てるか。どう支えるか。
どう職場に根づいてもらうか。

ここまで考えないともちません。

書類だけでは人は残りません。
採用しただけでは未来は作れません。

“誰を採るか”の前に“誰と受け入れるか”。
そこを見誤る会社から順番に現場がしんどくなると思っています。

──外国人材、現場からは以上です。


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